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麦わら帽子にも産地があった!老舗帽子屋が作る「たためる天然素材帽子」
2016.03.30 Wed
夏の定番アイテムといえば、麦わら帽子。便利な実用品としてだけではなく、いまやファッションアイテムとしても取り入れられている。かぶると、い草の香りがふんわりとして、なんともさわやか。通気性よく頭部がつねに涼しいのが麦わら帽子のいいところ。
しかし、カバンにしまったりできないのが、少し不便だなと感じることもしばしば。たためたらいいのに…と思ったことはないだろうか。そんな麦わら帽子愛好家のみなさんに朗報!たためる帽子があった。
天然カンピ ポークパイハット 6,500円+税。カンカン帽のようなスタイル。ポークパイ(肉入りパイ)の形に似ているので、ポークパイハットというそうな。
天然カンピ 中折れハット 6,500円+税。カチッとした形が、正装にもOK。老若男女を選ばない定番スタイルだ。
それが、創業明治13年の老舗帽子屋「田中帽子店」が作る天然カンピを使用した帽子。つばの先部分に形状記憶素材ポリワイヤーが縫い込まれているので、小さく丸めて持ち歩きができる。ベテランの職人が丹精込めて作り上げた帽子だ。
田中帽子店は、埼玉県春日部市にある。なんでも、麦わら帽子は春日部市の伝統工芸で、埼玉県と岡山県が二大産地だそう。
たたんでまるめて、革ベルトでとめれば、この通り。かぶるときは、ツバを整えればOK。シーズンオフや、タンスにしまう際は折りたたまない状態で保管。長期たたんだ状態にするとゆがんでしまうとのこと。
ちょっと歴史をひもといてみよう。春日部市は、米や麦の生産地として古くから栄えてきた。農家の多くは、麦わらを平たくつぶし、真田紐のように編んだ「麦わら真田」作りを副業としていたという。いつしかこの麦わら真田で帽子を作るようになり、それが春日部の麦わら帽子のはじまりだそうだ。明治25年には、専用機械を導入し生産量があがっていった。
こちらの職人の作業風景。ヒモ状の麦わらを専用のミシンに入れている、これが真田だ。
麦わら帽子に産地があったなんて…。街中には安い輸入品も多くあるが、こうした職人の手で作られるものを長く大事に使っていきたいものだ。メイド・イン・ジャパン、確かな物づくりが生きている。
田中帽子店(オンラインショップもあり) http://tanaka-hat.jp/