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OutdoorResearchがマスクを発売。アウトドアブランドらしく、機能性と装着感を追求

2020.09.25 Fri

林 拓郎 アウトドアライター、フォトグラファー、編集者

 アドベンチャーから生まれるさまざまな要求に前衛的な技術力で応えるユニークなアウトドブランド「アウトドアリサーチ(OutdoorResearch 以下OR)」から、新型コロナウイルスを見据えたマスクが発売になります。

 ORは2020年初頭からの新型コロナウイルス蔓延にあたって、130人以上のスタッフでサージカルマスクのスペシャルチームを編成。公衆衛生に役立つマスクを製造するために、アメリカのワシントン州シアトルにある本社付属の製造工場のうち2フロアをマスクの開発と生産に費やすなど、そのリソースを積極的に投入してきました。

 もともとORはアメリカのミリタリー関係にもウエアや手袋などを供給。こうしたミリタリースペックの製品は、有事の際にも国内で製造ラインを完結させることが必要になります。新型コロナウイルスの影響によってさまざまな国との貿易さえ止まる状況の中、わずか5ヶ月で優れた機能性を示すマスクの製造と市販に漕ぎ着けることができた背景には、こうした自社生産力の高さがあったからなのです。

 またORは軍やレスキューチームからの要望に応じた医療用マスクも手掛けており、医療用マスクにどんな仕様が求められるかを摑んではいました。が、ここまでのパンデミックを予想したことはなく、これほど多量のサージカルマスクを米国内で生産することは考えてはいなかったそうです。しかし、数ヶ月にも及ぶリサーチと開発によって、ORのマスクは優れた機能性を発揮することを確認。米国疾病管理予防センター (CDC) の一部門である米国労働衛生安全衛生研究所の認可を取得すると同時に、パンデミックにあたって急遽定められた、公衆衛生上の緊急時に必要とされる主要製品に与えられる米国食品医薬品局緊急使用認可も得ることができました。

 これはORのマスクが単に口を覆う布ではなく、自分自身と周囲の人を感染から守る、公衆衛生上の個人用保護具として承認されたということ。一言でいえば、アウトドアブランドが本気になって、きちんと医療的な効果のあるマスクを作り上げたということです。

 こうした医療用マスクのノウハウをいかして、ORでは一般消費者に向けにも高性能マスクを開発しました。このマスクはすでにアメリカ国内でも流通し始めていますが、その機能性や使いやすさなどが評価され、各国への輸出も始まっています。この流れを受けて日本でも10月中旬(予定)から販売が始まることになりました。

「エッシェンシャル・フェイスマスク・キット」と名付けられたこのマスクの特徴は大きく5つあります。順を追って見ていきましょう。

 

1)キットはフェイスマスクとエッセンシャルマスクフィルターのセット
 ジッパー付きの収納ポーチにはフェイスマスクとマスクフィルター3枚パックが含まれています。この収納ポーチは密封が可能で、予備のマスクフィルターをストックしておく際にも役立ちます。マスクとフィルターは二つ折りになっており、広げると立体的な形で展開。適度な空間を保持しながら口と鼻とを覆うので、息苦しさや喋りにくさは大きく軽減されています。マスクの内側にはポケットが設けられており、両端を差し込むことでフィルターを固定。マスクの通気性をフィルターよりも大きくすることで、呼気がスムースにフィルターを通過するようにデザインされています。

 

2)完全にカスタマイズ可能なフィット性
 長時間の装着でも耳の裏が痛くならないよう、イヤーループはストッパーによって調節可能。またノーズワイヤーは厚みのある板状の金具を長めにセットすることで、好みの形状を長時間維持することができるよう配慮されています。おかげで鼻の横の凹みや頬の丸みにもピッタリとフィット。呼気の漏れを防ぎ、眼鏡も曇りにくくなっています。

 

3)マスク自体にHEIQ V-BLOCK®を採用
 フェイスマスク本体に「HEIQ V-BLOCK® NPJ03(ハイキュー ブイブロック エヌピージェイゼロスリー)」を採用。「HEIQ V-BLOCK® 」はスイスのHEIQ(ハイキュー)社で開発された繊維コーティング技術です。米国試験材料協会の試験でもウイルスとバクテリアに対して、その99.99%を減少させる高い抗ウイルス効果が確認されています。ORでは2019年からHEIQ社の持つ防臭技術「ActiveFresh」や冷感接触技術「ActiveTemp」などを採用しており、早くからこの抗ウイルスコーティングにも注目していました。

 

4)マスクは速乾性に優れ、撥水加工済み
 通気性に優れるマスクはポリエステル素材を使用しており、速乾性と吸湿性を備えています。また表面には撥水性を備えることで汚れの付着を防ぐと同時に、わずかな水で効率よく汚れを洗い落とすことができます。なおマスクは洗濯も可能。マスク自体は10000回程度の摩耗テストにも負けない耐久性を備えていますが、「HEIQ V-BLOCK® NPJ03」は洗濯30回程度から徐々に衰え始めます。

 

5)フィルターは高効率&ロングライフ
 エッセンシャルマスクフィルターはウイルスとバクテリアの95%以上をろ過する事が可能となっており、マスクと併用することで感染リスクを低減させることが期待されています。このフィルターは使い捨てですが、5〜7日程度の着用日数を想定しています。とは言え、もしも一日8時間以上マスクを着用して仕事をする人や、暑い地域に住んでいる人はより頻繁な交換を心がけたほうが良いとされています。エッセンシャルマスクフィルターは3枚入り600円(税別)で追加購入が可能です。

 

 マスクのサイズ感をつかんで頂くために、装着状態の写真も添えておきますね。
実際に使ってみると、まずはそのしっかりしたフィット感に感動することになります。これまで使っていた使い捨ての不織布マスクとは違うしっかりした作りは、さすが機能と使い心地を重視するアウトドアブランド。アゴから鼻にかけてを広く覆って呼気を漏らさない密着感は心地よく、大きな安心感を抱くことができます。また立体的な構造が口の周辺にじゅうぶんな空間を作ってくれており、喋りにくさなどはまったくありません。特筆すべきはイヤーループの調整機能。この小さなスライダーが、長時間装着したときの耳の痛さや、メガネとの干渉といった不快感を一気に解決してくれます。収納性も折りたたむだけなので、バッグやポケットにしまう際も簡単です。

 新型コロナウイルスの蔓延によって僕らの生活は一変しました。今やマスクはさまざまなコミュニティーの中でエチケットして求められる装備となっています。が、その本質は感染拡大防止です。であるなら、マスクとしての機能性をないがしろにするわけにはいきません。一時期のマスク不足もほぼ解消し、ある程度の数と種類が行き渡ってきた今だからこそ、何のためにマスクをするのか、をもう一度考えたいと思っています。

 

■OutdoorResearch エッセンシャルマスクキット
キット内容:マスク本体1枚+エッセンシャルマスクフィルター3枚 シール式ポーチ入り
マスク素材:ポリエステル100%、抗ウイルス性コーティング「HEIQ V-BLOCK® NPJ03」処理済み
調整機構:イヤーループにコードロック、鼻部にワイヤーを内蔵
カラー:ホワイト、グレー、フォリッジ
価格:2,200円(税別)

■OutdoorResearch エッセンシャルマスク交換用フィルター
内容:エッセンシャルマスクフィルター3枚
価格:600円(税別)

 

製品に関しての詳細はこちらへ
OutdoorResearch
https://www.aandfstore.com/store/brand/0/100090/



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