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ロープライス&カラフルなご機嫌サングラス「DANG SHADES」の原動力は情熱 !? 〜クリス・ベレスフォード インタビュー 2/3〜
2013.05.01 Wed
林 拓郎 アウトドアライター、フォトグラファー、編集者
え! これが3,885円なの? しかもカラーバリーション多い!! って、お値段以上のクォリティと予想を裏切るカラフルさで夏のストリートからフィールドまで完全ジャックの勢いを見せつつあるご機嫌なサングラス「DANG SHADES(ダン・シェーディーズ)」のシャチョーさんが来日、ってことでお話し聞きに行ってみました。さぞやキレッキレのビジネスマンかと思っていたら、すごく気のいい27歳のにーちゃんでしたよ。
前回までのお話し:第1回へ
■情熱こそが夢を叶える
ーいろんな製品のことでアイデアを思いつく人は多いけど、形にできる人は少ないと思うんだよ。クリスはなぜそれを商品にできたの?
「情熱、かな。自分が思い描いたサングラスがほしかったから、いろんなことを試したよ。最初はちょっと不安だったんだけど、DANG SHADESが半分くらいまでできあがった頃に、やっぱりこれは自分のやりたいことだ!って強く確信した。で、持ってたお金を全部注ぎ込んだ。希望を持ってね。これは人生をかけるに値することだって思ったしね。おかげでDANG SHADESができあがったときには、手元にはほとんどお金は残ってなかったけど」
ービジネスについて勉強したことはあったの?
「2年間、カレッジでマーケティングの勉強はしてたよ。でも学校で勉強したことはあんまり役に立たなかったから、会社のおこし方はイチから我流で勉強した感じ」
ー会社をおこしてみてどうだった?
「大変だったね。ホントにやらなくちゃいけない事がたくさんあって、アタマがおかしくなるかと思うくらい大変だった」
ー難しいことだった?
「そうだね。だけど特別なこととは思わない。まぁラッキーに助けられたことはたくさんあったけど、一生懸命やれば誰にでもできることなんじゃないかと思う」
ー会社をおこそうとして、挫折する人もいるけど。
「そういう人は途中で諦めちゃうんだと思う。100%に達する前に、これでいいやって妥協したり、休んだり、目標を低く設定しなおしたり。僕にはそうする余裕もなかったんだよ。プロスノーボーダーだけど、まだそんなに稼げてるわけじゃないしね。将来のことを考えたら、別の仕事を持つのは自然なことだと思う。だったら自分の今までの経験や好きなことをいかせた方がいいからね」
■小さな会社だからこの値段が実現できる
ーDANG SHADESのフレームデザインは誰がしたの?
「僕だよ。僕がデザインして、色も僕が決めてる」
ークラシックでステキなデザインだよね。
「ありがとう。デザインしたのは2005年かな」
ー2005年頃、このデザインはメインストリームじゃなかったでしょ?
「あの頃の流行はもっとシャープで顔に貼り付くようなサングラス。こんなクラシックな形のフレームは全然人気じゃなかったけど、僕はこっちの方がいいと思ってた。形はクラシックで、派手な色を入れてやればオシャレにオールドスクールを楽しめる。誰にでも似合うデザインだと思うよ」
ーDANG SHADESはこの価格帯を切りひらいた最初のブランドだよね?
「そうだと思うよ」
ーそのことについてどう思う?
「すごく難しいことを最初にやってのけたっていうことの証明でもあると思うよ。だから僕らはDANG SHADESっていうブランドに、とても誇りを感じてる」
ーこの値段をキープするのは大変?
「ものすごくね(笑) 工場からは常に値上げの要求が来るし、税金も高くなってコストは上がり続ける。けど、値段を高くするとDANG SHADESの意味がないからね。値段は上げないようにしてるよ。まぁDANG SHADESは小さな会社だからね。もっと会社が大きくなれば経費もかかって、値段も変わるかも知れないけど。今のところスタッフは僕を含めて二人しかいない。人件費はほとんどかかってないのはラッキーかな」
ー会社は二人なの?
「そうだよ。僕ともう一人はマイク・リー。マイクは受注と出荷を受け持ってる。あとは全部僕がやってるよ。マイクは僕がスノーボードショップでバイトしてたときの店長なんだよ」
ーへぇ~~。それはマサチューセッツで?
「そうだよ。FATTRAX(ファットトラックス)っていうショップだったんだけどね。今じゃFATTRAXは僕のスポンサーでもあるから、不思議な縁が続いてるよね」
(つづく)
取材協力/スパッチオ・モリヤマスポーツ、ビジュアライズイメージ、DANG SHADES