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【海外】インドでバイクをレンタルして3週間のヒマラヤツーリング
2016.07.05 Tue
夏と言えばキャンプ? バーベキュー? いや、オレはワタシは長旅だ。しかもバイクツーリングだ!という人は必見です。
スペインの青年、カルロスとドゥーブはインドを訪れました。旅の目的はバイクツーリング。インドのManali(マナリ)でバイクをレンタルしてLeh(レー)を経由し、パキスタンとの国境近くにあるSrinagar(シュリーナガル)まで往復1,800kmを走ろうというのです。
こうして彼らが手に入れたのはロイヤル・エンフィールド。そう、イギリスで生まれた世界最古のモーターサイクルブランドです。今ではインドの会社ながら、その造りは英国思想に基づく質実剛健主義。この、やや前時代的なマシンを手に入れて、二人の冒険の旅が始まります。
広い空とホコリだらけの空気。友達と笑い声。ああ、そういうものが全部、暑い一日にぎゅっと詰まったのが夏休みでした。ここにはそれがあるかもしれません(画像はA Himalayan Roadtrip/Carlos Costaよりキャプチャ)
もちろんこんな旅が順調に品良く、快適に進むはずがありません。彼らが走るのはヒマラヤンハイウェイと呼ばれる整備された道です。が、整備されているとは言え、僕らが想い描くものとはだいぶ違います。ワンミスで谷底に転落するようなつづら折れの山道を走り、橋のない川を越え、どろどろにぬかるんだ道に苦労し、パンクで足止めを食らう。こうした小さなトラブルを乗り越えながら、旅は進んでいきます。
旅の大きなヤマ場となるのは、クルマが通れる峠としては世界で最も標高の高い「Khardung La(カルドゥン・ラ)」。果たして、富士山よりももっと高い標高5,359mという高所を、彼らのオールドタイムなバイクは超えていけるのか?
現代の旅らしく、旅はアクションカメラを駆使して臨場感抜群。岩だらけの悪路を走り、風を切る爽快感に嬌声を上げ、雪の寒さを笑い飛ばし、メカトラブルさえも楽しむ。ムービーは3週間の大人の夏休みを、テンポよく12分間に凝縮しています。
ネットやビデオカメラが発達したからこそ、僕らはこういった特に有名ではない人の旅の様子にまで触れることができるようになりました。そこにあるのは、自分と同じように旅や人生を楽しんでいる人たちのリアルな笑顔です。まさに同じ目線だからこそ、強く共感できるというわけです。
ムービーを見ているうちに思えてきました。古いデザインのバイクにざっくり荷物をくくりつけて、泥とホコリにまみれた悪路に突っ込んでいく。それくらいの方が笑い声は大きくなるんじゃないの?と。そう、旅に必要なのは豪華なクルマや快適なバイクじゃなくて、こういう向こう見ずな勢いだったはず! まさに原点に引き戻される旅ムービーに触れた思いです。というわけでただ今より早速、カブかベンリーあたりで北海道を走る妄想にシフトしたいと思います。
■A Himalayan Roadtrip