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【毎日コフラン】がパワーアップして帰って来た!! 名付けて“THE COGHLAN’S CAMP”—前編—
2019.08.29 Thu
アウトドア好きにとっては身近にあって当たり前のモノ、しぜんに在り過ぎて気にも止めなかったモノ。そして、 雑誌の特集なんかでは決して注目されることのないモノ。それが、コフランの実態なのかもしれない。でも、敢えてやろう!! と、そんなノリから始まったAkimamaの特集企画【毎日コフラン】。でも、それだけでは終わらない。いや、終われないのがコフランの奥深さ。いざ、コフランキャンプへ
「思い切って、コフランだけを使ったキャンプをしてみようじゃないか!!!」
ある日、編集部内でそんな声が上がった。ある意味、業界内での注目度のほうが高かったかもしれない、レアな用具企画【毎日コフラン】の振り返りミーティングをしていたときだった。ここまでやったんだから、どうせならもっとやってしまえ!!! とばかりに悪ノリをした先に行き着いたひとつの答え。
「やるなら、とことんやるべきでしょう」
「コフラン縛りで、あの3人に朝まで過ごしてもらいましょう!」
「チープな一夜になるか、ディープな一夜になるか、ちょっとおもしろそうですね」
と、まぁ企画というのはたいてい、こんな具合で生まれるものでして。それにしても、この企画に一も二もなくGoを出してくれたエイアンドエフの懐の深さとは、なんと果てないことか。これはおそらく、Akimamaとエイアンドエフとあの3人にしかできない捨て身の企画。題して、コフランキャンプ! 横文字で“THE COGHLAN’S CAMP”としたほうがかっこいいのかな?
ところで「あの3人」が気になりますよね。ではさっそく、登場してもらいましょう! と、言いたいところですが、もうちょっと先延ばし。ここはまず「コフランキャンプ」の説明から。
ルールは簡単、
ここにあるコフラン商品を使って、一夜を明かせ!!
と、いたって明快。でも、企画にもう少し深みを持たせるべく、以下の「但し書き」を加えておこう。
【但し:】
・寝袋とマット、ヘッドランプは持参可。
・共用品のコーナーあり。
・食材はここにあるモノのみを使うべし。
・川で冷えたビールは飲み放題!
・自前のコフラン商品があるなら、持って来てもいいよ〜。
・トレード可。
コフランキャンプの主役ともいえるアイテムの数々。3人はここから10個ずつを選び出し、一夜を過ごす。ひとりカワイイのがいますが、さて、だれのムスコさんかなー!?左)キャンプを実践する上で必要なギア類は共用品として使ってよし! というルールに。ナイフ類や革手袋、そして薪。どれもコフランにはラインナップされていないものばかり。右)もちろん、キャンプには欠かせないアルコール類もたんまり。廻り目平の冷たい沢水でキンキンに冷やしておきました! でも、栓抜きにコルク抜きが必要かもね。簡単には飲ませません(笑
用意したコフランを使って、快適な宿をつくり、おいしいご飯を食べる。ただそれだけのことを、クソ真面目にやってのける。これは、真剣であれば真剣であるほどおもしろくなるはず。だって、コフランの真髄は、
「一見馬鹿げているように見えるけれど、使ってみるとう〜んと唸らせるド・真剣なモノづくり」
にあるのだから。コフランキャンプを掲げるならば、こちらも真剣にならねばコフランに失礼にあたってしまう。あの3人なら、安心だ。業界を代表するこのブランドに向かって、無体なことはしないはず。だって、あの3人なのだから!
お待たせしました! 今回のメンバーを紹介しましょう!!
ビールやワインが川で冷えてますよ! なんて伝えてみたら、数分後にはこの状態に。ジュンさん、歯が欠けるって!
林 拓郎、森山伸也、そしてホーボージュン。業界を代表するアウトドアライター陣なだけに、もちろん快くこの企画を受け入れてくれました! と、言いたかったのだけど……。
「おい、なんだよこの企画。意味がわかんね」
「これ、オレにやらせるのかよ」
「企画の落としどころはどこにあるんですか」
「バーカ、バーカ」
と、企画の説明も終わらないうちに言いたい放題。ふだんアウトドアライターが3人も集まって展開する企画なんてそうそうないものだから、不安と不満と喜びと嬉しさとが相まってなのか、ここぞとばかりに編集者を袋叩きにするのです! この人たちはこういう人だぁ、と声を大にして叫びつつ、いやこれも「愛」の裏返しなんだと自分に言い聞かせる。そう、愛なんです。愛あればこそ、この企画は成功するはず。コフランへの愛。コフラン愛だ!
ということで、現場にたどり着いた3人は、なぜかノリノリ(じつはやりたかったんでしょ!)。大真面目にコフランへの愛を表現してくれました。動画でどうぞ!
「あなたにとってコフランとは? 愛を込めて15秒以内でお答えください」
→林 拓郎
現役ライターでありながら北海道東川町でアウトドアショップ「トランジット東川」を経営。店でもコフランを扱っているため、人一倍のコフラン愛と知識を引っさげ参上した。動画を見てわかるとおり「いちばんしっかり」しており、コメントには非の打ちどころもない。しかしこの企画、真面目すぎてもおもしろくないが、さてどうなる!?
→森山伸也
「コフランとは 無意識のうちに気づいたら 自分の身の回りにたくさんある そんなアウトドアブランドです」って、15秒ピッタリ。さすがライター! 「毎日コフラン」では、クーラードライにタープクリップ、ワイアーソー704をピックアップしてましたね。今回はどんなアイテムを選ぶのかな!?
→ホーボージュン
令和元年のアジア旅「ブータン編」も好調。「毎日コフラン」では改めてコフランのプリミティブな道具たちに触れ、昭和に少年時代を過ごした“オトコの血”が騒いだ模様。道具の不足を知恵と技術で補うサバイバルキャンプや冒険キャンプは、いわば原点、お手のもの。ブーブー文句を言いながら、いちばん楽しんだのはたぶんこの人。
「さぁ、3人のコフラン愛を確認したところで、
いよいよコフランキャンプのスタートです!
ついさっきまでジャレ合っていた3人だが、芝生の上に並べられたコフランアイテムを目にした途端、しばし無言となった。すでに闘いの火蓋は切られているようだ。モノ選びの眼差しは真剣そのもの。それもそのはず。手にするアイテムによって、これから明日の朝までの人生が決まってしまうのだから! って、大げさすぎるでしょ。
大の大人3人が、まさにマンガのごとき展開を披露してくれた。たかがじゃんけんなのに、本気も本気。まったく容赦なく、相手の腹を探り合いながらの用具選びとなった。って、ジュンさん、なんでバケツに入ってんの!? それもコフランアイテムでしょ。選んでないもので遊ばない!!
拓郎さん、ジュンさんがパー、伸也がグー。うぉ〜っと頭を抱える伸也。ガッツポーズのジュンさん。パーの手に勝ち誇る拓郎さん。ここはまず後輩ライターから引きずり下ろす作戦か。年長のふたりは容赦ない。
そして第2回戦。ジュンさんがパー、拓郎さんがチョキだ! ここは年齢順に勝者が決まったようだ。以降、この順番で10回分のモノ選びを進めることとする。
最初に拓郎さんが選んだアイテムはフライパンとして使えるホットサンドクッカー。食から充実させる作戦だ。「ふたりの食事をわびしいものにしてやろう!」と数少ないクッカーから、さらにキャンプクッカーをゲット。やはり、相手の動きを封じるのが狙いだ。そして、トライポッドグリルもゲットしていく。寝床はハンモックをチョイス。撥水生地のピクニックブランケットが屋根となるのだろう。そして最後に選んだのは、キャンピングミラー。これはなにに使うつもりなのか!?
伸也が最初に選んだのは、モスキートネット。なるほど、宿の本体はカヤですな。続いて選び出したのは、なんとポンチョ。ポンチョを着てモスキートネットで眠る作戦か!? そして、タープクリップにクローズラインと手堅いモノ選び。でも、テーブルクロスウェイト……!? いったいどこへ向かっているのだろうかと、このあとの展開に広がる期待と不安
さっきまでのおふざけモードはどこへやら。チューブテントにポリコード、エマージェンシーブランケットと、直球ど真ん中、王道、教科書的なモノ選びをするオトコの中のオトコ。マジメか! ジュンさん、もう少し場の空気、読んでよね。って、読むわけないか。オトコの中のオトコだし
いやはや大人気ない。モノの選び出しは順調に進んでいるようにも思えたものの、各人の作戦がけっこうエゲツなかったりもする。トレードありのルールを狙ってか、相手の選び出しを妨害する行為も! でも、編集者目線では、意外と嬉しい。この3人がここまでのド正直なバトルを展開してくれるなんて。
三者三様、みんなが選び出したものは?
林 拓郎の選び出しアイテム
ホットサンドクッカーにキャンプクッカー、トライポッドグリル、ファイヤースターター、フォールドカップ、ハンモック、ピクニックブランケット、ランドリーリール、タープクリップ、キャンピングミラーの10アイテム。あとは自前のマットにヘッドライト、そして寝袋はコクーンの防虫加工されたInsect shieldトラベルシーツというから驚き。すでに虫への対策まで考えていたなんて。でも、薄そうですよね、それ。夏といっても標高1,500mのキャンプ場で眠れるの!? 寒くない??
森山伸也の選び出しアイテム
ブロイラーにエッグホルダー、フォールディングトースター、テーブルクロスウェイト、タープクリップ、モスキートネット、クローズライン、エクスパンダーペグ、ポンチョ、防水マッチの10アイテム。そのほか、「毎日コフラン」で紹介したクーラードライにタープクリップも自前品として持参。あとは、寝袋とマットとヘッドランプ。これだけで本当に朝まで「快適に」過ごせるのかな。お〜い、伸也。大丈夫か〜
ホーボージュンの選び出しアイテム
チューブテント、ポリコード、エマージェンシーブランケット、GIカンオープナー、コラプシブルカップ、ABSテントペグ、ツイストアンカー、トローウェル、テレスコーピングフォーク、パックグリル。「住」は安心感ある選択。「食」は焚き火頼みか。ちなみに、寝袋はモンベルのダウンハガー#3、マットはフカフカなニーモのトゥオ(廃番)で寝床は超快適。ヘッドランプはレッドレンザーの1,000ルーメンって、夜なにするの?
お天道様は人間をよく見ている。商品のピックアップも終わり、いざ、作業に取り掛かろうとしたその矢先に……。
思いがけない大雨にテンションハイマックスのジュンさん。うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!
なんてことだ! さっきまであんなに晴れていたのにこのドシャ降り。でもこの時間を有効に使う人とムダに使ってしまう人はいるようでして……。
この人たちはぜったいに日々の行ないがよくないんだ! なぜこのタイミングで!? と、思えるほどのジャストミートで大雨に。拓郎さんと伸也はいそいそと自分用の薪を回収。でも、ジュンさんは乗り遅れ……と思ったら、伸也がポンチョの下に隠した薪を見つけ、そのポンチョを剥がす暴挙に出た! せっかく選んだコフランアイテムはあたり一面に散らばり、叩きつける雨に一瞬でずぶ濡れに。もちろん、薪もグッショリ。やけくそになったジュンさんはそのまま川へ。ビール取りに行ったんでしょうね。ぜったい
このヤケクソ具合が最高でしょ。奪い取った伸也のポンチョを被り、池となってしまったサイトに座り込む始末。もはや雨神様のよう。で、とてつもなくいい笑顔伸也がふと気づく。「ん!? ジュンさん、ポンチョ切れちゃってません?」あまりに悲惨で微笑ましいこの展開に、編集チームから差し出されたのはコフランのソーイングセット。伸也、黙々とポンチョのホツレを繕い直す。そして、まだ勝負は始まったばかり……
一体全体、大丈夫なのだろうか、この先? 多大なる不安を抱えながら、コフランキャンプの核心部は次回に続く。
to be continued.
【出演=林 拓郎、ホーボージュン、森山伸也】
【取材協力=エイアンドエフ】
【編集・文=宮川 哲/森山伸也担当+地の文、伊藤俊明/ホーボージュン担当、河津慶祐/林 拓郎担当 写真=sumi☆photo】
後編はこちら↓
【毎日コフラン】がパワーアップして帰って来た!! 名付けて“THE COGHLAN’S CAMP”—後編—