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アウトドアタウン、新潟県三条市の楽音祭は、なんと入場無料のフリーフェス
2016.09.07 Wed
菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん ライター、編集者、DJ
キャンプインではないものの、緑豊かな自然の中のキャンプ場で開催される入場無料のフェスがある。新潟県三条市の中浦ヒメサユリ森林公園で開催される「三条楽音祭」だ。スノーピーク、モチヅキ、ユニフレーム、キャンプテンスタッグの本社がある街として、アキママ読者も、三条の名前を知っている人も多いに違いない。
なぜ入場無料のフェスが開催できるのか。それは、過疎化の進む三条市の活性化をめざした市から、新しい何かができないかと中越地震の復興イベントをしていたスタッフに声がかかったことに起因している。市外はもちろん県外からも人を呼び、そこに住んでいる若者も前向きに参加できるものとは何なのか。そしてフリーフェス「三条楽音祭」が2009年にスタート、今年で8回目の開催となる。
「中浦ヒメサユリ森林公園のある下田地区は、相変わらず若者が少ない地域ですが、のどかな田園風景が広がり、野菜やお米がすごく美味しい地域です。夜になると、星がとてつもなく綺麗で、時間を忘れて、ずっと空を眺めてしまいます。もちろん、三条楽音祭の会場もとにかく豊かな自然に囲まれています。下田住民の方々が毎日草刈りや地面の手入れをしてくれているんですが、整備されすぎているということがないので、自然に身を委ねられる居心地のいい空間なんです。携帯の電波も繋がりにくいような場所なので、ご来場のお客さんには、三条楽音祭当日は日々の喧騒から離れて、音楽と自然に身を委ねて、身体も心も揺らしてほしいですね。そして、何より、地元のお店や宿で名産品を味わっていただき、下田地域の素晴らしさを体験して頂ければ最高です」と実行委員長の大橋賢太さん。
会場があまり広くないこともあって、会場までは車では行けない。バスで20分くらいのところに駐車場を用意してあり、そこからシャトルバスをピストンで出すそうだ。JR三条駅からもシャトルバスを運行するというから、車ではなく、電車や新幹線で行くというのもひとつの案だろう。電車なら、ビールなどのアルコールも楽しめるし。
「三条はのどかな自然とストイックな職人と心優しい人々が同居する街です。だからこそ、三条楽音祭はステージも何もかも手作りで運営できています。この街には、お金を使った大型フェスよりも、みんなの気持ちで作り上げる、手作りで人情味の溢れるフェスがマッチしていると思います。地元産業の特性を活かしたものづくりワークショップを開催できれば、他に無い個性を持ったイベントになると思いますが…それは来年以降のお楽しみですね」と大橋さん。
三条という街を知るための三条楽音祭。フェスによって、その街の姿が見えてくる。そんなフェスが、これからもっと増えてくればいいのに、と思う。
開催日時:9月11日(日) 12時~20時30分
会場:新潟県三条市中浦ヒメサユリ森林公園
出演:LITTLE TEMPO、bonobos、Dachambo、ROOT SOUL-4piece- feat.Keyco、Soulcrap