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緊急取材。ゴールデンウィークに阿蘇で開催予定の虹空オーガナイザーに、九州の現状を聞いた。
2016.04.17 Sun
菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん ライター、編集者、DJ
東日本大震災以降、多くの人が九州に移住した。古くからそこに住んでいた人たちと移住した人が繋がり、多様なコミュニティが生まれた。そんなコミュニティのひとつにフェスやマルシェがある。ゴールデンウィークに阿蘇で開催される予定のフェス・虹空もまた、そんな新しいコミュニティのひとつかもしれない。マグニチュード7.3の熊本地震により、阿蘇では甚大な被害が出ている。虹空のオーガナイザーの力久博之さんに緊急インタビュー。九州の現状を聞いた。
—— 力久博之さんのお住まいはどちらですか。
福岡県福岡市西区に住んでいます。
—— 現在の地震の状況を教えてください。
余震が続いていて、熊本周辺の仲間たちは、車で待機や、避難所に避難している状況です。今後も余震が続くようであれば、家に帰宅できない状況が続く可能性もあります。
—— 4月29日にから、阿蘇の南小国町で開催予定のフェス、虹空について教えてください。どんなきっかけで始まったのでしょうか。
2012年にRainbow 2012 asoを開催しました。前の年2011年に23年間行われていた九州の代表的お祭り(虹の岬祭り)も終わり、脈々と続いてきたお祭り文化を、継続させるために2013年より始めました。今年で4回目の開催となります。
—— 東日本大震災以降、多くの人が熊本に移住しました。どんな変化がありましたか?
スキルのあるプロフェッショナルなアーティストや多種多様な職人達に多く移り住んでいただき、今までの九州の人たちでは変化できなかったことや、新しい発想が生まれました。9.11以降に九州は劇的に変化しましたと言っても過言ではありません。代表的な現象としては、三角エコビッレッチサイハテなど、今の時代の感覚でのコミューンが新しく次々と生まれ、その新しい仲間たちにいい影響を与えられて、更なる意識を高めています。
—— 今後の状況によって変わっていくと思いますが、今年はどんなフェスにしようと思っていますか。
お祭りの中にすべてが存在しています。生活に必要な衣食住とArt 、暮らしのヒントになるようなさまざまなワークショップがすべてそろっています。一人一人が確実に繋がっていける。僕らは外の世界に目を向けるのではなく、目の前の人々とエネルギーを交換するだけで、すべてを賄えることを実感する。国という概念を超えて、新しくやさしい繋がりを築き上げることが出来るような祭り。それが虹空です。
—— 地震があった直後の阿蘇にどういう人が集まり、阿蘇から何が発信されるのか、非常に期待しています。
今また、九州は地震の驚異にさらされています、この困難を助け合ってどう切り抜けて行くのかで、九州はさらに、大きな役割を果たすとおもっています。都会との違いは、孤立した個人主義ではなく、人と人の繋がりが深く、それぞれに助け合えるほどのスキルが高く、コミュニティがしっかりしていること。移住者も、元々も住んでいる方も、とても仲良くいい関係を築いています。古代の縄文人的営みを遺伝子レベルで無意識にやっている。完全に自然体な状況です。
—— 今、虹空開催に対して、どんな思いを抱いていますか。
今年は開催前に地震が起き、今のところ開催する場所周辺の状況次第です。そこで何ができるのか。開催日程は4月29日からですが、早めに祭りを始めて、被災した仲間たちを受け入れて、滞在しながら本祭に突入して行こうかと思います。
開催日時:4月29日(金・祝)〜5月1日(日)
会場:南小国村マゼノ共和国甲の瀬キャンプ村
出演:Soft 、Cro-Magnon 、RABI RABI 、力久博之&西井睦、Aobatrus (笑)、Under the dogs 、風太郎、PeaceーK、鈴木栄治、小久保淳平、他