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ザ・ノース・フェイスの創始者、ダグラス・トンプキンス氏がカヤック事故で死去
2015.12.10 Thu
滝沢守生(タキザー) よろず編集制作請負
ザ・ノース・フェイスを創業したダグラス・トンプキンス氏(72歳)が、チリ南部、パタゴニアにあるヘネラル・カレラ湖にて、5人の仲間とツアー中にカヤックが転覆、コジャイケの病院に救急搬送されましたが、12月8日、低体温症のため亡くなられました。
トンプキンス氏は1964年、アメリカ・カリフォルニアのバークレーにて、ザ・ノース・フェイスを創業するとともに、1968年には、後に世界的なファッションブランドとなるエスプリを創設、ビジネスマンとして大成功を収め、多くの富を得ました。
しかし、そもそも優秀なクライマーでありアウトドアズマンであったトンプキンス氏は、ビジネスの世界からきっぱりと足を洗い、一転、環境保護活動家として、私費を投じてランドトラストを設立。チリ南部とアルゼンチンにまたがるパタゴニアの広大な土地を入手し、忍耐強い活動を続けながら国立公園の設立に尽力、今も精力的に活動を続けていました。
1968年、トンプキンス氏は、パタゴニアの創設者であるイヴォン・シュイナードとともに、クライミングギアやサーフボード、そして16mmカメラを古いバンに乗せ、半年にもおよぶ南米への旅に出ました。その旅が、その後の彼らの人生を決定づけたと言っても過言ではありません。
2011年には、そんなふたりの大いなる旅にインスパイアされた青年が、その旅を追体験しながら彼の地へと赴くドキュメンタリー映画『180°SOUTH』が上映され、トンプキンス氏の人生が話題になったこともまだ記憶に新しいことと思います。
偉大なる本物のアウトドアズマンの突然の訃報に対し謹んでご冥福をお祈りいたします。