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【CAJ】アウトドア環境保護基金、2020年度後期助成先8団体が決定!
2021.03.29 Mon
日本のアウトドア関連企業が加盟し、各社が売上額に応じた会費を拠出、貴重な自然環境を保全する草の根の団体や活動に対して資金援助を行なっているコンサベーション・アライアンス・ジャパン(アウトドア環境保護基金/以下CAJ)では2020年度、新たに6社の新規加入メンバーを迎え、2020年度後期の助成審査会が3月24日、オンラインで開催された。
昨年10月に東京の立川にオープンしたビックアウトドア立川店の入口に掲示されているCAJのパネル
2020年度に新規会員となったのは、家電量販店がアウトドア専門店を展開したことで話題となった「ビックアウトドア」と、三重県伊勢神宮の参道にほど近い場所に店舗を構えるアウトドアショップ「バッドパームス」。そして、同じ三重県で、さまざまなアウトドアプログラムを提供する「志摩自然学校」と、東京の日野市でキャンプや森のようちえん活動など、年間を通じて子どもや大人の自然体験活動を実践する「ひの自然学校」。そして、軽井沢と白馬でキャンプ場を展開する「ライジングフィールド」。そして、ハンモックやチェアなど、レイドバックなアウトドアスタイルを提案するブランド「ENO(イーグルネストアウトフィッターズ)」の6社が加わり、会員数はこれで総計39社になった。250社以上が加盟するアメリカのコンサベーションアライアンスには、まだまだ及ばないが、アウトドアブランドだけでなく、アウトドア体験の機会を提供する事業者や、アウトドアショップやキャンプ場など、さまざまなアウトドア事業者が相次いでメンバーに加盟。
YLT(山形ロングトレイル)クラブでは、蔵王国定公園の特別保護地域のトレイルの整備保全と環境保護を推進する(写真:YLTクラブ)
アメリカのロングトレイルにならって誰もが理解できる必要最小限のマーカーをルート上に設置(写真:YLTクラブ)
そうしたなか、これら新規メンバーも参加して、2020年度後期の助成審査会がオンラインで開催された。多数の申請の中から事前審査を経て、本審査の対象となった申請は全部で18件。そのうち、今回の審査会で助成が決定したのは、継続案件でもある[大雪山・山守隊]、[つくばトレイルガーディアンズ]、[緑のダム北相模]、[南アルプスマウンテンバイク愛好会]、[OWS]、[「山たの」クラブ]、[富士山西麓観光資源”輝き”協議会]の7つの活動と、新規助成先に決定した蔵王国定公園内に山形ロングトレイルを整備し、環境保全と利用の両立をめざす[YLTクラブ]の8団体。
干潟保全プロジェクトを推進するNPO法人OWSは、2015年に引き続いての助成(写真:OWSのホームページより)
南アルプスマウンテンバイク愛好会は、アウトドアユーザーが中心となって林地の整備活動を行なう
残念ながら支援には至らなかったが、本審査の対象となったプロジェクトは、どれも献身的で精力的な活動が多く、今回の審査には、立場の異なる新規会員も出席したことで、さまざまな角度から活発な議論と検討が行なわれた。
筑波山の貴重な自然を守るためトレイルの整備を行なう、つくばトレイルガーディアンズ
新たにメンバーとなった会員企業は、申請をひとつひとつ丁寧に見ていくことで、日本の環境問題の課題や現実なども垣間見ることができ、アウトドア関連企業として、これから何をなすべきか、たいへん示唆に富んだ審査会となった。このコロナ禍で、なかなか活動が思うようにいかないなかでも、今回助成に至った各団体は、確実に成果を上げることが期待される。
東京奥多摩をフィールドとする「山たの」くらぶは2019年に引き続いての助成
2021年度の前期申請受付の締め切りは、8月15日を予定している。詳しい申請の方法などはCAJのホームページから。