- カルチャー
共に自然のなかを歩き、共にドラムを叩く。パーカッショニスト辻コースケさんが描くビートの共鳴。
2021.09.03 Fri
菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん ライター、編集者、DJ
パーカッショニストとして、ソロだけではなく、GOMA & The Jungle Rhythm Sectionなど、様々なバンドやセッションで活躍している辻コースケさん。野外フェスにも数多く出演を果たしている。東京パラリンピックの開会式にもGOMA & The Jungle Rhythm Sectionで演奏している(デコトラが登場し、デコトラからギタリストの布袋寅泰さんが出てくるまでの音楽がGOMA & The Jungle Rhythm Section)。
辻さんが、新たに試みようとしているのが一泊2日のツアー。まず会場近くでトレッキングをし、夜には辻さんのソロライブ。ソロライブの後は、焚火を囲んでの交流会が行われ、翌朝にドラム&パーカッションのワークショップというスケジュールだ。夕食はそれぞれの土地の食材を生かしたフードを考えているという。
「98年から、場所を変えながらマイペースに続けてきたワークショップが、コロナ禍によって昨年からできなくなってしまいました。毎週通っていた練習スタジオにも行かなくなった。『音楽がやりたい』『ワークショップを再開したい』って強く思ったんですね。でもそれが、防音壁に密閉されたスタジオに入りたいってことでもないと気づいたんです。パーカッショニストになろうと思ったのが、ケニアでの体験です。青空教室で太鼓をたたく。空を見上げて、風を感じる。虫や鳥の声、草木や花、土の匂いに包まれて、音を出す。それを今の日本でもできたらなって。そして浮かび上がってきたのが、Enda Safari CIRCLEの構想でした」と辻さん。
Enda Safari CIRCLEの場所として選定されたのが、伊勢、屋久島、妙義、鴨川の四カ所だった。屋久島のみ、2泊3日と3泊4日のコースが設定されている。
「『共にする』っていうことがテーマのひとつです。自然の環境を共にする。トレッキングだけではなく、食事も共にする。そして最後に6時間のワークショップ。先生が生徒に短時間で技術を教えるようなワークショップではなく、自然の空気を吸って、風や匂いを感じて、音を聞いて、また音を出してみる。感じ方は人それぞれでいい。それぞれの出したい音を出したらいい。敷地内なら離れていてもいい。途中でコーヒー飲んでもらっても、朝食を食べてもらってもかまわない。自然の流れを感じて共に音を出してみる。表現してみる。そういうワークショップにしたいと思ったら6時間ということになりました(笑)。演奏が上手も下手もない。自然環境のなかでは、どんなビートも違和感なく溶け込めるんですよね。ビートって心臓の鼓動。とにかく自然に足を踏み入れて、みんなのそれぞれのビートを共にしたいなって思っています」
参加者とアーティストが時間と場所を共にする。その中心に位置するのが自然と音楽だ。自然と音楽が、コロナ禍によって塞ぎがちだった心を開放してくれるに違いない。しっかりした感染症対策も実施されて開催される。
Kosuke Tsuji Solo Live & Circle Tour Enda Safari
【伊勢の旅】
2021/09/18(土) − 19(日) 中山美術館 – yokowa199 –
【屋久島の旅】
2021/09/23(祝日・木) −9/26(日) 屋久島 青少年旅行村
※9/23 〜9/26のAコース (3泊4日)、9/24 〜9/26のBコース (2泊3日)
【妙義の旅】
2021/10/16(土) − 17(日) 妙義 いとのにわ
【安房鴨川の旅】
2021/10/23(土) −24(日) 千葉・鴨川 Café En