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あのたためる足ヒレ「セイルフィン」が進化。長くなって新登場!
2015.07.23 Thu
藤原祥弘 アウトドアライター、編集者
一昨年の登場時、素潜り界の一部で話題になった足ヒレ「セイルフィン」。
「たたんで携行可能」
「(ほぼ)布製」
「サンダルをそのままフットポケットに使用」
という斬新なコンセプトに驚きつつ取り寄せてみたところ、届いたのは家内制手工業感あふれるルックスの足ヒレ!
「本当に布製! こんなの、使えるわけない!」
とあなどりつつ海に入ってみると……
「あれ?……けっこう、使える!!!」
そうなのです。無骨な見た目にも関わらず、ブレードは思った以上に水をキャッチ。ブレード面の大きさに比して推進力も大きく、同様のブレード長で「トラベル用」として出回っている短めのプラスチック製のフィンよりもよっぽどいい調子。
背が立つ水深でのスノーケリングなら、十分使える性能を発揮していました。
どうやら、サイドに入っているカーボンフレームと、その間で緩やかにたわむナイロン製のブレードが、絶妙に水を後方に押し出しているようです。
しかし、惜しむべきはその全長の短さ。「水中で推進力を得る」という足ヒレとしては、肝心の水をつかむブレード面が小さすぎました。水面を漂うスノーケリングには使えても、潜るとなるともう少し推進力がほしいところ。
その率直な使用感を製造元に伝えたところ、新しく登場したのが「セイルフィンEx」。
前モデルよりも15㎝ほど全長が伸び、水をつかむブレードの面積はほぼ2倍に拡張!
わくわくしながらニューモデルをさっそく海で使ってみると……おお、足ヒレとしてちゃんと機能している! 水深3m以浅のスキンダイビングに十分使える性能ではありませんか!
φ10×50㎝程度の仕舞寸法で、重量420gから得られる推進力としては驚異的。海遊びに出かけるバックパックのサイドポケットに、あるいは沖縄出張に向かうスーツケースに忍ばせるフォールディング足ヒレとしては、十分すぎる性能です。
ストラップの処理、ブレード面の素材などは改良の余地あり、といったところですが、「フレーム+皮膜」という構造は大きな可能性を感じさせます。
考えてみれば、同じ流体を推進力に変える帆船の帆は「フレーム+皮膜」。それどころか、数億年単位で「ヒレ」の研究をしてきた本家本元の魚も「フレーム+皮膜」を選んでいます。この構造、まだまだ伸び代がありそうです。
荷物は軽くしたいけれど、素潜り道具は持っていきたい! そんな旅にぴったりの足ヒレです。
世田谷プロダクト・デベロップメント
セイルフィン Ex
¥12,000+税