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【海外】尊敬する父とフライフィッシングに。女性プロスキーヤーの復帰を描く短編映像「The Line」
2017.07.25 Tue
「釣りに行くとそこにあるのは川と、魚と、私だけ。ホントに静かで幸せな時間。冬の間やっている、パウダーを追いかけて、テンションを上げて行け!行け!って自分を煽り立てるのとは真反対なの」
テイタム・モノド(Tatum Monod)はプロスキーヤー。お父さんは元カナダのナショナルスキーチームに属していて、ワールドカップチャンピオンにも輝いたことのあるピーター・モノド(Peter Monod)です。テイタムは小さな頃からスキーに親しみ、お父さんのアドバイスを受けながら競技スキーヤーとして成長。やがて、大自然の山を自由にすべるプロフリースキーヤーとして活躍することになるのです。
しかし2015-16シーズンの入り口でテイタムは激しいクラッシュに見舞われます。脛骨骨折、膝蓋骨骨折、膝関節骨挫傷というシビアな怪我は、彼女のスキーシーズンをあっさりと終わらせました。失意の中で絶望の冬を過ごした彼女を、お父さんは釣りに誘います。
「普段のテイタムはかなり大変なことをやってると思うよ。雪山に登って、自然の山の中でライン(=滑るべきコース)を探して、そのイメージを形にする。釣りも同じだよ。川まで歩いて、オレはオレのやり方で、テイタムはテイタムのやり方で魚を釣る」
「オレができるのは釣り糸の結び方や、違うフライを使ったほうがいいぞとか、そういった基本的なことを教えるだけだよ」
親娘でフライフィッシングに行き、川の中に立ち込んでフライラインを空中に踊らせる。スキーとはまったくリズムが違うこの優雅なスポーツを通じてテイタムは、父からアスリートとして再び雪の上に立つ心の強さを学びます。
「とてもつらいシーズンだった。けれど、たくさんのことを学んだシーズンでもあったわ」
自分を理解してくれる人が近くにいてくれる。人生において、これほど心強いことはありません。彼女が知ったのは、何事も諦めるべきではなく、自分は一人ではない、というシンプルな事実でした。
大きな魚を釣り上げるシーンで、テイタムはこう語ります。
「私達にとって、釣りは最高のパウダーデイに描く、大きな大きなラインと同じくらいワクワクするものなの」
そして興奮のあまり、手の震えが止まらないと笑う彼女。
スキーを、釣りを通して笑い合う二人。アスリート同士の深い尊敬、自然の中で喜びを共有する人と人、そしてお互いを深く理解しあう親娘の笑顔は感動モノです。
例によって字幕オンの自動翻訳でどうぞ。翻訳精度はあまり高くありませんが、全編に渡って展開されるスキーのラインと、フライフィッシングのラインのしなやかな美しさに魅了されることでしょう。ちなみにディレクターにはあのジミー・チンが名を連ねています。どうりで!
■The Line
(アイキャッチなど、画像は上記サイトから引用)