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宇宙は究極のアウトドア? 宇宙開発で生まれたあのブランケット。
2016.03.09 Wed
本日3月9日(日本時間)は部分日食。太陽の一部が月に隠れる部分日食が、全国で観測できる。日食は、太陽と月が一直線に並んだとき、地球から見ると太陽が月に隠される現象だ。
各地での欠け具合は、国立天文台のHPで確認できる。観測するときは、直接太陽を見たり、サングラスなどで見ないように注意!必ず専用の日食グラスを使って観測しよう。
2012年5月の金環日食(太陽が指輪のように見える)が、まだ記憶に新しいかもしれない。今回は、太陽の一部が隠れる部分日食で4年前のようにはいかないが、15から20%ほど欠けるという。南に行けば行くほどよく欠けるそうで、インドネシアあたりでは皆既食が観測できる。日食についてはこちらの記事もぜひご参照あれ。ちょっと天気が悪そうだが、遠い宇宙の神秘に思いを馳せるいい機会だ。
1969年7月、人類が初めて月面に着陸。アームストロング宇宙飛行士(アポロ11号)は、”小さな一歩だが、人類にとっては偉大な一歩だ”の言葉を残した。ちなみに、この写真を撮ったのがアームストロング氏。(NASA on the Commons)
宇宙といえば、つい先日国際宇宙ステーションから、宇宙飛行士のスコット・ケリー氏が連続滞在340日を終えて無事に帰還したばかり。約一年間という長期にわたって宇宙に滞在したケリー氏の身長は、5センチも伸びていたのだとか。さまざまな人体への影響は、これから明らかになっていくという。こうしたNASAの研究も、わたしたちの生活からすれば、なんだかとても遠いところにある気がしてしまうが、じつは身近なところにも宇宙が関わっている。
スペースブランケット オレンジ ¥800+税(ハイマウント)Made In USA 畳むと手のひらサイズになる軽いブランケットだ。
そのひとつが、このエマージジェンシーブランケット。ファーストエイドキットのなかに常備している人も多いかもしれない。これこそが、NASAのアポロ計画の産物。人工衛星を覆っている、あのピカピカの金シートに見覚えがあるだろう。
アポロ11号の直後に打ち上げられたアポロ12号乗組員の活動。月面で活動するアラン・Lビーン宇宙飛行士。金色に輝いているのが、まさにそれだ。(NASA on the Commons)
シートのおもな役割は断熱。ポリイミドという黄色の樹脂フィルムにアルミ粒子を付着させた多層断熱材(Multi Layer Insulation:MLI)と呼ばれるもの。実物はひじょうに薄く樹脂膜とフィルムが何層にも重ねられている。人工衛星は、太陽が当たる部分は高温になり、逆に当たらない部分は冷たくなってしまうという。内部の電子機器が過酷な宇宙空間でもしっかり作動するように開発された。実際には衛星の特徴などに合わせて、反射率などを計算しカスタマイズされている。
使い方は簡単、広げて体を覆うだけ。表面はゴールドと裏面はシルバーになっている。体からの放射熱を80%反射するというスグレモノ。
この技術を応用したのがエマージェンシーブランケットだった。災害や緊急時の人命救助にも幅広く役立てられている。宇宙飛行士が着用するウェアにも使われているという。宇宙という過酷な環境に向かうのは、究極のアウトドア、やはりEXPLORERなのではないだろうか。