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【NEWS】木版画で森羅万象を描いた表現者「没後70年 吉田博展」
2020.12.25 Fri
旅する画家として明治から昭和にかけて活躍し、精神科医のフロイトやイギリスのダイアナ妃に愛されたことでも知られる吉田博(1876~1950年)。深山幽谷の繊細な空気を写実的に表した画家は、晩年、木版画で世界的に評価されてゆく……。
そんな吉田博の木版画を一堂に集め、版木や写生帖を合わせて展示する「没後70年 吉田博展」が、2021年1月26日より、東京都美術館(上野公園)にて開催される。
《日本アルプス十二題 劔山の朝》大正15(1926)年 木版、紙 37.0×24.8cm
「没後70年 吉田博展」のポスターに描かれているのは……そう、剱岳。吉田博は山を描く表現者としても知られており、明治時代の名案内人・小林喜作が拓いた、槍ヶ岳の東鎌尾根と大天井岳を結ぶ「喜作新道」の名付け親ともいわれており、先の剱岳(「劔山の朝」)をはじめとした「日本アルプス十二題」などの作品を残している。また、大正14年(1925年)の作品である「エル・キャピタン」はパタゴニア社のカタログの表紙に使われるなどしているので、見たことのある方も多いのでは。
《米国シリーズ エル・キャピタン》大正14(1925)年 木版、紙 37.4×25.0cm
吉田の眼差しは自然のみならず、暮らしの営みにもおよんでいる。昭和初期の関西や東京、インドやアジア、蘇州などの風情をいまに伝える貴重な資料にもなっている。
■没後 70 年 吉田博展
会期:2021年1月26日(火)-3月28日(日)
会場:東京都美術館 企画展示室
〒110-0007 東京都台東区上野公園 8-36
https://www.tobikan.jp
※新型コロナウィルス感染症拡大防止に関する取り組みについては、東京都美術館ウェブサイト(上記)へ。
休室日:月曜日
開室時間:9:30-17:30
観覧料:一般/1,400円(当日/1,600円)、大学・専門学校生/1,100円(当日/1,300円)、高校生/600円(当日/800円)、65歳以上/800円(当日/1,000円)
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館、毎日新聞社、日本経済新聞社
https://yoshida-exhn.jp
お問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)