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ビシっとキメて快適に歩く! バックパックを美しく見せるパッキング術【動画付】
2016.04.18 Mon
森 勝 低山小道具研究家
「パッキングが上手くできない!」と悩んでいるハイカーは多くないだろうか? ボクがYouTubeに投稿した『GREGORY Z40をきれいにパッキング』が、ボクのチャンネルの中では人気動画となっている。これはバックパックをキレイに見せるようにパッキングすると、背負った時にバランスが良くなるという考え方で、実際にハイキングのガイド中に、この方法でパッキングを直してみせると「軽く感じる」「かっこ良くなった」と好評だ。独自の考え方で万人向けではないが、何かの参考になればと思う。
日帰りでも最近は35リットル前後が多い。しかも軽量化のために生地が薄いモデルはとてもパッキングが難しい。写真はMystery Ranchで生地が厚いモデル
パッキングが崩れる原因を考えると、日帰りでも35リットル前後と大きめのバックパックが主流になるが、逆に荷物は小型化。日本では、小さなスタッフサックに詰め込む習慣があり、これがパッキングが上手くいかない原因だと思っている。
軽い物は下に、重い物は背中側にと、本に書かれていることを実践しているが、荷物がバックパックの容量に対して少ないため、上手く固定できていない。例えるとダンボールの中でリンゴが動いている状態だ。普通ならリンゴが動かないようにクッション材を詰める。ボクは登山でもバックパック一杯にクッション材を詰めている。もちろんクシャクシャにした新聞紙ではなく、代わりにクシャクシャにした衣類などの荷物を詰めている。
左がレインウェア上下とレインカバー。左がレインカバーの中にレインウェアを入れた状態。レインウェアのスタッフサックが不要になり軽量化。周囲の隙間に押しこむので、見た目ほど場所を取らずにパッキングが可能だ
クッション材としてよく使う荷物が、エマージェンシーブランケットやツェルト。小さく圧縮して販売しているが、広げクシャクシャにしてバックパックの底に詰めている。上に荷物を詰めていけば自然に圧縮される。レインウェアや防寒着もクッション材に最適だ。外ポケットや大きめの防水袋に入れ、バックパックの一番外側に詰め込むとクッション材として最適、しかもバックパックの形がキレイになる。荷物があまり入らないようなイメージがあるが、隙間に差し込むので意外と変わらないし、最近の軽量バックパックは、ふんわりと入れた状態で適正荷物重量に達する物も多い。小さく圧縮したものを入れるとオーバーロードしてしまう。
パッキングを動画撮影。使用したバックパックは、日帰り用に人気のGREGORYのZ40(旧型)。適当に詰めても、ウェアをクッション材に使うと、綺麗にしかも、荷物を背中に固定するようにパッキングすることができる。取り出しも楽だ
この動画では、下の気室にレインパンツやシートを入れ、一番外ポケットにはレインジャケット。メイン気室の外側には防寒着をクシャクシャに入れ、バックパックの形をキレイに見せている。同時に内部の荷物を固定し、出っ張りを無くすことでバックパックの生地に負担をかけない。しかも、レインウェアや防寒着が取り出しやすいパッキングになっている。
私は、バックパックデザイナーが何を考え、ポケットのサイズや位置を決めたかを考えながらパッキングするのが好きだ。良いパックは、登山スタイルと合った装備を考慮したデザインがされている。装備やパッキング方法が、デザイナーと同じだと感じたバックパックが、自分にあったものだと思っている。