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【どんなクルマでもキャンプにいける!】「なんでボクはベンツを乗り続けているんだろうか」
2016.04.08 Fri
沖田雅生 アウトドアライター、編集者
アウトドア雑誌の編集長をされていた沖田雅生さんの連載が始まりました。「どんなクルマでもキャンプにいける!」と題して、キャンプに使える、使いたいクルマを、新旧問わず紹介していただきます。
◆どんなクルマでもキャンプにいける! vol.001 メルセデスベンツ E320
のっけから「こいつベンツ乗ってんのかよ」と、なんだろうその手の方々に言われそうだが、まあとにかくこのクルマにいろんなことを教えてもらって、もしこいつが壊れちゃったら、つぎになに乗ればいいのかそんな急にいわれても的状況に陥りそうなくらい乗り続けたいと思っている。
メルセデスベンツE320。124といったほうがわかる人にはわかる。90年代イケてるデザイナーがけっこう乗っていた気がする。当時で900万円位していた、まさにバブルの時代だ。ボクがこのクルマを手に入れたのは2007年、12年落ちで9万キロ、事故車。お値段は込み込みで115万円。その前までコンパクトカーに乗っていたんだけどトランスミッションがちょっと不具合を起こし、こちらも相当気に入っていたのだが泣く泣く手放した(そういう性格なのかもしれない)。
昔はこれでもどや顔だなーと思ったけれど、今はもっとどやのクルマが多い。全長4765mm×全幅1740mm×全高1490mm。見た感じよりコンパクト。意外にどんなところでも入っていける
好きなクルマに乗ればいい、荷物はそれに合せればいいと思っているのでハッチバックで十分だった。が、このクルマに乗り始めて、本来クルマってこうだよなーって、いろんなことに気づかせてもらった。
・アクセルを踏めばクルマが動く。ちゃんと踏まないと動かない
・ブレーキを踏めばきちんと止まる
・安定した直進走行。ハンドルもぶらつかない
・操作系がシンプル
・運転し続けて疲れない、むしろ癒やされる
・斜面でアンダーを擦ることはそうそうない
・ワイパーをかけるとその視認性は非常に高い。1本ワイパーなので動きは大げさだけれど
・ハンドルを切ると、回転半径の数値以上によく曲がる
・ラゲッジが本当に広い
・フルフラットシートになる。そのときガタつかない
・ライトなどの電球交換やヒューズの交換、そのほか簡単なメンテナンスは自分でできる
・故障しても、電子デバイスの塊ではないので、メンテナンス代、部品代が安い
って、ごくごく当たり前でありがたいことをしっかりとこなすクルマって意外にない。アクセル踏んでなくてもクルマって動いちゃうでしょ。
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フルフラット状態。CDチェンジャーが邪魔。撤去予定(まあ壊れちゃったんだけれどね) -
セカンドシートの座面をあげて背面を倒す。座面と背面に凹凸があって組み合わされ固定されるのでがたつかない
ほらランプ交換、本当に簡単でしょ
スリーポインテッドスターは、どや!の象徴だけではなく、走行時に左サイドの視標となる
もちろんデメリットもある。先に挙げたメリットのいくつかはデメリットにもなる。夏の暑さには弱い(弱そうだ)。軽快ではない。外的デメリット=税金が高い! などなど。が、それを差し引いてもぞっこんである。
124はすぐれた実用車、機械を操っている、機械と触れている、質実剛健なかんじだ。この時代のベンツは今の高級車ベンツとは違う。だからボクはこのクルマに乗っている(買えない負け惜しみともいえる)。
ちなみに7人乗りです
先達やディーラーに恵まれたボクはこのクルマに乗り続けられている。自分にとってはデフォルトとなる一台だ。現在21年目、走行距離19万キロ超。燃費は街乗りで7〜8キロ、遠出で9〜10キロ。まあまあだ。きちんと整備していけば30万キロいける(らしい)。しばらく乗っていきたい。
最後に一言、古いクルマ大事に乗ってんだ、税金あげんじゃねーよ!