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【履いてきた】MERRELLの新作GORE-TEXサラウンドブーツをフィールドでチェック!! その②

2016.12.04 Sun

宮川 哲 編集者

 MERRELLの新作「カプラ ヴェンチャー ミッド ゴアテックス サラウンド」のフィールドチェック。第2回目は、いよいよ、注目のメガグリップの実力。滑りやすいマッディな裏高尾の日陰ルートや霜と氷がミックスした北八ヶ岳まで、とことん歩いてきましたよ〜。

(フィールドチェック その①)はこちら

*****  

「2. ビブラム社の「MEGAGRIP」を搭載」をチェック!!
ソールのつま先側に刻まれた「MEGA GRIP」の文字は、安心安定なる歩行への目印ともいえるもの。ぜひとも試して欲しいです、このグリップ感
 いよいよ、ソールのビブラムのチェックです。もう名称からしてメガグリップですよ、メガグリップ。ビブラム社によれば、通常の同社のトレッキングソールに比べ「縦方向で30%、横方向で20%」も滑りにくくなっているとか。どうして滑らないのかは、ビブラム社の企業秘密でもあるので詳しく知ることはできないのですが、使用した実感として。

 これは凄い。まさに、メガです! そのむかし、(声を小さく)メレルシューズのソールは岩場に弱く滑りやすい、なんて思っていたこともありましたが、これはもう過去の話。滑りやすいマッディな地面もガレた岩場でも、雪とのミックスルートでも「グリッ」と大地を掴んでいる具合がわかります。

 これは素材自体のグリップ力もさることながら、深さ3.5mmのラグを刻んだソールのパターンにも工夫があるからです。カプラのソールにもある「山羊のひづめ」からヒントを得たラグパターンが、このカプラ ベンチャーにもちゃんと受け継がれています。
裏高尾でのグリップ力テストの様子。秋口の高尾のトレイルは、こんな具合でした。陽の当たりにくいところには水たまりが残り、マッディで滑りやすい地面となっていましたが、全然滑りません。そのほか、ザレ場が少しあるくらいでとても歩きやすい場所でした。アザミも盛りを終え、ひっそりと冬の準備を始めていました

 ソールのグリップ力をより実感できたのは、秋の裏高尾ではなく、冬の支度をはじめた北八ヶ岳でのこと。登ったのは坪庭から北横岳のショートコースながらも、標高は2,400m超え。すでに氷点下の世界です。
北横岳の北峰から見た蓼科山。手前の針葉樹の森はもう真っ白。雪ではなく、霧氷が日々成長している様子です。標高も2,400mにもなると、世界がガラリと変わりますね。実のところ、高尾の翌週に北八ツに来たのですが、季節があっという間に冬になっていてビックリ。改めて、日本の自然の奥深さを感じました(取材日は11月4日) 
 足元は一面の霜柱。数日前に降った雪は、日陰や北側斜面でカチリと凍り、樹々ではエビのしっぽが順調に成長を続けています。とくに嫌なのは、丸っこい岩に薄っすらと積もった霜のベール。これが下りだったりするとついつい及び腰になってしまいますが、ここはメガグリップを信じて、ガツガツと行ってみました。

 すると、オッ、滑らない!! わざと足を置いてググッと力を加えてみますが、確かに摩擦力がしっかりとしています。もちろん、まったく滑らないわけではなく、度を過ぎればズズッと行くわけですが。正直なところ、なんだ、メレルやるじゃないか!! という驚きの思いでした。
霜柱に霧氷、さらに数日前に降った雪で、地面はとても滑りやすい状態に。岩に薄く積もった霜はとっても厄介です。また、木道や木製の階段は要注意。おそるおそると歩を進めるべきところですが、ここはメガグリップを信じて。完全に凍っていない地面では、しっかりとグリップが効いてくれます。それにしても、もう冬ですね。赤岳も阿弥陀も、遠くに見えた槍穂の稜線も真っ白けです

 1、3、2と各テーマをチェックしてみましたが、総合的に見て「カプラ ベンチャー ミッド ゴアテックス サラウンド」はいい靴ですね。とはいえ、サラウンドなので、もちろん保温性などはありません。雪向きのモデルではないので、この点ご注意を。

 このメガグリップ、今度は雪面で試してみたいと、本気で思っちゃいます。あとは、もっともっと長距離を歩いてみたいですね。ライトな範疇のトレッキングブーツとしては、かなりグレードが高いと思います。重い荷物を担いでのテント泊の大縦走というよりはウルトラライトよりの感覚で、日帰りから山小屋泊などの山行スタイルで大いに力を発揮してくれることと思います。

 でも噂によれば、メガグリップをさらに上回るアーティック・グリップも出ているらしいですね、メレルさん! もう一足、買っちゃおうかな〜。akimamaの先日の記事、北の大地でのイベントでもかなりの注目度あげてましたもんね。今度はメレルの冬靴履いてみたいです、正直。
おまけ。北横岳ヒュッテの直ぐ近くにある七ツ池にも立ち寄りました。すると、池には薄く氷が張っているじゃないですか。そこで、遊び心が芽生え、いざトライ。氷の上へ一歩、二歩。足元でパリッと音を立てる薄氷。心なしかズルリと行ってしまいそうな心もとないグリップ力。でも、おそらくメガグリップでなければ、ツルリ&バッシャーンとなっていたことでしょう。今度はアークティック・グリップ、履いてきます!

 
 
MERRELL/CAPRA VENTURE MID GORE-TEX SURROUND
カプラ ヴェンチャー ミッド ゴアテックス サラウンド
カラー:ブラック、グラナイト
サイズ:[男性]25.0cm~28.0cm、29.0cm、30.0cm *男性用のみ展開
重量:565g(27.0cm 片足)
価格:25,800円+税

MERRELL公式ウェブサイト
http://www.merrell.jp

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