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糞土師・伊沢正名が野糞を起点に共生・循環社会を語らう「対談ふんだん」がスタート
2020.05.27 Wed
藤原祥弘 アウトドアライター、編集者
1974年に野糞をはじめて以来、通算野糞回数は1万4700回を数え、現在もその記録を更新し続けているのが糞土師の井沢正名さん。
ただの奇人と断じるなかれ。その偉業は、自然への深い観察と決意に基づいている。以下に伊沢さんが主宰するサイト「糞土研究会 ノグソフィア」の序文をひいてみよう。
ウンコ:糞、大便、クソ、うんこ・・・臭い、汚いと多くの人に嫌われるウンコ。 実際2004年の人名用漢字見直しでは、『糞』は削除要望の第一位に輝く。 そして今、良識の先頭に立つはずの新聞のいくつかで、『糞』の字は使用禁止。そんな『糞』を肩書きにかかげる糞土師:伊沢とは、とんでもないヒネクレ者? イヤイヤとんでもない(変人には違いないが)。じつはウンコは、大切な命の源=地球の宝であり、時にはとてつもない力を発揮する素晴らしいものなのです。
本物のエコロジー=地球にやさしいとはどういうことなのか、また、生き物 として人の生活はどうあるべきかなどについて、野糞歴35年(ママ)、大地に還した ウンコが一万回を優に超える糞土師が、ウンコや野糞を通して発言していき ます。さらに、正しい野糞の仕方やその楽しみなども紹介します。しかしこれ は単なるスカトロジー=糞尿趣味ではありません。偏見を捨ててウンコを科 学し、野糞を哲学して、本物の豊かな生活をめざすのが目的です。
ウンコの大切さを、そして野糞の素晴らしさを皆さんに知ってもらうため、 わたくし糞土師が、この糞土教室で教ベンを執らせていただきます。
(糞土研究会 ノグソフィア 「はじめに」より)
伊沢さんはノグソフィアや著書、講演会を通じて、野糞で命を自然界に返すことの必要性を発信し続けてきたが、この春に新たなチャンネルとして「対談ふんだん」を立ち上げた。
「対談ふんだん」は伊沢さんが「老若男女を問わず、糞土師がさまざまな分野の方々とふんだんに糞談を重ねる」というコンセプトの対談のアーカイブ集。5月27日現在4本の対談が収録されている。対談の相手は冒険家、劇団、宗教家、中学生と多種多様。今後も対談を収録していくという。
http://taidanfundan.com/