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世界最小最軽量のWウォールテント?! ファストパッキング派にオススメ。ノルディスク「Lofoten 1ULW」
2017.06.08 Thu
渡辺信吾 アウトドア系野良ライター
潜在的な子宮回帰願望が呼び覚まされるのか、小さくて狭いテントに惹かれる自分がいる。
北欧デンマークのアウトドアブランド「ノルディスク(Nordisk)」といえば、クラシカルなコットン製のテントやタープなどが人気だが、軽量な山岳用テントのラインナップも充実している。今回は、発売開始以来ヨーロッパを中心に数多くのアワードを受賞している「Lofoten(ロフォーテン)1ULW」を紹介したい。
発表以来気になっていたこのテント。国内での発売開始はもう間もなくとのことだが、ひと足先にお借りできる機会があったので、実際にお外で張ってみた。
Lofoten 1ULWは、世界一軽量なダブルウォール(インナーとフライシートを有する)テントを謳っている。その重さは、実にレース用ウェイトで約490g! レギュラーウェイトでも約565gという軽さ。ちなみにレース用ウェイトとは、パックサックやエンドポール、補修キットなどを除いた重量で、山岳レースなどで1gでも軽くしたい場合の重量だが、テントとしては十分機能する。さらにパッキングサイズもコンパクトで、およそ直径11×22㎝の円筒形。手のひらよりやや大きいぐらいのサイズだ。写真のように500㎖のペットボトルと並べるとその小ささがわかる。コンプレッションしてバックパックに詰めるならさらに小さくなるだろう。
持った瞬間「軽っ!」「小さっ!」と唸らずにはいられない
早速設営してみる。まず頭側の角2点をペグダウンして、メインポールをスリーブに通し、両端をクリップ式のフックにパチンと固定。あとはテール側へ引っ張って角2点をペグダウン。テールのセンターにフットエンドポールを差し込んで、ガイラインを引いてペグダウン。以上で完了。インナーとフライはあらかじめフックで留まっているので、別々に立てる必要はない。実にものの5分程度で設営できた。慣れればさらに短時間で設営できそうだ。このテント、フライを外してインナーだけで独立して使用することも可能だ。逆にフライだけでの使用も可能だから、究極に軽量化したい人ならそういう選択肢もある。
入り口側のフライを巻き上げた状態。トレッキングポールなどで跳ね上げるのもカッコいいだろう
立ち姿は実に美しい。7デニールで42g/㎡の極薄フライシートは、前方が地面からメインポールに向かってわずかに弧を描きながら立ち上がり、後方は足元側のクリアランスを確保するエンドポールに向けてゆるやかな稜線を作り出している。このテントが森の中に一張り佇んでいたらどんなに美しいだろうと妄想してしまう。さすがは、欧州の権威あるデザインアワード「Red Dor Design Award」のプロダクトデザイン賞を獲得しただけのことはある。
美しいシルエット。同社の「Telemark」の後継ともいえるモデルだが、個人的にはこちらの形の方が好きだ
足元のクリアランスを確保するエンドポール。ここを立ち上げなくても使用可能だが、これがあることで立ち姿はぐっとカッコよくなる
実際に中で寝てみた。フロア長は220㎝あり身長183㎝の筆者が寝ても余裕。インナー内の高さは70㎝なので座ってどうこうという空間ではないのだが、寝た状態で頭まわりは十分なクリアランスがある。片肘ついて横になるぐらいなら快適な空間だ。前室となる空間も十分で、ハイカットの登山靴でもフライに当たることなくおけるし、下が濡れていない状態ならバックパックもおける。ちなみに別売りの2人用インナーに変えることもできるらしい。裏を返せば2人用「Lofoten 2ULW」ともフライは共通ということになる。2ULWにした場合前室を作ることはできなくなるが、寝るだけなら600g以下のテントで2人寝できるというから驚異的だ。
入り口の上部はメッシュ。インナーの横幅は頭側が55cm、メインポールのところが80cm、足元が40cm。フロア面積的には窮屈さは感じなかった
フライとインナーを留める各部には特許出願中の「フレックスロープサスペンションシステム」が採用されている。これは最初何のためにあるかのわからなかったが、中間にあるシリコン製のOリングがあることで、フライが風でたわんだ時や、中の人が動くことでインナーが引っ張られた時にも、それぞれの生地を傷めないような遊びを持たせるシステムのようだ。実に面白い。しかも替えのOリングも付属のリペアキットに含まれているのも安心だ。
フレックスロープサスペンションシステム。この機構により、インナーとフライの接続部に負荷がかからない
しばらく中で仮眠してみたところ、風はほとんど入ってこない。晴天の日中だと暑いくらいだ。さすが北欧テント。登山や高原でのキャンプでも風冷えすることなく快眠できそうだ。
テント泊縦走や、ファストパッキング、山岳レースなどなど、軽さにこだわる方はもちろん、一人用軽量テント萌えのマニアの方にもオススメだ。個人的にも欲しい。本気で欲しい。もちろん私は後者の類だが。
本商品は、Nordisk Online Shop、Noridisk正規取扱店にて近日発売予定。
■ノルディスク/Lofoten 1 ULW
重量:490g(レース用重量:490g/総重量:565g)
フライシート:250×125×80㎝(幅 奥行 高さ)
収納サイズ:11×22㎝(幅 奥行)
素材:100% nylon
耐水圧:フライシート/1,600㎜、グラウンドシート/3,500㎜
付属品:ガイロープ/1.2㎜, Dyneema/Reflective、ポール/ULW Lite Alu, 7.5㎜, 1main pole, 1foot end pole, 1tarp door pole、ペグ/Titanium Tooth Peg, 2g, 5pieces
カラー:Forest Green、Burnet Red
価格:154,000円(税込)
■問い合わせ先
株式会社ノルディスクジャパン
www.nordisk.co.jp