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カシオのWSD-F10に新機能。CASIO MOMENT LINKで新スタイルの山登りに行こう!!

2016.11.30 Wed


 3月の発売以降、注目を集めるWSD-F10。akimamaでも、数度にわたって紹介やレビューを続けているが、このウェアラブル端末が華やかなりし時代、たったの半年でまたしても“進化”してしまった。ならば、akimamaとしても追い掛けていくしかないではないか! ということで、カシオの最新モデルWSD-F10を持って山、行ってきました。なにが進化したって? それは……。

CASIO MOMENT LINKってなんだ?
 
 WSD-F10はスマートウォッチなだけにスマホ(Android)との連動はお手のもので、いままでも日の出日の入り、潮の満ち引き、お天気情報、メールのやり取りほか、スマホに来る通知はほぼ手元で確認できる仕組みとなっていた。LINEやFacebook Messengerには音声での返信も可能で、「了解」とか「いま渋滞中」とかくらいの短い文章なら時計に話し掛けるだけで用が足りてしまうと話題になったし、もちろん「OK、グーグル」もできる。もう未来の世界ダァーなんてことは以前の記事にも書いたのだけど……。まぁ、その未来がまたしても一歩先に進んだってことでしょう。
WSD-F10の基本機能はアウトドアに必要なアプリの王道を行く。日の出や日の入のお知らせ/デジタル方位磁針/走行距離や時間に合わせて、補給食や休息をとるタイミングをリマインド/現在の高度やゴールまでの残りの高度、経過時間や移動速度を手元に表示/現在地の周囲の雨量情報を高精度、リアルタイムに表示する新感覚のお天気アプリなどなど
 さて、CASIO MOMENT LINK。いうなれば、コレ、スマホに対応したアプリのひとつ。日本語にすれば「位置情報コミュニケーションアプリ」となる。スマホのGPS機能を利用したアプリで、簡単にいえば、パーティになった仲間たちがいまどこにいるのかを地図上で示してくれる機能である。

 だから、山だったり、自転車だったり、ランニングだったり、スキー場のゲレンデだったり、個々人がそれぞれに行動を続けつつ、緩やかにパーティを組んでいるような状況下で大いに役立つ。また、コミュニケーションアプリの真髄としては、メッセージのやり取りが手元でできてしまうこと。つまり、時計に話し掛ければ、言葉をテキスト化してみんなの元へと送信してくれるわけ。

 だから、

 とか、

 なんて、ちょっとお知らせしたいことを手軽に共有できてしまうわけ。お腹空いたー、帰りにカツ丼、なんてのも実際やりとりしてたんですが、そんな平和なときだけでなく、ケガをしたときや忘れ物をして小屋に戻るなんて緊急連絡にも使えるでしょう。

 そして、なんとYAMAPとの連動も可能で、自分たちが歩いてきた軌跡を残すこともできちゃいます。
 
  YAMAPの画面はこんな具合。
      
 仲間の位置を地図上に表示してくれるCASIO MOMENT LINKは、背景を略地図、地形図、航空写真の3つから選ぶことも可能となっています。

 これがこのアプリのネーミング“CASIO MOMENT LINK”の由来なんだろうと思う。その「瞬時」をみんなと「リンク」できるから。
 
 そしてもちろん、アウトドアでの使用をベースに開発されているだけに、高度や気圧、方角に緯度経度、行動時間なんて一発表示。
ウォッチフェイスのデザインも自分好みで設定することができる仕組みに。左右の写真がウォッチフェイスのバリエーション。また、センターの写真にもあるように、正確な緯度経度もしっかりと表示。これもGPSを利用しているからこそできること。かなりいろいろと盛り込まれています

 そして、山の知識を総動員すれば、こんなこともわかります。
山頂の標高と高度計の表示がちがう! このちがいには、どんな意味があるのかな??
 入山口で標高を合わせてきたのに、山頂での実標高(2471m)と高度計の数値(2489m)がちがう! ってことは、気圧が下がり気味なんでしょう。だから、これから天気が悪くなる傾向にある……ま、これはWSD-F10でなくとも高度計が付いている機器であればわかることですけどね。

 機器の使い方に慣れるまでは時間を要しそうだけど、これが駆使できたら山歩きの仕方が少し変わっていきそうな予感。登山中にスマホを出す必要も少なくなるし、そのうち、時計を経由してトランシーバーのごとく会話ができるようになったりして!? 

 と、カシオの開発者にも聞いてみたけれど、それはまだまだむずかしいとか。たしかに、いろいろとクリアしなければならない技術のほか、法律やらなんやらのほうもありそうですしね。
WSD-F10を試してみたのは、北八ヶ岳の北横岳。ピラタスのロープウェイを使えば坪庭までひとっ飛びで標高を上げられるので、こういった用具のインプレッションには最適な場所。それにしても、寒かった!
 あ、そうそう、伝え忘れてましたけど大事な点をひとつ。現状では、みんなが同じくAndroid版のスマホとWSD-F10を持っていないとCASIO MOMENT LINKのサークルはつくれません。とはいえ、朗報も。近いうちAndroidスマホでもやりとりできるアプリも登場するらしく、時計を持っていない人でもパーティに参加できるようにはなるそうです。

 いまのシステム上では、パーティ結成はとても簡単。仲間内の誰かがリーダーとなって招集を掛けるだけ。ビーコンを使っているので、いちいち相手の情報を登録したり入力したりする必要もなし。

 同様に、パーティを解散するときも解散画面をタッチするだけでOK。解散するときは少し寂しい気持ちにもなるものの、この時代、必要なときだけのコミュニケーションというスタイルも大切なのでしょう。電話番号やLINE、メールアドレスなどの交換が必要ないというのも、特徴のひとつかな。

 ちなみに、解散をし忘れても、サークルは24時間で自動的に削除される仕組みにもなっています。

 あと気になるのは、電子機器だけに充電のこと。日帰り登山であればなんら問題はないだろうけど、長期の縦走ともなるとバッテリー問題には遭遇しそう。それと、スマホの電波の届かないところやGPSが使えない森のなかでは、機能を十分に発揮できない点。これは、致し方ないとはいえ、今後の改善も期待したいところ。

 そういう意味では、山以外の使い道にも期待大。たとえば、真夏のフジロック。オレはヘブンを見たい! わたしはホワイトよ! でも、ところ天国でご飯をいっしょに食べようじゃないか、なんてときはCASIO MOMENT LINKがとっても便利そう。

 もしくは慣れぬ旅先での自由時間とか。じゃ、集合は何時にとかメッセージも送れるし、お、意外と近くに居るじゃん、とかね。あとは、なんと自動翻訳機能もついているんですよ。英語はもちろん、ポルトガル語もアラビア語もなんでもOK。グローバルに活躍しそうです。

 使い方を想像すると、いろいろと世界が広がっていくように思います。さて、せっかく山に試しに行ったので、もうひとつ山の写真を。じつは、カメラともリンクができるんですよね、コレ。
WSD-F10は、カシオのデジタルカメラ「アウトドアレコーダー EX-FR100」や全天周レンズを搭載し360度撮影ができる「EX-FR200」とのペアリングが可能。時計の画面がモニターの役割を果たす。いろいろと楽しめそうですよね
 八ヶ岳っていい山だ。

 
 

■製品情報
カシオ/WSD-F10  
価格:70,000円(税別)
カラー:グリーン、オレンジ、ブラック、レッド
重さ:約 93 g(バンド含む)
本体サイズ:約 61.7X 56.4X15.7 mm (ボディ部分の縦×横×厚さ)
OS:Android Wear™
ディスプレイ:1.32インチ 2層構造/カラーTFT液晶+モノクロ液晶/カラー 320 X 300 ピクセル
防水性能:5気圧
無線:Bluetooth® V4.1 (Low Energy 対応)/Wi-Fi (IEEE 802.11b/g/n)
電池寿命:カラー液晶のみ使用する場合/約1日以上、カラーとモノクロ液晶を組み合わせて使用する場合(設定で画面表示をオフにした場合)/約2.5日以上、モノクロ液晶のみを使用する場合(シアターモード)/約3.5日以上
http://wsd.casio.com/jp/ja/

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