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バックカントリースキー、スノーボードに最適な機能満載の“滑り専門”のバックパックに注目!!
2015.02.06 Fri
宮川 哲 編集者
それが、ドイターの“フリーライダープロ”というモデル。
ドイターといえば、ドイツ生まれの老舗バックパックメーカーで、その誕生は1898年のこと。もともとは、郵便用の布袋を手掛けていた街の鞄屋さんだったものの、ヨーロッパのアルピニズム隆興ととににバックパックメーカーへと転身。1900年代の前半には、ヒマラヤ遠征やアイガー北西壁初登頂もサポートするなど、登山界にその名をとどろかせてきた。100年以上もの長い歴史とともに、いまやヨーロッパを代表するバックパックブランドとなっている。
ドイターのバックパックの特徴といえば、用途に応じたベンチレーションシステムであろう。「背面の通気性を高めることは、ユーザーのパフォーマンスを高めること」につながるという信念は、ドイターのどのモデルにも共通したコンセプトになっている。
ポイントはここ。“ユーザーのパフォーマンスを高めたい”というつくり手側の想いは、背面システムだけにとどまらず、さらなる一歩へと踏み込んでいく。たとえば、この“フリーライダープロ”というモデルは、ユーザー=バックカントリーに踏み出す人たちが、現場でなにを求め、どのような使い方をしたいのかといったテーマに、とことんなまでのこだわりを持つ。
それが、“プロとともに考える”という開発姿勢につながっていく。ドイターは、ドイツ山岳スキーガイド連盟と協力体制を築いていて、このモデルはヨーロッパの山々を知り尽くしたスキーガイドやライダーたちの声をもとに、試行錯誤を繰り返して生まれている。
それでは、このフリーライダープロのどんなところが滑り向きなのかといえば、
★バックパックの厚みを抑えたデザイン⇒激しい動きにもブレない
★身体の動きに連動するヒップベルトを装備⇒完璧な一体感!
★荷重バランスを身体の近い位置に⇒ライディング時のバランスをキープ
★背面アクセス⇒ボードやスノーシューを取り付けたままでも簡単アクセス
などといった特徴がある。このほか、ゴーグルをしまいやすくするトップポケットやエッジガード付きのスキーアタッチメント、ギア類をつけたままでも使用可能なヘルメットホルダーなど、ディテールにこだわったつくりは、なるほどといえるモノばかり。
実際に背負ってみれば、その使いやすさはすぐに理解できるはず。現場の声がそのまま反映されて生まれたモデルだけに、ストレスフリーで滑りに集中することができると、ユーザーたちの評価も高い。
エベレストの登頂者でもあり、マッキンリーやヒマラヤ未踏峰からの滑降を成功させたプロスキーヤーの児玉 毅さんは、実はドイターの大ファン。いわく、フリーライダープロは“雪山でのパートナーのごとき存在”だという。
30ℓに荷物を満タンに詰め込んでみても、上下左右への激しい動きになんの違和感もなく、追従してくれる心地よさ。この一体感があればこそ、滑りに100%集中することができた、とも語っている。
最高の滑りを目的としたプロのスキーヤーにとって、バックパック選びというのは、とてもむずかしいこと。背負い心地、機能性、デザイン、細部の使いやすさなど、必要とされるさまざまな判断基準がある。そのすべてを、現場のプロの厳しい目を通じてクリアしたからこそ、“パートナーのごとき存在”という言葉が生まれてくるのだろう。
ヨーロッパの現場のプロがつくったバックパックを、日本の現場のプロが使い、その性能に惚れ込む。なんとも、バックパック冥利に尽きるアイテムだな、と思う。
■ドイター/フリーライダープロ30
18,500円+税
容量:30ℓ
重さ:1,740g
サイズ:高さ58×幅28×奥行21cm
素材:ドイター・マイクロライト420デニール+330デニール マイクロリッププロ6.6
カラー:オレンジ×ホワイト、ブラック
背面システム:ドイターアルパインバックシステム