- 道具
触って動かせる動画、全天球360度撮影がアウトドアを面白くする
2016.03.09 Wed
渡辺信吾 アウトドア系野良ライター
画像、映像にはフレーム(画角)というものが存在しますよね。ところがフレームの外側、それどころか反対側まで指で動かして見られる、そんな時代になりました!
リコーのTHETA(シータ)というデジタルカメラ、すでにご存知の方も多いと思います。ワンショットで全天球、つまり天地左右360度の撮影ができるのが特徴で、初代THETAは2013年発売、動画機能が加わったTHETA m15が2014年に発売され、昨年2015年の秋により高画質・高機能となったTHETA Sが発売となりました。この最新機種がかなりの優れもので、私の周りにも購入者続出なのです。
業務用で全天球撮影ができるカメラの存在を知ったのは、たしか10年以上前のIT系か映像系の展示会だったと思います。そのときは「へぇ~」と思った程度でした。そのうちGoogleストリートビューがスタートして、全天球撮影ってこういう風に実用化するのかと認識を新たにしました。そして、このTHETAの登場です。もはやTHETAは民製の全天球カメラの代名詞と言っても過言ではありますまい。
簡単に仕組みを説明すると、広角レンズを両面に2枚組み合わせることによって360度死角のない画像、映像を撮影できるというもの。
まぁ、Akimamaでこのカメラの操作とかスペックについて細かい能書きをたれるのもどうかと思いますので、先日スノーボードに行ったときにTHETA Sで撮影した動画をご覧ください。
※スマートフォンの方は、こちらのYouTubeサイトでご覧ください
スマホなら画面を傾けたり指でスワイプするだけ、PCなら左上の方向矢印をクリックするか画面をドラッグするだけで、視点がグルグル移動します(残念ながらSafariは非対応)
たとえばスノーボードで追い撮りをする時、これまではレンズを被写体に向けて常に画角の中央に収めつづける必要がありました。しかしこいつを使えば、撮り手の身体の後ろに隠れないかぎり、被写体はどこかに写ってるわけです。つまり画面をドラッグして被写体を見つければいいのです。追い撮りの概念がまるで変わってしまいます。もはや画角という概念すらありません。
今回の動画は、撮ってる人が右手にTHETA Sを持って滑りましたが、ヘルメットの上にマウントして滑ったなら、まさに全方位死角なしで撮影できることになります。マウントした姿はちょっと滑稽かもしれませんが。
とにかく、スノーボードに限らずサーフィンとかマウンテンバイクとかラフティングとかアウトドアアクティビティとの相性は間違いなくいいでしょう。
ちなみに、360度グリグリ動かせる画像になる前はこんなかんじです。まさにメルカトル図法の世界地図と同じです。これをコンピューターがつなぎ合わせて動かしてるんですから、テクノロジーの進化はすごいです!(大昔に球面を平面化したメルカトルさんもすごいですが……)
YouTubeもFacebookもTHETAの全天球動画に対応してくれてますので、専用アプリを使った簡単な変換作業をしてアップロードすればいいだけ。あとはコンピューターがいいかんじに変換してくれます。変換後の動画は、まだ画質的に粗く感じますが、これもそのうちにもっとキレイになっていくんでしょうね。
今後、THETAとそれを取り巻く環境は間違いなく進化するでしょう。GoProなどのウェアラブルカメラがアクション映像の歴史を変えたように、全天球撮影による動画にも期待させられる何かがあります。これからどんなアウトドア遊びのコンテンツが生まれてくるか楽しみでなりません。
©Ricoh Company Ltd.
▼製品に関する詳細・問い合わせ
リコーイメージング株式会社
www.ricoh-imaging.co.jp
お客様相談センター
TEL:0570-001313