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ただいま、火星が地球へと接近中。火星を見るなら、この春が大チャンス!!!
2016.04.15 Fri
都築泰久(ビクセン企画部) ビクセン
マーズ・アタック!? いえいえ、火星人来襲ではなく、火星自体が地球へ近づいてきているのです。天体望遠鏡国内シェア60%以上を誇るビクセンの広報担当/都築泰久さん曰く、今年の春は火星観察にピッタリの時期。5月末日が最接近の日ですって。
今年の5月31日は、火星に注目すべき一日。なんとも偶然ですが、この日はちょうど火曜日にあたっています。そして、この火曜日こそ、火星が地球にもっとも接近する日なのです。
現在、火星はどんどん地球に近づいています。見た目にもちがってくるほどで、最接近の前後約1ヶ月は、火星を観察するには絶好のチャンスとなります。
なぜかといえば、当然ながら火星と地球の距離に関係があります。水、金、地、火、木……と、ご存知のように、火星は地球の隣にある惑星です。でも、地球と火星の距離は、いつでも一定というわけではありません。
それぞれの天体の公転軌道の関係などから、ときによって大きく変わります。太陽を挟んで遠く離れてしまうこともあれば、すぐ近くにやってくることもあります。
そんな地球と火星の距離間が、2016年の春にはかなり接近。つまり、火星を観察するにはいまが大チャンスとなるのです。
火星の公転軌道が楕円なことから、地球と火星の距離は時期によって大きく変わってしまうのです
では、火星を観察するなら、いつごろがいいのかといえば……。
火星最接近日は2016年5月31日の火曜日ですが、この日だけ観察してもおもしろさは半分になってしまいます。どうせ観察するなら、もっと前からがおすすめですよ。5月31日まで火星は地球にどんどん接近してくるわけで、たとえば、ゴールデンウィークあたりから火星観察をスタートすると、日に日に火星は大きく見えてきて“火星が地球に接近している!!”感覚を、肌で感じられるはずです。まさに、マーズ・アタックですよね。
1月と5月の火星の大きさを見比べれば一目瞭然。こんなにもサイズが変わるなんて、知っていました?
さらに、5月31日以降も観察を続けると、今度は地球から遠ざかっていく、“火星の淋しい後ろ姿”を見ることもできます。
火星が天体の見やすい高さで輝き始める時間は、4月は夜の11時過ぎ、5月は9時ごろからと、ちょっと遅めの時間です。しかし、6月になれば夜7時には見やすい高さに昇ってくるので、もし子どもたちといっしょに火星を観察したいなら、最接近はちょっと過ぎたものの、まだまだ大きく見える6月の火星がおすすめと言えるでしょう。
火星接近を楽しむために必要なアイテムは、ずばり天体望遠鏡です。天体望遠鏡があれば、接近時にしか見ることができない火星の表面の模様、さらには「極冠」と呼ばれる、ドライアイスでできた火星の北極や南極の様子を観察できるかもしれません。
天体望遠鏡を使う際には、倍率100倍あるいはそれ以上の高い倍率で観察するといいでしょう。ただし、むやみに高い倍率にしても像が暗くなりぼやけて、よく見えなくなります。
目安として、天体望遠鏡の倍率は、レンズ口径の2倍までと覚えておきましょう。たとえば、レンズ口径80mmの天体望望遠鏡なら「80×2=160」。つまり、最大で160倍くらいまでの倍率で見ることをおすすめします。
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天体望遠鏡があれば、接近時にしか見られない火星のそのままの姿を目にすることができます。宇宙に想いを馳せて、ぜひ覗き込んでみてください -
おすすめ火星観察アイテムは、もちろん天体望遠鏡。ビクセンのおすすめは、ポルタⅡA80Mf(メーカー希望小売価格 55,000円+税)
この天体望遠鏡は、初心者にもたいへん扱いやすい、シンプルな入門モデルです。屈折式80mmの鏡筒と、手動式の「ポルタ」経緯台がセットになっています。目的の星を見つけるためのファインダー、高倍率時の細かい操作を可能にする全周微動ハンドルなど、火星観察時に役立つ機能を搭載。付属レンズのよる倍率は46倍と144倍です。春の夜空の火星観察に、ぜひとも役立ててみてくださいね!