• フェス

6日間のフェストリップ。東京からもっとも「遠い国内」=小笠原でもフェスが開催される。

2018.10.14 Sun

菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん ライター、編集者、DJ

 東京から南へ1000キロに位置する小笠原。都道府県で区別すればここも東京都なのだけれど、定期便は船しかない小笠原は、日本で東京からもっとも「遠い」ところと言っていい。その船も6日に1便で24時間も要する。

 第二次世界大戦の後にはアメリカの統治下になった小笠原。今年6月に日本に復帰して50年を迎えた。この50年を祝うイベントのひとつが「OGASAWARA MUSIC FESTIVAL」だ。父島では10月27日と28日、母島では10月28日に開催される。一昨年と去年に「小笠原アイランドジャズ」というタイトルで開催されたフェスが、今年はバージョンアップする。

「返還50周年記念イベントの一環として、音楽で50周年を祝います。返還後の50年の歴史のなかで、島内におけるバンド活動やライブイベントは充実し、小笠原アイランドジャズのような大きなイベントも開催されるまでになりました。今後の小笠原の音楽シーンへの期待を込めつつ、ミュージックフェスを通して小笠原諸島の魅力を世界に発信できればと思っています」と小笠原ミュージックフェスティバル実行委員会代表の斎藤崇志さん。

 ホームページには開催日が10月25日から30日までと記されている。これは東京から行って帰ってくる船の日程(定期船おがさわら丸の10パーセント割引も適用される)。滞在期間を伸ばさないのであれば、フェスに参加する人はもちろんのこと、出演するミュージシャンもこの船に乗船するしかない。つまり船のなかでフェスは始まり、船のなかでフェスが終わる。ミュージシャンのライブも予定されているという。ライブツアーのためにグレイトフル・デッドやジャニス・ジョプリンなどのミュージシャンたちを乗せて走った特別列車『フェスティバル・エクスプレス』がカナダを横断したのは1970年だったけれど、まさしく『フェスティバル・トリップ』であり『フェスティバル・シップ』と言えるだろう。

「旅を共にする仲間や、フェスを通じての島民との交流、小笠原の自然・感動体験はもちろんのこと、小笠原のライフスタイルに触れ、帰りの船で『また来たい』『今度はこうしたい』『こんな世の中になったらいい』など、次につながるきっかけを持ち帰っていただけたらうれしいです。また戦後アメリカ統治からの返還50周年を記念したイベントとして、小笠原はもとより、戦後日本が歩んできた歴史に思いを馳せていただけたら幸いです」

 2011年には世界遺産にも登録された小笠原。フェスという場を作ることから生まれるつながり。そしてつながったことによって新しい一歩が派生していく。ほぼ一週間というフェスティバル・トリップは密度の濃い時間になることは間違いない。

Ogasawara Music Festival
開催日:10月27日(土)〜28日(日)※船の旅程としては25日(木)〜30日(火)
出演:父島大神山公園、母島脇浜なぎさ公園
出演:SPEAK NO EVIL feat. Hironobu Saito、HOME GROWN with Spinna B-ILL、BimBomBam楽団 feat. 竹廣類、松永希 Ogasawara Special UNIT feat.山内アラニ雄喜、他

 

Latest Posts

Pickup Writer

ホーボージュン 全天候型アウトドアライター

菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん ライター、編集者、DJ

森山憲一 登山ライター

高橋庄太郎 山岳/アウトドアライター

森山伸也 アウトドアライター

村石太郎 アウトドアライター/フォトグラファー

森 勝 低山小道具研究家

A-suke BASE CAMP 店長

中島英摩 アウトドアライター

麻生弘毅 ライター

小雀陣二 アウトドアコーディネーター

滝沢守生(タキザー) よろず編集制作請負

宮川 哲 編集者

林 拓郎 アウトドアライター、フォトグラファー、編集者

藤原祥弘 アウトドアライター、編集者

ふくたきともこ アウトドアライター、編集者

北村 哲 アウトドアライター、プランナー

渡辺信吾 アウトドア系野良ライター

河津慶祐 アウトドアライター、編集者

Keyword

Ranking

Recommended Posts

# キーワードタグ一覧

Akimama公式ソーシャルアカウント