- 道具
山頂カップラーメンからの脱出! フライパンひとつで山料理の幅が広がる。
2016.05.16 Mon
森 勝 低山小道具研究家
ハイキングの時には、鍋ではなく、深めのフライパンを持っていくことが多い。なぜなら、湯沸かしから炒めモノまで、調理の幅が広がるからだ。しかも、フライパン料理では、使う道具が増えるのも、ギア好きにはたまらないポイントだ。
使う道具は、フライパン、大きめのスプーン、フォーク(箸)、油入れ、カップ、まな板、調味料入れ、そしてナイフ。ざっとこんな所だ。それでは、ハイキングで使えるオススメのフライパンをいくつか紹介しよう。
フライパン料理は、色々な道具が使える。卵ケース・フライ返し・まな板・ステンレス製スポーク・そしてナイフ。ただし、作っている料理は、目玉焼きとソーセージを炒めているだけ……。
その前に、山で料理の幅にこだわるボクの料理スペックを紹介すると、料理は苦手で、焼くことしかできない。食に対するこだわりもナッシング。一ヶ月同じものが続いても平気だし、好き嫌いもない。しかも少食。と、まぁこんなところだ。
まず最初のお気に入りフライパンはUNIFLAMEの山フライパン17cm。容量は800mlで重さは175gと軽量。深めで写真のようにお湯を沸かし、レトルト食品の湯煎(湯沸かし)から、炒めものまで可能だ。そのままお湯をカップに移そうとすると溢れるので、大きめのスプーンがあると便利。最近の冷凍食品は美味しいので、餃子やチャーハンなどが、ボクの定番山料理。登山用品店で販売している。
コーヒー用の湯沸かしと同時に真空パック食材を湯煎し、あとは肉などを炒めるのが、ボクの定番。今回は、パンとシチューとコーヒーとソーセージ。
形状と素材が理想に近いのがこのEVERNEW アルミフライパンラウンド#18だ。若干大きく、重量は250g。これが良いのは、黒と白のマーブル模様が料理をおいしく見せることだ。料理が苦手でも様になる。丸みを帯びた底形状は掃除がしやすい。6cmと深く、湯切れも良いので鍋としても使える万能調理器具だ。最近は皿にもなる蓋が発売された。
登山用鍋は味気ないものが多いが、EVERNEWのフライパンはマーブル模様で、食材が引き立つ。ベーコンと目玉焼きとサラダ。
アウトドアとフライパンと言えば、雑誌付録で大ヒット中のLODGEのスキレット6-1/2インチ。鉄製で重く、持てなくはない実測850g。特徴は、何を焼いても美味しそうに見えることと、蓄熱性が高く、長く温かい食事を楽しめることだ。冬はとてもありがたい特徴だ。長距離縦走にはさすがに持っては行かないが、低山ハイキングには、足腰を鍛える重りとしても最適だ。
この重厚感! 多少重いが持ってきて良かったと思うのが、このLODGEのスキレット。振る舞い料理には最高のクッカーだ。厚切りベーコンとトマトを炒め、チーズを載せただけ。
ハイキングで使うととても便利なフライパンだが、難点は収納性。まだ収納性まで考えた山用フライパンはなく、自分で工夫するしかない。シンデレラフィットを研究してもいいし、小さなフライパンならバックパックの隙間にすっと差し込むことができる。
自分なりのシンデレラフィットを考えるのも面白いだろう。UNIFLAMEの山フライパンにガス缶やカップをパッキングしてみた。初めから収納性にもこだわったフライパンを、どこか出さないかなぁ〜。
山で見る料理は、カップラーメンが圧倒的。今年は、カッコ良くパッキングして、フライパンで食事のステップアップしてみないか?
トランギア社のストームクッカーと付属のフライパン。浅く、湯沸かしは厳しいが、パッキングは楽。真空パックの鶏肉とベーコンと惣菜のポテトサラダ。調理はしていないが、フライパンだと豪華? に見える。