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【ベストバイ】フェスおじさんの野外フェスで聞きたいCD
2016.01.14 Thu
菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん ライター、編集者、DJ
1年で聞くアルバムの数って、どれくらいになるのだろう。貪り聞くようになんでも聞いていた20代とは違い、好みがはっきりしてきている今となっては、それほど多くはない。けれど、ラジオから流れてきた音楽やフェスで見たライブに興味を抱いて、アルバムにたどり着くことも少なくない。新しい音との出逢いには、いつも胸が高鳴る。
2015年。もっとも聞いたのは、間違いなくグレイトフル・デッドの、7月3日から5日にかけて開催されたシカゴ公演の音源。20年ぶりにグレイトフル・デッド名義で行われたショーのライブ。テーパーが録りシェアされた音源を何度も何度も聞いた。
ここで紹介する「ベストバイCD」は、「フェスで見たくなったアーティスト」という切り口。今、耳にしている音から、ライブではどう飛翔していくのか。ライブという空間でCDの音がどう演出され、どう視覚でもインパクトを与えてくれるのか。音を聞いてライブをイメージする。選んだのが、デビッド・ギルモア『RATTLE THAT LOCK』、カマシ・ワシントン『THE EPIC』、アラバマ・シェイクス『SOUND & COLOR』の3枚。2016年は、この3つのアーティストのライブが見たい。野外フェスで見たい。
デビッド・ギルモア『RATTLE THAT LOCK』
ピンク・フロイドの80年代中盤以降の中心的な存在だったデビッド・ギルモアが9年ぶりにリリースしたソロ4作目。叙情的なギター、詩的と感じさせてくれる音の世界が広がる。去年の秋にはヨーロッパツアーが行われ、今年はアメリカツアーも予定されている。
カマシ・ワシントン『THE EPIC』
ハービー・ハンコックやウェイン・ショーターといったジャズの巨人だけではなく、ローリン・ヒルやスヌープ・ドックと共演してきたサックスプレイヤーのカマシ・ワシントン。フライング・ロータスが制作総指揮を務めて完成した3枚組。総勢60名ものミュージシャンが参加し、ジャズだけには納まりきれないスケール感を放っている。
アラバマ・シェイクス『SOUND & COLOR』
60年代から70年代のソウル〜ブルース〜ロックを、今の表現で提出してくれるアラバマ・シェイクスが3年ぶりにリリースしたセカンド。iPadのTVCMに表題曲が起用されるなど、世界的に注目を集めている。昨年は、ボナルーやグラストンベリーなどのビッグフェスに相次いで出演を果たしている。