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【BMFFレビュー】「クロッシング ザ アイス(Crossing the Ice)」
2013.09.19 Thu
林 拓郎 アウトドアライター、フォトグラファー、編集者
Akimamaなりのレビューをお届けしてきた2013年「バンフ・マウンテン・フィルムフェスティバル(BMFF)」のジャパンツアー。レビューの最後は、歩いて南極点に到達しようという壮大な冒険に、例の2人が挑むお話です。
■「クロッシング ザ アイス(Crossing the Ice)」(44分 オーストラリア)
監督:Justin Jones (ジャスティン・ジョーンズ)
制作:Justin Jones, Greg Quail, Doug Howard (ジャスティン・ジョーンズ/グレッグ・クアイル/ダグ・ハワード)
【あらすじ】
オーストラリアに住む冒険好きな若者二人、ジェームズとジャスティン。彼らが挑むのは一切のサポートを受けない徒歩による南極点到達。必要な装備をすべて積み込むと160kgにもなるソリを引き、スキーを履いて氷の上を歩くのだ。片道1,000kmを超える旅は、わくわくする冒険の旅になるはずだった。
が、実際にはコテンパンにされる。冒険はライバルの出現でレースになり、精神的なプレッシャーを受けることになる。またブリザードによる停滞を余儀なくされ、時に腰まで雪に埋まってソリを引くなど、旅路は思っていたよりも遙かに厳しい。体調不良、天候不良。あらゆる歯車が噛み合わず、物事すべてが上手く運ばない辛く厳しい日々。ついに彼らは南極点まで残された距離と、手持ちの食料とを天秤にかけなくてはならなくなる。
冒険を投げ出して助けを呼ぶのか。それとも自分たちの想いを貫くのか。決断の時は刻々と迫る。
Crossing the Ice Trailer
【見どころ】
オーストラリアからニュージーランドまで手作りカヤックで海峡を横断する。一昨年のBMFF参加作品「Crossing the Ditch(クロッシングザ ディッチ)」で描かれた二人の若者の冒険。その若者こそ、今回南極を歩いたジェームズ・キャストリシアンとジャスティン・ジョーンズ。そう、今回は海峡から南極大陸へと言う二人の冒険譚の続編なのだ。
相も変わらずポジティブで陽気な二人は、南極を歩くことになってからスキーで歩く練習をはじめるなど、本当にそれで大丈夫か?と心配になるほど。その不安は要所要所で的中するものの、お互いを信頼し合う友情の豊かさで困難を乗り越えていく。
何よりも相手のことを考え、相手を尊重し、常に相手を喜ばせようとしながら、チームの目的に向かって突き進む。男同士の深い友情と言うよりも、すでに離れられない絆でむずばれた二人。果たして、そんな彼らの旅の結果はどうなるのか? 44分間の上映時間があっという間に感じられる、痛快な冒険ドキュメンタリー。
「バンフ・マウンテン・フィルムフェスティバル・イン・ジャパン・2013」
チケットの入手方法や各作品の上映スケジュールなど、詳しくはこちらへ
Banff Mountain Film Festival in Japan 2012公式ウェブサイト
これだけでもやばい!
「バンフ・マウンテン・フィルムフェスティバル・トレイラー」もチェックしてみて!
Banff Mountain Film Festival World Tour 2013 - Official Trailer