- カルチャー
フェザークラフトの創業者ダグ・シンプソンへと贈る日本ユーザーたちの熱い想い
2015.12.18 Fri
先月の上旬、カヤック業界に激震が走った。革新的なフォールディングカヤックを世に送り出して来たバンクーバーのフェザークラフト社が、突然に「生産休止」のニュースを全世界に向けて発表した。いま、フェザークラフトのホームページにアクセスすると、以下のような「お知らせ」が冒頭に掲げられている。
フェザークラフトカヤックに関する重要なお知らせ
ご愛顧をいただいておりますフェザークラフトカヤックにおきまして、 2015年11月末をもちまして生産を休止する運びとなりました。 今後の生産再開時期に関しましては、情報決定次第ご案内させていただきます。
フェザークラフト社のフォールディングカヤックといえば、ヘビーウェイトスキンの船体布とマグネシウム/アルミニウム合金のフレームで組み上げるタイプのカヤックだ。収納バッグひとつにカヤックがしまえることもあり、その携帯性の高さ、機動力のよさで多くのカヤッカーが憧れ、恩恵に預かってきモデルである。“フェザー”の愛称で多くのファンに親しまれてきただけに、その存続を望む声は多い。
生産休止に追い込まれている理由はいろいろとあるようだが、どうやら、船体布のメイン素材であるヘビーウェイトスキンの確保がむずかしくなっていることがその一因のようだ。とはいえ、生産が「終了」になったわけではない。それだけに、日本国内にも多いフェザーユーザーが、このままではならじ!! とさまざまな声を上げはじめている。
そのなかのひとりに、フリーカメラマンの山田真人さんがいる。山田さんは、枻出版社の『フィールドライフ』で連載中の人気企画「Paddling HOBO」の担当カメラマンでもあり、アウトドアライターのホーボージュンさんとタッグを組んで、方々の海でフェザーを漕いできた。その山田さんが、創業者のダグ•シンプソンへ日本のフェザーファンたちの熱い想いを届けようと、以下のような企画を立ち上げている。
“Our FEATHER trip to Vancouver Japan〜Vancouver 7600km”
日本からフェザークラフト社のあるバンクーバーまでの7,600kmという距離を、web上で旅をしようという企画である。山田さん曰く、
全国のフェザークラフトユーザーのみなさま、こんにちは。カメラマンのヤマダマコトと申します。先日ぼくたちの旅の相棒、フェザークラフト社から悲しいニュースが届きました。確かに衝撃的で悲しい出来事ですが、ここで嘆いてばかりいても仕方ありません。いつでもぼくたちを旅に誘ってくれて、すてきな出会い、経験、感動を与えてくれたフェザークラフトに感謝を込める意味で、何かできることはないかと考えました。そこで思いついたのがこの掲示板です。
日本(東京)からフェザークラフト社のあるカナダ・バンクーバーまで約7600km。この距離を旅できないものかと。しかもできるだけ早く。もちろん一人でできるものではありません。でもみんなの力を合わせれば、7600kmの旅をダグに届けることができるんじゃないかと思いました。
web上に過去のフェザークラフトでの旅の記録を投稿し、そのときの距離をつなぎにつないで、7,600kmをめざすというものである。日帰りの旅でも1ヶ月の旅でも、海でも川でも湖でも、日本のファンがフェザーと培ってきた記録と記憶を共有し、溜め込んでいくこと自体に意味がある。これが、ダグ•シンプソンへの応援メッセージとなっていく。
76人のユーザーが集まれば1人あたり100km、760人のユーザーが集まれば1人あたり10kmの旅でバンクーバーまでの7600kmがつながる計算だ。山田さんは、この掲示板の開設にあたり、こんな言葉も寄せている。
きっとフェザークラフト社にとって創業以来最大のピンチが訪れていると思います。そんなとき、ダグを一番喜ばすことができるのは、ぼくたちフェザークラフトユーザーがこの美しい日本のフィールドでたくさんの旅をしていることを伝えることだと思うのです。きっとそれがフェザークラフト社にとっての誇りだと思うので。
ぼくたちの旅を重ね合わせて、みんなでバンクーバーまで漕ぎ渡りましょう!
12月18日現在、ダグへの想いは28の投稿で1,361kmまでつながっている。旅はまだまだ続くけれど、ぜひともフェザーファンの力で太平洋を漕ぎ渡って欲しいと思う。われこそは! と思うユーザは、以下へアクセス!!
■Our FEATHER trip to Vancouver
http://6245.teacup.com/feathercrafttrip/bbs