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やはり新しいものはいい。進化したプロトレックPRW-7000

2016.10.28 Fri

渡辺信吾 アウトドア系野良ライター

 カシオのプロトレックを初めて購入したのは1996年ぐらいだったと思う。時計の裏蓋に刻まれた型番は「PRT-40」。調べてみたところプロトレックブランドとしては2代目、原型となるトリプルセンサーATC-1100から数えると3代目になるらしい。2回目の電池切れを機にそれ以降使っていない。

左が最新の「PRW-7000」で、右がプロトレックブランドとして2代目の「PRT-40」。昔のゴツいデザインも嫌いじゃない

 この夏、新しいプロトレックを手に入れた。PRW-7000。PRT-40と並べてみるとまるで別物。かなりすっきりと洗練されたデザインだ。盤面は大きく、センサーの出っ張りは小さい。アナログ+デジタルで視認性も高い。ゴツい昔のデザインも嫌いではない。現行モデルのPRW-3500などはその面影を強く引き継いでいる。私が選んだPRW-7000は、マルチフィールドラインというカテゴリーのもので、トレッキングだけではなく、海や川でのアクティビティにも対応するタイプだ。波乗りをする私は、タイドグラフ(潮位)や月齢がわかるということでこのタイプを選んだ。

20気圧防水なので安心して海でも使える

 プロトレックの肝は、やはりトリプルセンサー。気圧/高度計測、気温計測、方位計測を行うセンサーが搭載されている。専門的な計測器ではないのであくまでも目安ではあるが、センサーがあることはアウトドアアクティビティにとって重要な要素だ。

 古いプロトレックを使っていた時は、正直なところ、高度と気温はあまりアテにしていなかった。高度計は実際の標高との差があって正確ではないし、気温計は腕に付けている時点で、体温を拾ってしまうために正確な気温はすぐにはわからない。腕から外して2、3分放置しておけば正しい気温はわかるのだが、そんな使い方はしたことがない。だが、気圧計と方位計はかなり使った。

 私個人の使い方としては、バックカントリースノーボードでの使用がメインだった。まず、気圧計表示にしておけば、気圧の推移がグラフでわかるので、急激に気圧が低下し始めたら天候の悪化を予測できる。逆に悪天候時に徐々に気圧が上がってくるようなら天候の回復が見込める。
 方位計の方は、これまでルートを見失うような経験はしていないので、ルートファインディングには使用していないが、これから滑る斜面がどの方角を向いているかは常に気にしていた。日の当たる斜面、風の当たる斜面がわかれば、その反対側にはふかふかのパウダーが待っている確率は高いから。

 もちろん、新しいプロトレックは、これらのセンシング性能も向上している。現在のトリプルセンサーはVer.3、つまり第3世代となる。計測精度の向上とダウンサイジングを実現しており、このあたりはやはり新しいものの方が優れているし、視認性も向上している。

 もうひとつうれしいのは、カシオ独自のソーラー充電システム「タフソーラー」を搭載していること。わずかな光も動力に変え、安定稼働してくれる。しかも世界6局の標準電波を受信し時刻を自動修正する。これで電池切れや時刻合わせの煩わしさから解放される。テクノロジー万歳!

 ところでこのPRW-7000、20気圧防水に加え、タイドグラフやフィッシングタイムなどを備えウォーターレジャーに強いモデルという位置付けだ。確かに安心して海で使えるし、スマートになった筐体はパドリングしていてもさほど気にならない。期待していたタイドグラフについては、おおよその干満はわかるのだが、ちょっと残念。サーファーが見るタイドグラフは、ポイントごとにロータイド(干潮)とハイタイド(満潮)の時刻がわかり、それぞれの潮位が何センチなのかまで表示される。ポイントが違えば干満時間も変わるのに、このタイドグラフは、基準点が時刻合わせのためのホーム都市(日本の場合は「TYO(東京)」のみ)なのだ。ちなみに千葉北と湘南の干満時間は30分以上違うし、さらに宮崎では2時間近く変わる。
 というわけで、タイドグラフはアテにしないことが決定。今後改良されるなら、せめて基準点だけでも増やしてほしいものだ。

タイドグラフ機能については、今後の改良に期待したい!

 とはいえやはり新しいものは楽しい。まだ使いはじめてひと月ちょっとなので、これから冬のアクティビティで活躍してくれるのが楽しみだ。


■製品情報
CASIO
PRO TREK PRW-7000-1AJF
価格:82,000円 +税
サイズ : H58.7×W52.3×D14.5mm
質量 : 95g

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