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「リップクリーム」は多用途に使えるサバイバルアイテムだった

2016.10.17 Mon

森 勝 低山小道具研究家

「リップクリーム(リップバーム)」は海外では身近なサバイバルアイテムの一つと考えられている。ポケットに無造作に入れていても邪魔にならず、携帯しやすいパッケージで多用途に使えるからだ。

 ネットで探すと様々な使い方が考案されているが、今回はボクがよく行う使い方を紹介しようと思う。

夏はサンダルのストラップが擦れて痛い時や、擦りむいた時などにもリップクリームで対処。踵などが乾燥した時にも便利だった

 デリケートな唇を保護保湿できるということは、他の部分にも使える。ちょっとした擦り傷や切り傷や乾燥肌の保護としてリップクリームを塗り込んで済ませている。医療的に問題ないのかは分からないが、ポケットから取り出してすぐに処置ができるので今のところ非常に調子が良い。この時のために無香料タイプで添加物の少ないタイプを選んでいる。

燃えやすい麻ヒモは着火剤として便利だがすぐに燃え尽きてしまう。リップクリームを擦り込むと少量の麻ヒモでも火起こしが可能だ

 もしもの時は着火剤としても使える。身近な着火剤として有名なワセリンと似たような物なので、普段ならあっという間に燃えてしまう綿や麻ヒモに塗り込むと着火剤として十分機能する。着火剤としては高価になってしまうため普段はやらないが、知っていると便利な使い方だ。実際に友人宅で突然BBQをすることになった時に、ダンボールにリップクリームを刷り込み炭に火を付けた経験もある。

革製品は育て上げるのが楽しい。空いた時間にちょっとずつ油を擦り込めるのがリップクリームの良い所だ。直接では無く、一度手につけてから刷り込んでいる

 革製品の保湿クリームとして使用できる。大きな物や高級な物には向かないが、隅の傷みや小物ケース・革製ネームタグなどにポケットから取り出し、その場でメンテナンスができるので便利だ。

様々な物を切るため汚れやすいナイフだが、食材を切る時や、仕舞う前にはキレイにしておきたい。リップクリームならポケットから出してすぐにキレイにできる

 一番よく使うのは刃物類のメンテナンスだ。というかこれがメイン。木を切ったり、食材を切ったりした後のナイフやノコギリの汚れが目立つ時に、塗って拭き取ると、キレイになるばかりではなくサビ予防にもなる。家でもワセリンかリップクリームで済ませている。また、爪楊枝を使いナイフの可動部に潤滑油として使うこともあり。バックパックのジッパーなどにも有効だ。

 リップクリームは唇の保護はもちろん、多用途に使える便利アイテムだ。アウトドア時のEDC(エブリデイキャリー)に、加えてみてはいかがだろうか?

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