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国立登山研修所創立50周年を記念し、探検家の角幡氏と山岳気象予報士の猪熊氏による無料講演会が開催!
2017.06.02 Fri
滝沢守生(タキザー) よろず編集制作請負
日本に数多あるスポーツのなかで、唯一特定のスポーツとして国立の研修機関があるのは登山だけです。これまで国立登山研修所では、日本の登山の健全な発展を図るため、登山指導者養成のための研修・訓練をはじめ、登山に関する調査・研究による情報提供など、登山事故の防止に努めてきました。
そんな国立の登山研修所が日本に開設されてから今年で50年を迎えます。
登山研修所が開設されたのは昭和42年、日本は空前の登山ブームにより登山人口が急激に増えるとともに、遭難事故も多発していました。そこで、富山県立山芦峅寺に登山研修所を設立、山岳ガイドや気象学、地理学の専門家など、山岳に関するプロフェッショナルを講師に招き、一年を通して登山関係団体や大学生への講習・研修会等を行なってきました。研修所にはクライミングウォールを始め、宿泊できる低酸素室などもあり、四季を問わず数多くの研修会や公開講座が開催されています。
(左)立山黒部アルペンルートの立山駅にほど近いところにある国立登山研修所は若き登山指導者たちの虎の穴といってもよい。(右)剱岳を仰ぎ見る、剣沢にある夏山前進基地は、まだ深い雪の中だ。ここをベースにしてさまざまな実践的訓練が行なわれる。写真=国立登山研修所HPより転載
そこで、今回、設立50周年を記念した講演会が東京の代々木で開催されます。
講師は山岳気象の専門家であり(株)ヤマテンの代表の猪熊隆之さんと、探検家であり作家の角幡唯介さん。猪熊さんからは「山の天気にだまされるな! 天気予報の落とし穴と予報現場の実際」と題し、天気予報の最新事情や予報を鵜呑みにしないためのポイントについて、気象予報士だから語れる登山の現場で役に立つ話です。猪熊さんのお話は、専門的な分野を噛み砕いてとてもわかり易い!ので、夏山ハイシーズン前の再確認にぜひ!
また角幡さんからは、「極夜の探検と冒険の可能性」について。早稲田大学探検部出身の角幡さんは探検と冒険について実践者として絶えず考え続け、「本多勝一以来、探検論を語れるのは自分しかいない…」というほど思考と行動が高いレベルで一致している数少ない探検家でもあります。スライドを交えて語るこのたびの極夜北極行から、探検の本質に迫るトークまで、夏山ハイシーズン前のモチベーションアップにつながるにちがいありません。
もちろん、山には登らないけれど、お二人のお話を聞いてみたい!という方も大歓迎とのこと。当日は会場内でお二人の著書を頒布します。講演会終了後には著者によるサイン会も予定しています。ぜひ、みなさんこの機会をお見逃しなく!
国立登山研修所友の会 登山研修所創立50周年記念講演会
日時:6月11日(日)13:00〜16:50
(受付開始12:30)
場所:東京都・代々木
国立オリンピック記念青少年総合センター
センター棟417
250名(予約不要・入場無料)
※当日は直接会場へお越し下さい。
詳しくは登山研修所友の会まで