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織姫、彦星、天の川……8月なのに七夕の話!? そうです、8月9日は「伝統的七夕」の日!!
2016.08.03 Wed
都築泰久(ビクセン企画部) ビクセン
なぜ8月に七夕? と、ツッ込まれてしまいそうですが、ビクセンの広報担当/都築泰久さん曰く、本来の七夕は旧暦の7月7日、いまの暦にすると8月ごろにあたるのですって。そういえば、夏の夜空に天の川はよく似合う。来週の火曜日、9日はみんなで夜空を見上げてみましょう!!
夏の夜空の天の川。photo by Teruyasu Kitayama
「七夕」といえば7月7日。すでに今年は終わっていますが、実はもうひとつ別な七夕があります。それは「伝統的七夕」とも呼ばれる、旧暦の七夕です。
今年の7月7日も、夜は残念ながら曇ったり雨だったりした地域が多かったようです。梅雨の時期だから仕方ないですよね。でも、なぜそんな梅雨に時期に、星を楽しむ行事「七夕」があるのでしょうか?
その答えとなるのが、「伝統的七夕」です。
そもそも七夕は、月の動きを基にしていた“旧暦”の7月7日の行事。しかし、現在の暦は太陽の動きが基準です。そこで、旧暦の7月7日を現在の暦の置き換えると、だいたいひと月ほど遅れて、8月ごろになります。そうです、本来七夕は梅雨が明けている時期のイベントだったのです。
そして、今年の「伝統的七夕」の日は、8月9日。暗くなったら、東から南にかけての夜空を見てみましょう。郊外ではもちろん、都会の明るい夜空のなかでも、明るく輝く3つの一等星、夏の大三角が見つかるはず。
夏の大三角。photo by Teruyasu Kitayama
そのうちもっとも天高く、頭の真上あたりに明るく輝くのが織姫星、こと座の一等星ベガ(写真中央の上)です。南側やや低く輝くのが彦星、わし座のアルタイル(写真右下)。そして、もうひとつの星が、はくちょう座のデネブ(写真左中程)です。
織姫星と彦星の間には、天の川が流れています。
夜空の暗い場所であれば、きっと天の川がみえるはずです。天の川を見るコツは、電灯やランタンなどの明るい光をしばらく見ないで、星空だけをじっと見つめること。5分もすると、目が闇に順応して、見えていなかった星々が見えはじめてきます。
もうひとつ、裏技をお教えしましょう。天の川が肉眼では見えない都会の明るい夜空でも、天の川の存在を確認する方法があります。それは双眼鏡を使うこと。双眼鏡があれば、目では見えない星も見ることができます。
都会のなかでもできるだけ暗い場所、夜の公園や河川敷から、双眼鏡を使って夜空を見上げてみましょう。織姫星と彦星の間、天の川に双眼鏡を向けると、視界のなかにはたくさんの星が見えてきます。そして、双眼鏡の向きを天の川から外してみてください。見える星の数はグンと少なくなるので、いかに天の川に星が集中しているかを体感できます。
天の川探索には、レンズ口径が大きく集光力のある、倍率7倍レンズ口径50mm、あるいは8倍42mmといった双眼鏡をおすすめします。
双眼鏡 アスコットZR7×50WP(倍率7倍、レンズ口径50mm)
また、双眼鏡が手元にない場合は、月の動きに注意してみましょう。月明かりも夜空を明るくするので、天の川を見るなら月が出てくる前、あるいは沈んだ後がチャンスとなります。
月齢6の月。photo by Yasumi Kato
8月9日の月は月齢6。ほぼ半月で、22時過ぎに沈みます。
8月9日の夜、天の川を見るなら夜空の暗い場所で、ちょっと夜更かしをしてみましょう。きっとステキな夏の夜になることでしょう!
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