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今年最後のキャンプインフェスであるフォレストジャムは、もしかしたら平成最後のキャンプインフェスか?
2018.11.07 Wed
菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん ライター、編集者、DJ
10年前までは、10月前半の朝霧JAMまでがフェスのシーズンだった。けれどここ数年、10月後半だけではなく、11月にも野外フェスが開催されるようになってきている。その先陣を飾ったのが、千葉県のいすみで開催されている「フォレストジャム・グランデ」だ。森の中の小さなフェスとして「フォレストジャム」がスタートしたのは2008年。その拡大版であり、キャンプインフェスとして「フォレストジャム・グランデ」は2010年に初回が開催された。
「森の小さなフェスとしてのイベントは70回を超えました。メジャーではなくても、ライブの質が高いミュージシャンたちは多い。そのライブを東京でなくても楽しみたい。そんな思いがあってスタートさせたんです。11月のキャンプって天気も安定しているし、自分も好きでした。だったらキャンプインフェスも可能なんじゃないかって考えたんです」とオーガナイザーの迎忠男さん。
迎さんはかつて東京に住んでいたものの、千葉に移住。自分の暮らす地域で楽しむ場を作りたいという思いがきっかけで「フォレストジャム」をはじめた。会場は中滝アートビレッジ。かつて別荘地として作られたエリアで、プランした人が日本在住のオーストラリア人学者だったということもあり、この森に入ると「日本ではないどこか」に来たような感覚になる。
「『グランデ』はちょっととんがっていたいんですね。そこにいればゆるいんだけど、音楽自体はがっつり響かせたい。『グランデ』の時間は自分でも楽しいんですね。参加するみんなも喜んでくれる。中滝に来れば、ある種のトリップ感もあるじゃないですか。東京からそれほど遠くないのに『ここはどこ?』って感じられる。このロケーションのなかでのライブ。来た人は気持ちよくて楽しかったと言ってくれます。来ないと、良さだったり濃さだったりがなかなか伝わらないのかもしれませんね」
都市のクラブシーンが持っていた「とんがり」がフェスへとつながっていった。「グランデ」にはクラブシーンからフェスへと飛翔していったミュージシャンたちがラインナップされている。多くのフェスから薄れつつあるアンダーグラウンド感(もしくはダンス感と言ってもいいかも)が、「グランデ」の底流には今も流れている。
今年最後のキャンプインフェスを、あなたはどこで楽しみますか。平成は来年の4月末まで。もしかしたら、平成最後のキャンプインフェスになるかも。
開催日:11月10日(土)〜11日(日)
会場:中滝アートヴィレッジ
出演:F.I.B JOURNAL Six meets 武田カオリ、光風&GREEN MASSIVE、☆.A/NAOITO、山本精一、MAJESTIC CIRCUS、Muff、RABIRABI+IZPON、L.E.D.、ズクナシ、Exotico De Lago、SAIRU、他