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ブシャッ!っと行こうぜ、「beuchat」で。フランスの名門が本格再上陸!
2013.02.08 Fri
藤原祥弘 アウトドアライター、編集者
「beuchat」と聞いて、フォークを握ったアブドーラ・ザ・ブッチャーを思い出した人、それ、違います。「beuchat」(ブッシャー)とは1934年創業のフランス・マルセイユ発のダイビング&スピアフィッシング用品メーカーの老舗。本国はもちろん、ユーロ圏ではトップメーカーのひとつです。
ブッシャーは「クレッシィ」や「マレス」といった、日本でもおなじみのメーカーと比肩する総合的なダイビング用品メーカーの名門ですが、ブッシャーと聞いて「ああ、知ってる」と思うのは、よほどのダイビングマニアか、大昔からダイビングをやっている人だけでしょう。その理由は、日本でのブッシャーの展開を地方の代理店が細々かつ、スピアフィッシング用品に限って行なってきたから。しかし、その代理店も取扱いを辞めてしまい、ブッシャー製品を入手するには、海外から個人輸入するしかありませんでした。
そんなブッシャーが昨年日本に再上陸し、いよいよ今年度から本格始動しています。数千点に及ぶアイテムのなかから、最初にリリースされるのはスピアフィッシング用の「ロングフィン」やウエットスーツなどなど。スピアフィッシング用だから、魚を突かない人には関係ないかといえば、そんなことはありません。スピア用の道具は、スキンダイビング用としても高い実力を発揮するからです。
たとえば、ロングフィン。ロングフィンはフリーダイビングに使われる特別に長い足ひれ(ジャック・マイヨールが履いていたフィンといえばイメージできるでしょうか)ですが、効率的に水をつかめるため、長く自由に水中散歩を楽しむことができます。フリーダイビングに使われる競技用は、性能は高いものの、使いこなすには技術とトレーニングが必要です。その点、スピアフィッシング用はラフに扱っても水をつかみ、壊れにくくなっています。車に例えると、フリー用がスポーツカーで、スピア用はSUVといった感じでしょうか。岩場でエントリー・エギジットするスキンダイビングは、もちろんスピア用のほうが向いています。
ロングフィンはともかく、ウエットスーツなら日本でもいろいろなメーカーのものが手に入るから、ニュース性はないのでは? と思いきや、さにあらず。日本で流通している主なウエットスーツは、スクーバダイビングかサーフィン用のもの。スクーバ用のウエットスーツは高い水圧を受けてもつぶれにくい素材を使っており、また、決まった動きしかしないスクーバに合わせ、使われているパーツ数も少な目です。そのため、水中を自由に動き回るにはいささか窮屈。それに対して、サーフィン用のウエットスーツは非常に動きやすいものの、水面より上での保温性と動きやすさに特化しているため、素潜りに使用すると素地内の気泡がつぶれてあっという間にへたってしまう、というデメリットがあります。
その点、スピアフィッシング用に作られたウエットスーツは、繰り返しの潜水にも強い素地を使っており、動きやすさも抜群。現在スキンダイビングを楽しんでいる人には、スクーバ用が使われることが多いですが、一度使ったらほかの用途のウエットスーツには戻れない着用感です。
今後、代理店ではハイシーズンに向けてスピアフィッシング用のアイテムを中心に充実させていくとのこと。ブッシャーの最先端のアイテムで、大物をブシャッっとやっちゃってください!
ブッシャージャパン
ネットストア
https://spearholic.stores.jp/