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「私はストーブだ!」 ロケットストーブ愛好家の祭典が今週末、広島にて開催!
2014.11.21 Fri
藤原祥弘 アウトドアライター、編集者
数年前からじわじわと愛好家が増え、現在はすっかりその存在がアウトドア界隈に浸透した感のあるロケットストーブ。
このロケットストーブから始まった手作りストーブの野外イベントが、今週末、広島県府中市で開催される。その名も「私はストーブだ!」。
いま一度、ロケットストーブを知らない人のために解説すると、ロケットストーブとは、断熱材に覆われた燃焼塔のなかで、木材からでた可燃性ガスを高温で燃やす高効率な木質燃料ストーブのこと。
燃焼効率が高いため、高温を得ることができ、また可燃性のガスを燃やしきるので煙やススも少ない。猛烈な燃焼力が生む焚き口からの吸気音が、まるでロケットのように聞こえることからこの名がつけられたとか。
日本では一斗缶やペール缶を使って自作できる小型の調理用のものをキッチンロケット、家のなかに構築して、床下暖房などに使う大型のものはロケットマスヒーターと呼び、これらを合わせたものを「ロケットストーブ」と総称することが多い。
「私はストーブだ!」では全国から手づくりストーブ愛好家が集い、自慢の自作ストーブを出展、品評しあう。
今年3月に開かれた第1回では、調理に特化したもの、熱の利用に特化したもの、一般家庭でも使えるようにしたものなど、さまざまなスタイルのストーブが登場した。第2回となる今回も、工夫が凝らされたストーブが多数出展される。
愛好家が作る高度なロケットストーブの出展だけではなく、入門者のためにロケットストーブの原理と制作方法が学べる自作ワークショップも展開。そのほか、薪割り道具や、ストーブを使った料理など1日楽しめるプログラムが用意されている。
このイベントの中心となるのは、日本にロケットストーブを紹介した第一人者のひとり、石岡敬三さん。
「『私はストーブだ!』という名前は、ロケットストーブが縁となってつながりができた韓国のイベントからお借りしました。韓国で行われていた同名のイベントの趣旨に賛同して、同じ名前を使わせていただいています。韓国の仕掛け人はキム ソンウォンさんという方で、彼いわく、この名には3つの由来があるそうです」
・ひとつ
私がストーブ(暖炉)であることは、電気および電力会社から自立するということ。
・ふたつ
ストーブ(暖炉)であることは、隣の人を温めることができるということ。
・みっつ
ストーブ(暖炉)であることは、私自身が技術そのものであるということ。
「特に3つめについては産業社会の中で、人間から失われた技術を取り戻す、技術を抱きしめなおす、という思いが込められているそうです。前回と違い、キムさんはお越しになられませんが、この度の集まりも、自立のための技術で自分と隣の人を暖める場になったらいいな、と思っています」
会場は広島県府中市の羽高湖サン・スポーツランド。11月22、23日の2日間(10:00〜16:00)で開催される。
イベント詳細は以下のHPへ!
http://iamstove.tumblr.com/