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旅心、野営心をくすぐるオトナの秘密基地。パーゴワークスの新作「ニンジャシェルター」を実戦投入

2021.05.07 Fri

渡辺信吾 アウトドア系野良ライター

 Paago Works(パーゴワークス)のプロダクツには、なぜだか心を鷲づかみにされる。コンセプト、デザイン、ネーミング、ギミック……、いろんな角度から私のすけべ心にウインクしてくる。そしてまた、新作のシェルターにまんまとハマった私がいる。

 張り方次第で変幻自在に形を変えるニンジャタープが発売されたのが、たしか2015年。その後、2017年にニンジャタープと組み合わせて使用できるニンジャネストが発売され、私はその際にこのふたつをまとめて購入したのだった。

 ニンジャタープとニンジャネスト、買った当初は先発ローテーション入りしていたのだが、ついつい他の自立式のドームテントの手軽さに押され、しばらくローテーションから外れていた。しかし最近、自転車で行くキャンプに目覚めてから、再度先発入り。昨年の夏から秋は結構活躍してくれていた。

 そんな2020年の10月。つくばで開催されたBIKE & CAMPというイベントで展示されていた新作「ニンジャシェルター」に出会った。2ポールのフロアレスシェルター。出会った瞬間からかなり心惹かれた。

昨年10月のBIKE & CAMPで展示されていたニンジャシェルター。自転車のトップチューブに装着したさまもかっこいい

 個人的に2ポールシェルターの形状が好きだ。すでに廃盤だがMSRのトレッカータープを初めて見たとき一瞬で恋に落ちた。以来、2ポールシェルターが好きだ。ニンジャシェルターに惹かれたのもその恋心の延長線にあるのかもしれない。シンプルなAフレームの構造も美しいし、片側の面を跳ね上げて庇(ひさし)を作るかんじは、どこかしら子どもの頃、竹藪の中に笹とゴザで作った秘密基地の記憶とリンクして、鼻の奥がツンとする。

 かなり気になったので、その場でパーゴワークスの代表兼デザイナーの斎藤徹さんにお話を聞いていると、構造やギミック、そしてニンジャネストとの組み合わせもできるように設計されていることなど、聞けば聞くほど購買意欲が高まった。10月の時点で「買い!」と心のウィッシュリストに登録。11月末の発売と同時にゲット。「さっそくキャンプに」と思いつつも、なかなか行く機会に恵まれず、先日ようやく実戦投入できたので紹介しようと思う。

 まず収納状態が面白い。中央に畳んだ状態のシェルターを入れて、両橋にポールやペグなどを入れて、クルクルっと巻いてバックルで留めるという方式。しかも広げた時に組み立て方法の図解が描かれている。まるで忍法帖? 遊び心と機能性を兼ね備えた演出だ。斎藤さんによると、自転車のトップチューブに巻きつけて運ぶことも想定しているらしい。

まるで忍法帖? 設営マニュアルを兼ねた収納用スタッフバッグ

内容物は幕本体、メインポール2本、アルミペグ8本、ガイドテープ1本、ガイライン4本

 付属のガイドテープという長さ2.5mのベルトを使って、2.5m四方の正方形を作り、その四隅にペグを打つことから始まる。

 簡単なことのように思えるが、実は正方形を作るためにはきちんと四隅が直角になっていることが重要。でないと平行四辺形になってしまうので要注意だ。私はペグを使って直角の目安を作ったが、他に良い方法があれば教えてほしい。

直角出しが少しむずかしい。直角になっていないと正方形にならないので最後のペグ位置がずれる。何かいい方法がないものか

 四隅にペグが打てたら、そこにシェルターの四隅にセットされたガイラインをひっかける。

 2本のメインポールを140cmの高さにセットして、ふたつの頂点部の内側にあるグロメットに挿してから立ち上げる。

中に潜らなくても、頂点側のファスナーを少し開いてポールを差し込み、グロメットにセットできる

 ちなみに、2本のメインポールは120cmから140cmまで5cm間隔で伸縮する。

 この時点である程度自立するが、正面から見て両サイドの中央をペグダウンして、各箇所適度にテンションをかけると美しいシェルターが立ち上がる。

 うん、いいかんじ。できたぜ、オレの秘密基地。

夏場はスカートを巻き上げて通気性を確保。冬場は、ポールを低くしてスカートを地べたに広げると隙間風を防げる

 一般的な2ポールシェルターと見た目が異なるのは各辺にスカートがあり地面から20cmほどの位置までがほぼ垂直に立ち上がる形状となることだ。このスカートは、内側に巻き上げてフックで固定できるようになっており、下部からの通気性を確保できる。逆に寒い時期には、メインポールの高さを下げることでスカートが地面にベタ付きになるので隙間風を軽減できる。

別売のニンジャスティックで、フロント側のフラップを跳ね上げたところ

 別売のニンジャスティックもあわせて購入しておいた。これは、シェルターに付属のメインポールと同様の120cmから140cmまで伸縮可能な軽量ポール。重量は1本わずか142gだ。付属のメインポールよりは若干細い仕様となっている。これを使って、片側のフラップを跳ね上げるという使い方ができる。このポールは、このシェルター専用というわけではないので、既存のニンジャタープや、ほかの小型タープなどと一緒に使うのもいいだろう。実は130cm前後の伸縮式軽量ポールはありそうであまりなかった。このサイズのポールはトレッキングポールで代用することが多いが、軽量化したい自転車キャンプにわざわざトレッキングポールを持って行くのも違うと思っていたので、このポールを見たときには、「まさにこんなポールがほしかった!」と同時購入を決めた。

オーソドックスなGIコットがメインポールの間にぴったり収まる

 中にコットを入れてみた。メインポールの感覚は約2m弱。全長190cmのGIコットがピッタリ収まる。ただし背の高いコットにすると、せっかくの上部クリアランスが半減してしまう。座った状態で天井に頭がついてしまうので、コットを使用するならローコットがおすすめだ。軽量で行きたいときは地べたにシート&マットで使いたい。

ニンジャネストをセットしたところ。シワシワですみません

 もちろんニンジャネストを入れても使える。別の日に、ニンジャネストをセットしてみた。言うまでもなくピッタリ。要所に配置されたフック類もネストの使用を想定されているので解説など見なくとも直感的にインストールできるようになっている。

 まだ使い始めたばかりなので、十分に使いこなしているとは言えないが、あんな使い方、こんな使い方と妄想が膨らむ。そろそろ自転車キャンプにもいい季節になってきた。まずは愛車のグラベルロードに積んでソロツーリングにでも出かけようか。

PAAGO WORKS NINJA SHELTER ニンジャシェルター
価格:41,800円(税込)
付属品:収納スタッフバッグ、ポール2本、ペグ8本、ガイライン4本、ガイドテープ1本
サイズ:380X220X140cm
最小重量:1150g (本体とポール2本)
最大重量:1600g
定員:3名
シーズン:3シーズン
素材:20Dポリエステル (シリコン/PUコーティング)
カラー:ダークグレー

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