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【海外】ひとりダッシュ村の人、作業効率を上げるために窯を備えた作業小屋を建造。屋根瓦も焼きます

2016.09.20 Tue

 大自然の中に文明的な道具をいっさい持ち込まず、そこにあるものだけで生活してみる。そんな実験的ライフスタイルをおくっている青年がいます。彼の名は「Primitive Technology(プリミティブ・テクノロジー=原始的な技術)」。その生活ぶりがあまりにシンプルで知恵と根気と熱意に溢れていることから、Akimamaでは「ひとりダッシュ村の人」という呼び名が定着しています。

 これまでに家を建て、弓矢を作り、芋を栽培し、布を織り、つい先日は鉄を取り出すことを実現して鉄器時代の到来をにおわせました。

 その彼が、三軒目の家を建て始めたようです。最初の家は葉っぱの屋根、二軒目は平らな屋根瓦を重ねたものでした。

【海外】ひとり “ダッシュ村” !? 自然の材料だけで小屋を建てる青年が話題に
http://www.a-kimama.com/culture/2016/04/44093/

【海外】続・ひとりダッシュ村。ジャングルでDIYの青年、暖房付き一軒家を建てる
http://www.a-kimama.com/culture/2016/04/45148/

 そして今回は作業小屋。小屋の中で火が焚けるよう、屋根は防火性が高い瓦葺きとするようです。しかも、いわゆるミッション瓦と呼ばれる、半円筒形の瓦を組み合わせたもの。ええ、言葉で言うと簡単ですが、彼はこの「半円筒形の瓦」を土と水と火だけで作り上げてしまいます。窯のために家を建て、その家の瓦を窯で焼く。んですが、窯のために薪を伐り、そのために斧やかごを作る、というように、ひとつの目的にたどり着くために敷くべき道が、いつものようにエラく長い。それはとても大変そうですが、毎回じわりと楽しそうに見えて仕方ありません。

 ホント、このシリーズを見るたんびに、人間は知恵と工夫でなんでもこなしてしまうんだなぁと感心してしまいます。本気のブッシュクラフトムービーに刺激されて、次の休みはナイフとタープだけ持ってどっか出かけようかって気になったり。みなさんも冒険心、ざわざわさせられちゃってください。

■Primitive Technology: Barrel Tiled Shed

「雨期に入ってもこの楽しい原始生活での作業を続けるため、火をおこし、雨をしのぐことができる瓦葺きの家を作ることにしました。この家の窯で、この家の瓦を焼こうというわけです。
 まず最初に強力な石斧で木を伐り倒して、建設予定地に運び込みました。50センチ間隔で6本の柱を立てます。水平に渡す梁には石のノミを使ってほぞ穴をあけ、焼けた炭を乗せて火吹き竹で吹くことでほぞ穴を広げました。梁は木の繊維を使って、垂木に縛り付けます。瓦を載せる梁は50cm間隔でしつらえました。建てようとしている家は2m四方で、棟の高さは2m、軒の高さは1.5mです。この場合、屋根の勾配はおよそ22.5度になり、これは今まで建ててきた家の半分の角度です。
 ここまでの作業には1週間かかりましたが、実は作業自体は4ヶ月も前のことです。その間、他のことが忙しくて放置気味でした。
 次に作ったのは窯です。まず近くの小川から粘土を運んでくるために、かごを作りました。窯の炉を作るために溝を掘り、粘土をこねてアーチ状の屋根を作り、穴を開けます。より多くの空気を取り入れて木が良く燃えるよう、火床を設置。これには3日かかり、その後はゆっくりと乾かしました。
 瓦を作るためには、失敗した素焼きの壺や古い屋根瓦の欠片を砕いて粘土に混ぜ込みました。木の繊維を長さ50cm、上底16cm、下底20cmの台形にしたものが、瓦の型です。平らな石の上にこの型を置いて粘土を押し込みます。その後に、木の上に粘土をゆっくりと移動させて半円筒形にします。そうしたら平らな場所に並べて乾燥させます。
 瓦は150枚ほど必要でしたが、1日に30枚は作ることができました。まぁ、楽勝です。けれど雨が続いたことで、瓦は乾ききる前にダメになってしまいました。そこで完全に乾燥させるため、30枚ほどの瓦を二軒目の家に持ち込みました。前にお話しましたが、この家にはたき火で暖房ができるオンドル式ベッドを仕込んでいますからね。結局、このプロジェクトにかかった時間の大半は、季節外れの大雨による、瓦の作り直しに費やしたものとなりました。というわけで、このビデオに映っている作業は全部で4週間ほどかかったものです。
 今までに作った瓦葺きの小屋に比べると、今回の瓦を焼く仕事は簡単でした。窯では一度に30枚もの瓦を焼くことができ、作るべき瓦はわずか150枚。つまり、5回焼けばいいだけです。焼いた時間はそれぞれ、5時間、4時間半、3時間半、4時間半、3時間半です。最初の頃に時間がかかったのは窯が乾燥しきってなかったことと、4回目は薪が湿っていたんだと思います。
 瓦を葺くのも簡単でした。端からくぼんだ側を上に向け、台形が次の瓦と組み合わさって雨水が上手く流れ落ちるように置いていきます。瓦と瓦をまたぐようにして、別の瓦を、今度はくぼみを下に向けて置いていきます。屋根のてっぺんは同じ瓦でふさぎます。
 屋根の下部では瓦自身の重みと摩擦力で、瓦どうしがしっかり噛み合っていますから、ひっかりや固定用の杭は必要ありません。
 これで屋根は雨にも火にも耐える構造になりました。今後はどんな天気でも、火を使うことができるようになります。ここは作業場であり、薪の保管場所になる予定です。住居ではないので暖かい必要はないし、壁は作らない予定です。あと、壁がないと光が入ってきて作業もしやすいですしね。
 窯のできばえは上々で、大きさで言えばこれまでの4倍。かなり大きなものを焼くことができます。とは言え、今後はより少ない薪で、より高温を発揮する窯になるよう改良は続けていきたいと思っています。
 この家の屋根の傾斜は今まで作ってきた小屋よりも緩やかなので、頭上のスペースに余裕があります。それはありがたいと思いますが、たぶん半円筒形の瓦は雨水の処理のことを考えると30度くらいの傾斜の屋根で使うほうが良いんじゃないかと思います。まぁ、これくらい小さい小屋なら大丈夫でしょうが、もう少し大きな家になると、屋根の角度があった方がいいでしょうね。

 そうそう、私はFacebookはやっていません。偽のページにだまされないでね」(コメント抜粋・要約)

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