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2018年日経ナショナルジオグラフィック写真賞ネイチャー部門最優秀賞受賞。大竹英洋の写真展 4/20(土)から開催!
2019.04.16 Tue
北村 哲 アウトドアライター、プランナー
4/20(土)より、写真家・大竹英洋の写真展「北の森へ to the Northwoods」が、Storage books & gallery で開催される。
ノースウッズと呼ばれているエリアをご存知だろうか?アメリカ合衆国中西部の北、ミネソタ州の首都ミネアオポリスの更に北、カナダの国境付近から北極圏にかけて広がる湖水地方のことを示す。
この日本には無い独特なエリアで野生動物や自然と人間の関わりを追って、1999年から撮影を続けている日本人の写真家がいる。「2018年日経ナショナルジオグラフィック写真賞ネイチャー部門最優秀賞」を受賞した大竹英洋さんだ。
2018年日経ナショナルジオグラフィック写真賞授賞式の様子。受賞作品「北の森に生きる」は、カナダのマニトバ州のまだ肌寒い早春の森で撮影したカラフトフクロウ(英名=Great Gray Owl)の母鳥がヒナに給餌している光景を捉えたものだ。受賞作品をバックにスピーチする大竹さん。 / 写真:河野 透
ナショナルジオグラフィックで表紙を飾るなど、ネイチャーフォトグラファーとして素晴らしい活躍をし、このノースウッズの森に住む憧れの写真家 ジム・ブランデンバーグに弟子入りするために、大竹さんはほとんど情報がない状態で、この地に飛び込んだ。
2017年に発売された『そして、ぼくは旅に出た。 はじまりの森 ノースウッズ』は、大竹さんの写真家をめざした経緯とノースウッズへの初めての旅を赤裸々に綴った自叙伝だ。等身大の物語は、たくさんの人々に感動をあたえ、みごと「第7回 梅棹忠夫・山と探検文学賞」を受賞した。
『そして、ぼくは旅に出た。 はじまりの森 ノースウッズ』(あすなろ書房)。「狼の夢を見た」という不思議な話から、ネイチャーフォトグラファーという厳しい世界に飛び込み第一歩を踏み出そうとしていた大竹さんのノンフィクションストーリー。/ photo:Storage books & gallery
そんな、写真家・大竹英洋さんの写真展「北の森へ to the Northwoods」は、神戸のStorage books & galleryで、4/20(土)からスタートする。会場では、写真展に先駆けてブックフェアも開催中とのこと。
大竹さんは、福音館書店から6冊の写真絵本を出版している。その中でも、筆者がオススメしたいのが、「ノースウッズの森で」「カリブーの足音」の現在入手可能な2冊だ。どちらも読んでから、展示会やスライドショーに参加すると、更に楽しむことができることは間違いないだろう。
「ノースウッズの森で (たくさんのふしぎ傑作集) 」「カリブーの足音 (月刊たくさんのふしぎ2016年12月号)」ともに、福音館書店 / photo:Storage books & gallery
写真展に向けて、準備が進んでいる店内の様子。ナショナルジオグラフィック写真賞 ネイチャー部門最優秀賞の受賞作品「北の森に生きる」も展示される。被写体となったカラフトフクロウは、全長61〜84cm。世界最大級の大きさを誇る。/ photo:Storage books & gallery
今回の写真展では、フィルム撮影の際のコンタクトシート、地形図、スノーシューなどの旅の道具も展示される。また、会期中の4/27(水)には、スライドトークショー&ライブが開催される。
4/27(水) のイベントの鈴木氏とは、2017年11月以来のコラボとのこと。ライブ感が、楽しみな企画だ。
筆者も大竹さんのスライドショーは何度か参加しているが、毎回感心してしまうほど楽しい。本人の言葉で、テンポよく写真の解説が進み、たまに動画も入ってくるなど、とてもわかりやすいのが特徴的だ。質疑応答も、展示写真の撮影当時から最近の話まで話していただけることもあり、何回参加しても、毎回新鮮に楽しめるだろう。
写真展は、いよいよ今週末4/20(土)から。大竹さん本人も、休廊日24(水),最終日28(日)以外は在廊する予定とのこと。ぜひとも、ノースウッズの森を堪能してみてはいかがだろうか?
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大竹英洋 写真展「北の森へ to the Northwoods」
湖面にカヌーを浮かべ、雪原にソリを引く。
探していたのは、森に潜む生命の気配。
北米大陸の中央北部に広がる森と湖の世界「ノースウッズ」。
春には揺れる湖面にカヌーを浮かべ、
冬には凍った湖面にソリを引いて、
野生のオオカミの気配を探し求めてきた。
この写真展では、これまでに出会ってきた野生動物とともに、
旅をフィルムで記録したコンタクトプリント、
ナビゲーションに使った地形図、スノーシューやマクラックなど
旅の道具も展示。
ノースウッズ特有の「頂のない、水平の旅」の魅力と、
原野に息づく生命の姿を伝えたい。
■期間:2019年4月20日(土)~ 4月28日(日)
■参加費:無料
■場所:Storage books & gallery
■住所:神戸市中央区三宮町三丁目1-16三星ビル3階南室(地図)
■時間:12:00〜18:00
■休廊日:4/24(水)
< イベント >
「day trip ~大竹英洋スライドトーク×ギタリスト 鈴木健一郎」
生まれたばかりの子ジカ。世界最大の鹿ムース。夜空を舞うオーロラ。野生のオオカミの遠吠え……。
写真家・大竹英洋が写真と動画を交えて、野生動物との出会いを語ります。
その映像にあわせて、自然のなかで、インスパイアされたフレーズをギターで奏でるのは、塩屋在住のギタリスト鈴木健一郎。
遠く北国の自然に浸る小旅行をお楽しみください。
■日程:2019年4月27日(土)
■時間:開場 18:00 / 開演18:30〜21:00
■参加費:2,500円(ワンドリンク付き)
■定員:40名(要予約)
■場所:オープンスペースDEP.
■住所:神戸市中央区三宮町三丁目1-16三星ビル4階南室
■ご予約:予約フォーム
■お問い合わせ:T.078-331-6977(storage books 12:00〜20:00 水曜定休)
■プロフィール
大竹英洋(おおたけひでひろ)
1975年生まれ。写真家。一橋大学社会学部卒業。1999年より北米の湖水地方「ノースウッズ」をフィールドに、野生動物や自然と人間との関わりを撮影。「ナショナルジオグラフィック日本版」、「Canadian Geographic」、「たくさんのふしぎ」など、国内外の雑誌、新聞、写真絵本に作品を発表。主な写真絵本に『ノースウッズの森で』、『もりはみている』(以上福音館書店)。写真家をめざした経緯とノースウッズへの初めての旅を綴った『そして、ぼくは旅に出た。 はじまりの森 ノースウッズ』(あすなろ書房)で梅棹忠夫・山と探検文学賞を受賞。2018年日経ナショナルジオグラフィック写真賞ネイチャー部門最優秀賞。
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