全国で開催されている音楽フェス。その総数は400とも500とも言われている。数万人を集める４大フェス、ファミリーに特化したフェスやキャンプだけではなくアウトドアアクティビティもコンテンツに加えたフェスなど、スタイルは多様化している。都市型もあれば地方活性化を目的にしたものもある。春から秋にかけては、ほぼ毎週末に、日本のどこかでフェスが行われている。

　「旅」を切り口にしたフェス本が上梓された。著者は日本最大級の音楽フェス情報サイト「Festival Life」編集長の津田昌太朗さん。ラジオや雑誌などにも数多く登場し、自身のポッドキャストも含めフェスの魅力を広く伝えている津田さんに、この『フェス旅 日本全国音楽フェスガイド』について話を聞いた。

– ウェブメディアの編集長でもある津田さんが、印刷された本として発行したいと思ったきっかけは？
「Festival Life」というウェブサイトの中で日本全国のフェス情報を毎日更新していて、ありがたいことにたくさんの人には見てもらえているのだけど、もう少し体系立てて日本全国のフェスを紹介したかった。1冊の本にしたほうが「こんなにも日本中にフェスがあるんだ」という驚きや楽しさを感じてもらえるだろうし、新しい人たちにフェスの魅力を伝えられるかなと思ったので。

– タイトルにもなったフェス旅とは？
　文字通りなのですが、音楽フェスと旅を組み合わせた造語です。もともと自分が国内外のフェスを訪れて、それとあわせて開催地や周辺のエリアを旅していて、それが自分のライフスタイルになっていたので、そういった体験を少しでも多くの人に味わってほしいと思っています。

– 読者にどんな使い方をしてもらいたいと思っていますか？
　150以上のフェスがスケジュール順、エリアごとにもチェックできるようになっているので、好きなアーティストの出演をチェックするだけでなく、自分が活動しているローカルで開催されているものや、自分が行ったみたい場所、時間の都合がちきそうな時期で面白そうなフェスを見つけて欲しいです。

– 国内外、数多くのフェスに参加している津田さんが好きなフェスのスタイルは？
　どんなフェスでも楽しめるタイプですが、フェス会場だけで完結するフェスではなく、前後に街にも訪れることができたり、ローカルな雰囲気が味わえるフェスに興味があります。

– これだけ多くのフェスが日本で開催されている理由はなんだと思っていますか？
　世界的にも「フェス大国」と言えるほど、1年を通して各エリアでフェスが開催されています。様々な理由があるけれど、音楽市場が大きくて裾野が広いという前提がありつつも、各エリアごとに大きなプロモーター、イベンターが中〜大規模のフェスを運営していて、それに加えて個人やインディペンデントな団体が主導するフェスもテーマやコンセプトを持って開催されて、それぞれが地元に根付いて成長していっているのが要因かなと思います。日本古来のお祭り文化なども影響していると思います。

– この本のおすすめポイントを教えてください。
　フェス玄人の方は次行くフェスを決める材料として、フェス初心者やデビューを検討している方にも、服装から基本情報まで、フェスに行く最初のきっかけになるような1冊になっていると思います。各フェスの主催者からコメントももらっているので、それもぜひチェックしてみてほしいです。

フェス旅 日本全国音楽フェスガイド　
文 ：津田昌太朗
Festival Life　

「フェス旅」出版記念POP UP STORE〈FESTIVAL WEEK〉開催
開催日：6月15日(土)～6月23日(日)
場所：OPEN STUDIO【FREAK’S STORE渋谷併設】
※トークイベント（MC：津田昌太朗）
6/15(土) 16:00-17:00〈今年の注目フェス〉ゲスト：奥浜レイラ（映画・音楽パーソナリティ）
6/16(日) 16:00-17:00〈「フェス旅」制作裏話〉ゲスト：芦沢ムネト（芸人／イラストレーター）
6/21(金) 19:30-20:30〈フジロック×サマーソニック主催者対談〉ゲスト：高崎亮 (FUJI ROCK FESTIVAL /スマッシュ)／平山善成 (SUMMER SONIC/クリエイティブマン)
6/22(土) 16:00-17:00〈ROCK IN JAPAN FESTIVALの今までとこれから〉ゲスト：古閑英揮（ロッキング・オン・ジャパン）
6/23(日) 16:00-17:00〈2024年の音楽フェスシーンを語る〉ゲスト：田中宗一郎（編集者／DJ／音楽評論家）