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野外フェスの到来を告げるフリーフェス春風が、今年も代々木公園で開催!
2016.03.26 Sat
菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん ライター、編集者、DJ
代々木公園で2009年から開催を続けているフリーフェス『Spring Love 春風』。今年も、桜が満開であるだろう4月第1週の週末に開催される。なぜフリーでフェスを続けるのか、『春風』がめざすものは何なのかを、オーガナイザーの稲田英昭さんと和田明咲子さんに聞いた。
—— 今年も『春風』の季節がやってきました。90年代にスタートして、2000年代に入って、しばらく開催が見送られていました。2009年に復活したのですが、再び開催しようとした思いとは?
もともと『Spring Love 春風』は『春風』という名称でスタートしました。『春風』は野外フェスティバルやパーティーを制作するエンジニアや制作スタッフたちのプライベートで「楽しむ」代々木公園の花見の宴でした。そして1997年にこの『春風』メンバーで、『温暖化防止京都会議』を支援するために行われた、渋谷、原宿のメインストリートをトラックの荷台にDJブースを組みパレードする『レインボーパレード』を制作しました。これをきっかけに1998年の春、代々木公園B地区(NHKホール横のステージがあるエリア)に、エコロジー精神に賛同する仲間やアーティストたちといっしょに、スピーカーなどの音響機材、お酒や食事などを持ち込み、「音楽とアート」を愛する人々に声をかけ、みんなで「大きな花見の宴」を楽しみました。これが現在の『Spring Love 春風』の起源です。
『春風』は2001年諸事情によって活動を停止しましたが、数年のブランクを経て2009年『Spring Love 春風』として再開しました。その理由はただひとつ、もう一度、以前の『春風』のように春の代々木公園でフリーパーティーを「楽しみたい」と思ったからです。
そしてこの大きな花見の宴を続けていけば、音楽やアート、フェスティバルなどの日本のユースカルチャー(若者文化)世界に向けて発信できると考えたからです。
—— 『春風』では毎年テーマが掲げられています。今年のテーマは?
「花見、踊り、愛」です。『春風』の発祥は「お花見」からでした。その原点を思い出し、この素晴らしき季節に皆で集い、共にお花見する。そして『踊る』ことで自分を開放し、自分と出会い、人と出会い、様々なライフスタイルを目にすることで、自分の表現をみつけていく。さらに「愛」は、『春風』の空間も含め、そこにある全てを内包するもの。そんな思いを込めて今年のテーマを掲げました。
—— 『春風』を開催する目的とは何なのでしょうか。
『春風』は、実行委員会、STAFF、ボランティア/出店/出展者の皆さん、そしてお客さん全てがそれぞれの表現を持ち込み発表する場です。そして、そこで新しいエンターテインメント、価値観、ライフスタイルに出会うことにより、また更なる自分の表現をみつけていきます。また、お花見と共に春を祝う大宴会場であり、野外フェスティバル走り出しの前祝い的な役割も担っています。
—— ソーラーパワーのワークショップを開催するなど、フェスを通した地球環境が感じられるのも『春風』の魅力だと思っています。参加者にどんなことを感じてもらいたいですか。
『春風』は、特に電気に対して問題意識を持っており、会場で使用する電気の大半を太陽光発電やバイオディーゼル発電、プラスティック発電など、自然エネルギーを使った発電で賄っています。電気は買うだけでなく作ることができる。それを実際に『春風』というフェスティバルでやってみることで、参加者に分かりやすく説明ができるのです。普段当たり前のように使用している壁電源の先にあるものは何なのか。行き着く先には、3.11で世間を震撼させた原発の問題等も見えてきます。ただ、参加者が『春風』に来てすぐに「このソーラー発電がこのステージの電源をつくっているんだ!」とまでは見せることができていないので、そこが今後の課題であるとも思っています。
—— フリーフェスとして開催を続けている理由は?
これに関しては単純に代々木公園で開催という大前提が一番大きいです。ここでお金をとることは会場づくりからしてもちょっと無理でしょう。さらにはこの時期は一般のお花見客で溢れる公共の場でもあるので、皆で一緒に楽しみたいという思いもあります。また、東京のど真ん中でこの規模で開催しているフリーパーティーは他になく、「『春風』で会おう!」この言葉はフリーフェスならではでないでしょうか。この言葉が私たちを動かしているといっても過言ではないですね。
—— 毎年、新たなチャレンジをしていると思いますが、今年はどんな進化した『春風』を楽しむことができるのでしょうか。
今年は音楽以外のコンテンツである、アートギャラリー、ワークショップ、キッズエリアが充実しました。アートギャラリーでは当日アーティストが描いた作品のオークションも開催します。また、キッズエリアでは昨年度よりワークショップが充実、福島のインドアパーク「CHANNEL SQUARE」からの遊び場も登場します。さらには原宿側ケヤキ並木では春風 × Coffee Streetの開催も決定しました。「◯◯のLIVEやDJを見に『春風』に行く」のではなく、春風全体を楽しめるコンテンツ作りをめざしました。ぜひお子さま同伴で遊びに来てほしいですね。
—— 参加者のみなさんに、ここでどんな時間を過ごして欲しいですか。
「大笑いしてほしい」が本音です(笑)。でもまぁそこまでいかなくても、笑顔で楽しんでくれたら何よりです。音楽で踊って、久しぶりの友達と再会して、新しい価値観やエンターテインメントと出会って、桜を見て、ニコニコしてくれたら嬉しいです。
開催日時:4月2日(土)12時〜20時/3日(日)10時〜20時
会場:代々木公園野外ステージ周辺
入場料:FREE+カンパ
出演:DACHAMBO、光風&GREEN MASSIVE、ARTMAN、CHAN MIKA、RANKIN TAXI、KO UEMURA、BRYAN BURTON LEWIS、MAYURI、野毛ハーレムLand、和田夫妻、他