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フェスおじさんの「フジロックはこれを見なきゃ!」第7回 ジャズの革命児 ロバート・グラスパー
2016.07.05 Tue
菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん ライター、編集者、DJ
コンブリオのコラムでも書いたけれど、ミュージシャンにインタビューした際に、最近のお気に入りを聞くことが多い。今、どんな音楽に興味があるのか。それを紐解いていくと、そのミュージシャンやバンドが持つバックボーンや方向性が見えてきたりする。
おそらく2013年。今年のフジロックのフィールドオブヘブンのヘッドライナーを務めるSPECIAL OTHRSのメンバーに、この質問を投げかけて返ってきたのが、ロバート・グラスパーだった。すぐに『ブラックレディオ』を買って聴いてみた。
ジャズの名門、ブルーノートからリリースされていたそのアルバムは、ジャズというジャンルを超えた革新を帯びたサウンドだった。グラミー賞ではベストR&Bアルバムを受賞した。ビルボード東京でのライブも見に行って、もっと踊れる場所で見たい、と感じさせてくれるライブを体感させてくれた。
その後、ロバート・グラスパーは、サマーソニック、タイコクラブ、ブルーノートジャズフェスなどのフェスに相次いで出演。そして苗場にはじめてやってくる。
他のフェスが、ロバート・グラスパーに合わないというわけではないが、もっとも彼の音楽にマッチする日本のフェスがフジロックだと思う。しかも出演するのは、最先端の音が放出されるホワイトステージ。ロバート・グラスパーの前に出演するのは、初の北米ツアーから帰国したばかりのSOIL&”PIMP”SESSIONSだ。『ブラックトラック』(ソイルの新作)から『ブラックレディオ』へ。ジャズをベースにしたブラックミュージックの新しい可能性を、そこで体感できるかもしれない。
ロバート・グラスパーの最新作は、マイルス・デイビスの楽曲を新解釈して提出した『エヴリシングス・ビューティフル』。ヒップホップ色をフィーチャーしたエクスペリメントでのフジロック登場。収録されたマイルスの楽曲を演奏するのだろうか。
7月24日 16時30分〜 フジロック ホワイトステージ