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ハイキングでもフェスでも! カリマーの最軽量レインウェアbeaufort 3Lが使える理由

2017.08.08 Tue

滝沢守生(タキザー) よろず編集制作請負

 これほどまでに実物と、カタログ写真から伝わる印象が違う商品も珍しい。だからこそ、アウトドアグッズは、ウェブでポチるのではなく、実際に手にとって、じっくりと触って、試してから購入したい。

 カリマーの軽量レインウェアbeaufort(ビューフォート)3Lは、まるで上質な絹か和紙を思わせる不思議な質感をもっていた。手に取るとそれは思いのほか柔らかく、肌へのあたりがフワリとしてサラッとしているので、雨天時や行動時の快適性は容易に想像できた。
 さらに、特筆すべきはその軽さとコンパクトさである。数字的なもの(表地12Dナイロン、裏地7D tricot polyester)よりも、実際に付属のスタッフバッグに詰めていくと、あれよあれよとコンパクトになり、まるで握りこぶしのなかに押し込まれていく手品のたぐいを見ているようだ。パンツとジャケットを合わせてもわずか300グラム。重さと大きさも缶ビール1本にも満たない。これならば、いつでもザックの中に入れておいてもまったくストレスにもならないばかりか、自分ならきっと、ザックの中に入れておいたことすら忘れてしまうのではないかと心配にさえなってくる。

 というわけで実際にザックの中に入れ、忘れることなく6月の谷川岳と先月行なわれたフジロックフェスティバルに持って行って使ってみた。あいにくというか、都合良く両方とも雨に降られ、絶好のテストになった。 山小屋から出て、いざ着ようとジャケットを広げると、偶然にも朝のやわらかな光を透かし、羽衣のように見える。縫い目や余計な部材を極力減らしていることが一目瞭然だ。

 レインウェアとしてだけでなく、軽量化を求められるトレイルランニングやファストパッキングなどのアクティビティでは、薄手のウインドシェルとしても使えるだろう。朝は青空が出ていたものの歩き始めると、しだいに雲が広がり、小雨が降ってくる空模様。湿度もそれなりにあったのだが、着心地の軽さと相まって、このくらいの雨量と気温での行動時に着るレインウェアとしては、軽快でちょうど良い。稜線に上がる頃には雨は上がったが、風があったのでそのまま、ウインドジャケットしても着用したのだが、雨具特有のムレもほとんど感じることなくじつに快適だった。(右・左上)フードは深めのつば広だが、視界は妨げない。襟元の高さも首まわりもストレスはない。首元にボタンが付いているので、首元を締めながら、ファスナーを開けることでフロントベンチレーションが行える。後ろのドローコードでフィット感も良い。(右下)ポケットの位置が上で、深さもかなりあるので、使い勝手がいい。パンツは裾にファスナーを使用していないので、かなりタイトなデザイン。トレランやファストパッキングなどにいいだろう。素材には、耐水圧15,000mm、透湿50,000mmを誇るweathertiteを採用。
 フジロックでは、今年3年ぶりぐらいにまとまった雨が降った。ここ数年、雨があまり降らなかったこともあり、お客さんも、雨具を携帯してライブに行くことをついおろそかにしがちだったと思うが、このbeaufort(ビューフォート)3Lであれば、常時、ザックやショルダーバッグに入れて携帯することも全く苦にならない。ジャケットだけでなくパンツもいっしょに持ち歩いても重さを感じることはないだろう。今年のフジロックは久しぶりにまとまった雨が本番中に降った。曇り空の中、いつ降るかわからない雨に備えて、バックパックやショルダーバッグの中に、常時形態しても、この軽さなならあまり気にすることもないだろう。
 フジロックは意外と、歩行距離も長く、ライブによっては、かなり激しく動くこともある。会場の標高はおよそ1000m、雨が降った時と晴れている時の気温差はかなりあるうえ、気象の変化がとても激しい。今回も日中の気温は30度以上、夜になって雨が降ると気温は18度まで下がった。そんな時にこの1枚があるだけで、どれだけ心強かったか。デザインもシンプルでクール。軽いことに加えて、ストレッチ性も高いので、タイトなデザインでも動きを妨げることがほとんどない。かなりのまとまった雨に打たれても、しっかりと耐水性もあり、中は綿のTシャツ1枚であったが、濡れることはもちろんない。ただし、素材の強度という点では、フェスのような広い会場では良いが、これが藪漕ぎを要するようなルートであった場合どこまで、パンツやジャケットがタフに耐えられるのかは、検証できなかった。

 しかし、シーズンや山行形態、または使用目的によって、雨具もさまざまなタイプのものを選んで使用するのがいいだろう。晩秋の氷雨と夏の小雨では、かなりの気象条件に差がある。また標高の高いハードなバリエーションルートと低山ハイクなどでは、求められるスペックがだいぶ違うだろう。そいういう意味でも、カリマーのbeaufort(ビューフォート)3Lは、ぜひ1着、持っていたい雨具であると思う。


beaufort 3L jkt(unisex)
価格:23800円(税別)
サイズ:XS、S、M、L、XL/重量:180g/カラー:チャコール他3色
beaufort 3L patns(unisex)
価格:12900円(税別)
サイズ:XS、S、M、L、XL/重量:120g/カラー:チャコールのみ

【ギアレビュー取材協力:SBA】

滝沢守生(タキザー) よろず編集制作請負

本サイト『Akimama』の配信をはじめ、野外イベントの運営制作を行なう「キャンプよろず相談所」を主宰する株式会社ヨンロクニ代表。学生時代より長年にわたり、国内外で登山活動を展開し、その後、専門出版社である山と溪谷社に入社。『山と溪谷』『Outdoor』『Rock & Snow』などの雑誌や書籍編集に携わった後、独立し、現在に至る。日本山岳会会員。コンサベーション・アライアンス・ジャパン事務局長。

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