- カルチャー
どうする日本の自然保護! がんばれ日本のアウトドアカンパニー
2015.07.09 Thu
滝沢守生(タキザー) よろず編集制作請負
先日、公益社団法人日本外国特派員協会(外国人記者クラブ)で、映画『ダムネーション』の上映、および日本のダム建設反対に関する記者会見が行なわれた。記者会見の先陣に立って、日本のダム建設の現状などについてスピーチしていたのは、パタゴニア日本支社長の辻井隆行氏だ。パタゴニアは、数あるアウトドア企業の中でも、環境保護活動に対して、それ自体が企業の理念であり、使命でもあると公言している数少ない企業でもある。
よく考えてみて欲しい。アメリカの企業が、ダム建設によって沈んでしまう日本の名もない小さな集落を守ろうと、建設に反対する人々のおかれた状況を、全世界に発信しているのである。小誌アキママも同じ(かなり規模は小さいが)アウトドアの関連企業として、頭の下がる思いであり、私たちも日本の自然保護のために積極的にアクションをおこさなくては、と決意をもってこのニュースを受け止めた。
さて、そんななか、日本のアウトドア企業が、日本のさまざまな自然環境保護活動を行なっている団体に対し、資金援助という形で活動を支援をする、コンサベーションアライアンスジャパン(Conservation aliance japan 以下 CAJ)という団体があるのを知っているだろうか。
CAJに加盟するのは、先のパタゴニアをはじめ、ザ・ノースフェース、スノーピーク、キーン、チャムス、マウンテンハードウェア、マックパック、ヘリーハンセン、モントレイルなどのアウトドアブランドをはじめ、アウトドアショップのWILD-1、キャンプ場のPICA、アウトドア雑誌を刊行するエイ出版社などのアウトドア関連企業9社12ブランドだ。
これらのブランドが、各社の売り上げ規模によって集めた基金を環境団体に活動資金として援助・提供することは、間接的にユーザーが自然保護のために資金援助することになる。CAJは2000年7月に発足、これまでに累計で約6000万円近くを支援金として助成、昨年度だけをみても15グループに対し、700万円近い助成を行なった。
公共事業という大義名分で、かけがえのない日本のアウトドアフィールドが壊されていく現状をこのまま黙って見ていていいはずはない。日本のアウトドアフィールドのすばらしさを知る私たちアウトドアユーザーひとりひとりの意識、そしてアウトドアカンパニーの志が今こそ問われている気がする。