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山梨の若き農民による収穫祭「農民ダイナマイト」。今年の収穫をフェスというスタイルでみんなで祝う。
2017.11.14 Tue
菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん ライター、編集者、DJ
作物を育てるために野外で仕事をする農業。もしかしたら、農業もアウトドアのひとつかもしれない。モンベルではアクティビティのなかに「農林作業/野外作業」というカテゴリーを設け、レインウェア、つなぎ、エプロン、帽子などのアイテムを展開してるほどだ。
農民がオーガナイズする入場無料のフェスが、山梨で開催されている。その名も「農民ダイナマイト」。勤労感謝の日である11月23日に今年も行われる。
「もともと、甲州市塩山神金の生まれで農業をしている若手農家と、同じく農業を愛する地元の農民が、お酒の席でふと『神金で何かフェスやりたいね』というノリで盛り上がって、地元のご協力あって開催したのが『神金フェスタ』でした。毎年開催を重ねて2014年に『農民ダイナマイト』と改めました。収穫祭をみんなで祝って感謝しようというのがきっかけです。多くの方のご協力あって今年で第8回目のお祭りです」と「農民ダイナマイト」の広報担当者。
11月23日は新嘗祭の日として、明治以降にこの日に定められている。新嘗祭とは「稲の収穫を祝い、翌年の豊穣を祈願する古くからの祭儀」だ。いわば収穫祭の日だ。
「毎年11月23日に開催する、というのが一番の特徴だと思います。徐々にですが地元の人にも定着してきているように感じています。新嘗祭の日に各地の農民が集まって地元住民と触れ合ってる光景は、他にはない祭りだと感じています」
山梨の神金地区では、作物の収穫はほとんど終わり、冬の準備をはじめている頃。11月後半は晴れの日が続くことが多いという。ライブやマルシェのほかに、餅つきや青空のど自慢、「野良ストーリーは突然に」と題された野良コンもコンテンツも多彩だ。
一年の収穫をみんなで祝う。それぞれの町に古くから続いていた祭りを核にしつつ、フェスというスタイルで若い世代によって生み出されていく。これも野外フェスが日本で定着しているひとつの現れに違いない。
開催日時:11月23日(祝・木)10時〜16時
会場:神金小学校付近(山梨県甲州市)
出演:KARAMUSHI & SPECIAL FRIENDS、MABROCK、奈良大介、田我流、ほか