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MERRELLの「TETREX」はどんな使い方が適しているのか? カヌーガイドが徹底チェック!!
2018.08.03 Fri
いよいよ発売になったMERRELLの新しいウォーターシューズ「TETREX(テトレックス)」。そのパフォーマンスを正確に知るには、徹底して現場で使い込んでもらうのが一番! というわけで、カヌーガイドの桑野智和さんにレビューをお願いしました。
こんにちは、桑野です。群馬県の菅沼(すげぬま)という国内屈指の透明度を誇る湖で、レイクカヌーのガイドカンパニー「ブルーバードカヌー」を主宰しています。今回は発売前のTETREXを2週間に渡ってお借りし、いろいろな水辺で試してきました。
レビューの目的は、TETREXがどんな使い方に適しているのかを知ることです。シューズとは言え、これも立派なアウトドアギアのひとつ。得意なところはもちろん、不得意なところだってあるはずです。道具である以上、使いみちをきちんと把握しておくことが、楽しく安全なアウトドアに繋がると思っているからです。なので、自分の使い方に合っているかどうかではなく、どう使えばTETREXの良さを実感できるのか。そのあたりを探ってみました。
というわけで仕事に、遊びにといろいろな場所で感じた、「TETREXはこんなところで使いたい! 状況別 BEST 3」です
■1位 SUP
<理由>
アウトソールのグリップがいい
真下に水が抜ける! 驚きの水はけの良さ
中敷きがしっかりしていて足裏感覚が豊か
川でのSUPを楽しむならTETREXはかなり優等生です。アウトソールはデッキとのグリップが良く、足元が安定するので、下半身にしっかりと力を入れることができます。細かな体重移動もスムースで、足元が滑らないということがいかに心地よいか、このTETREXで思い知りました。
とにかくデッキ上のグリップの良さは驚き。なるほど、このアウトソールはこういう素材を掴むために選ばれたんだと納得でした
そしてザブザブ水をかぶっても、スッと切れていく不思議な感覚も秀逸です。インソールには排水用の溝と共に排水用の穴が空いています。そしてインソールを抜いてシューズを透かしてみると、ミッドソールの薄皮一枚向こうにひし形の穴が空いているのがわかります。なんとこのシューズはアウトソールにも排水用の穴が空いていて、立ち姿勢で、しかもインソールに荷重をかけたままでも真下に水が抜けてくれます。この快適さは驚きでした。真下に排水できることで、シューズ内にいつまでも水が溜まってグジュグジュ感を残すことがありません。快適さのレベルがまったく違いました。
このインソールですが、実はちょっと硬めのつくりです。おかげでパドルを扱いながらグッと体重をかけてもたわんだりすることがなく、力をダイレクトに伝えてくれます。さらにシューズの中に余計な水が残らないから足も滑らず、アウトソール自体がしっかりとグリップしてくれます。足裏でSUPの動きを感じ取ることができるため、操船の楽しさも倍増です。
海や川でのSUPは素足でもいいんですが、川の場合は流れがあって落ちると石にぶつかることもしばしば。というわけで、足元は保護するのが大原則です。その意味でもTETREXはSUP用シューズとして、相当いいところにつけてます!
■2位 レイクカヌー
<理由>
水はけが良い
踏ん張りがきく
ウォーターシューズならではの安全性
すいません、足元よりも気持ちのいい風景を優先しちゃいました。が、僕の足元もこの写真に漂う心地よさに包まれています
レイクカヌーでは出艇の際、膝下あたりまで水の中を歩くことになります。そこからカヌーに乗り込んでも、スーッと水が切れていくのがわかるほど。TETREXはインソールにしっかりした溝が切ってあるので、足の裏もへんに濡れ感が残らず、カヌーのシートに座って足を投げ出したときにはもう水が切れているほど。
さらにアウトソールにしっかりとした硬さがあるので、パドリングの際もしっかり踏ん張ることができます。サンダルと違って足全体を包み込む形も、踏ん張りの良さに直結していますし、柔らかいアッパーが自然に足を包み込むのでフィット感は上々。履き心地の良さも付け加えたい長所です。
そして、この足を包み込むことの安全性こそウォーターシューズの大きなメリット。水辺の遊びでは足がふやけてしまうことがあります。すると、ちょっとぶつけただけでもつま先やかかとが切れてしまったりすることもあります。そうしたことがないよう、しっかりつま先までガードできるシューズを履くのはとても良いことだと思います。
カヌー、カヤックにはよくフィットするシューズと感じました。
■3位 湖畔のキャンプ
<理由>
水濡れを気にしないでいい
陸上を歩いても快適
脱ぎ履きが楽
もちろん水はけの良さから、水辺の遊びが想定されますが、オススメは湖畔です。理由は後述。
TETREXはその見た目よりも遥かに快適な歩き心地を与えてくれます。水から上がって、そのまま陸地を歩き回っても何ら問題は感じません。そのままキャンプを楽しんで、車を運転して家に帰ってもいいくらいです。
こうしたウォーターシューズの宿命ですが、水はけをよくしようとするとどうしても隙間が多くなり、細かい砂や砂利が入り込んできます。サンダルならパタパタと煽ってやればすぐに落とせますが、シューズの場合はいちいち脱がないといけません。
が、TETREXは紐ではなくストッパー付きのシューレースタイプ。脱ぐのも履くのも簡単です。砂が入ったと思ったらパッと脱いでサッとはらってスッと履ける。この簡単さは、是非ともウォーターシューズのスタンダードにしてほしいくらいです。
水の中からこうした砂浜まで、シームレスに楽しめるのがTETREXの魅力。砂が入っても脱ぎ履きが簡単なので面倒臭さは最小限!
加えて言うなら歩きやすくて水はけが良くて通気性も抜群。集中豪雨の多い東京の夏は、街中でもこれでいいんじゃない?とさえ思っています。
<まとめ>
驚くほどの水はけの良さ、パドルスポーツとの相性の良さ、履き心地の軽さと快適さ、そして脱ぎ履きの簡単さなど、多くの面で非常に魅力的なシューズです。今回のようなレイクカヤックや比較的穏やかな状況でのSUPなら、アクティビティをバッチリサポートしてくれる秀逸のギアになるでしょう。
とは言え、やはり注意も必要。ウォーターシューズだからどんな状況でも安心というわけではなく、苔むした丸石などはやはり足運びに注意が必要です。が、そういった状況に踏み入るときには、それなりの準備もしているはず。何よりも水を気にせずじゃぶじゃぶ遊んで、そのまま陸上もスタスタ歩くことができる。その自然な履き心地には感心しました。TETREXは快適な陸上性能を持った、新感覚のウォーターシューズと言えそうです!
(聞き書き=林 拓郎)
桑野智和(くわのともかず) フォトグラファー、尾瀬認定ガイド、カヌーガイド。「KUWAPHOTO.COM」のクレジットで知られるカメラマン。コンテストからバックカントリーまでさまざまなスキー・スノーボードシーンを捉え、多くの専門誌を飾ってきた。同時に、尾瀬の魅力に取り憑かれてガイドとなり、水の心地よさにひかれて「ブルーバードカヌー」を主宰。撮って歩いて漕いでとマルチに活躍中。http://kuwaphoto.com/ |
<Akimama過去記事>
水が気にならない! 求められる条件を高いレベルでクリアしたMERRELLの高性能ウォーターシューズ「TETREX」
https://www.a-kimama.com/dougu/2018/05/80120/
TETREXについての詳細はこちらへ
MERRELL
https://www.merrell.jp