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キャンプよろず相談所スタッフがレポート! ゼロ歳児連れフジロック体験記
2019.07.15 Mon
夫婦でアウトドアを仕事にしている、キャンプよろず相談所のスタッフ(女)が昨年の2018年にゼロ歳児を連れてフジロックに参戦! 台風迫る2泊3日の滞在は果たしてどうだったのか!?
荒天を見越して道具セレクトは入念に
妊娠・出産による1年間のブランクを経て、昨年生後7ヶ月の子どもを連れてフジロックへ参加しました。あろうことか台風12号が接近していた2日目から現地入り。私の所属する「キャンプよろず相談所」をもってしても、とくに風雨がもっとも強まったときは緊迫した雰囲気で、我が家も手も足も出ないタフな滞在となりました。
……と同時に、晴れ〜小雨だったときは思った以上になんとかなった、という実感も。
まず対策として大きかったのが、徹底して現地での動きや天候をシミュレーションし、道具を入念に揃えた点。後半でその一部を紹介しますが、赤ん坊の運搬道具と、持ち物や身体を濡らさないための防水対策、そして大人の「歩く」「休む」道具も手を抜かなかったことが大きかったと言えます。
大きな音を遮へいする防音イヤーマフは子連れフジロックで必携。今回はオーストラリアのブランド「Banz」のものを用意したが「フジロック!」ロゴ入りの公式イヤーマフもある!
次によかったのが、会場内では大きいステージを回避した点。音量が大きく、目玉級ライブでは大混雑となるのが容易に想像できたので、その人ごみを縫うように裏番組的な小規模ステージをめざしました。なかでも最南端にあるピラミッドガーデンはどのステージよりも穏やかで、かなりの時間を過ごしたように思います。
そして、宿泊先として会場からもっとも近いプリンスホテルを抑えられたことも大きかった! 強雨時はシェルターとして逃げ込めるし、また連続外出は3〜4時間を目安にこまめに戻って部屋で休ませ、場合によってはベッドでの昼寝を挟みました。静かな環境でスイッチを一旦オフにする時間を作ることで、次の外出も比較的機嫌よく過ごしていたように思います。夜は19時には外出を終え、いつも通りの時間に就寝(大人はその後交代で出かけた)。
3輪バギーはちょっとやりすぎた。イスやカップを装着できるようにするなどカスタマイズして臨んだが、大きすぎて持て余し途中から使わなくなった。取り回しのよさは重要!
音楽を二の次にして苗場を楽しむのもまたよし
今回の滞在の後半はとくに台風の影響で風雨が強まり、残念ながらドラゴンドラで行く高原エリアや、ところ天国脇の浅貝川などは訪れていません。けれど、もし天気に恵まれた開催だったらバギーやベビーキャリアをフル活用してあちこち移動していたはずです。
フジロックは数々の伝説を生んだロックフェスでありながら、音楽を二の次にしてフィールドを楽しむだけでも来た甲斐があるほど自然と共生したフェスティバル(会場のすぐ裏の山中に歩いてしか行けない秘湯宿「赤湯温泉山口館」があるってこと、みなさん知ってますか? )。遠くから流れ聞こえるステージの音をBGMに、心地よい空間でゆっくりすることこそ、じつはフジロックのもっとも贅沢な過ごし方なのかもしれません。
アンビエントやアコースティックなど、チルアウトなライブが目白押し。フジロック会場最南端のピラミッドガーデンはCandle JUNE氏プロデュースの、喧騒とは無縁のエリア。子連れも多い。
平和や自然のありがたみをフジロックで噛みしめて
ゼロ歳児を連れてフジロックに行くという私たちの行動は、いいも悪いも答えはありません。けれど、自然のなかでの安全や安心感、快適さ、そして状況に応じた撤退を親が子どもに確実に約束できるのなら、それが世間の〝常識〞と多少ずれていても、自分たちの判断で出撃してよいのだと改めて考えさせられました。
そもそもアウトドアで遊ぶということは、野外フェスティバルに関わらずそういうこと。みずからの判断で楽しさと安全のどちらをも、たぐり寄せるスキルがあり、身の丈に合っていると確信できるなら、自然のなかへ子どもを連れていくチケットを手にできるのではないでしょうか。
そうして連れ出したフィールドの体験を通じて、子どもには自由に野山を駆けまわれる平和のありがたみや、自然豊かな日本に生まれた幸運を噛みしめて生きていってほしい。そのどちらも体感できるひとつの象徴的な場所が、このフジロックではないかとも思います。
それにしても! 子どもをダンナに預けて真正面から音楽に没頭できる時間はすばらしいのひと言でした。子どもを大切と思うあまり、自分という個を完全に後回しにして暮らすのはよくないですね。私が生涯かけて楽しんでいきたいアウトドアや音楽の世界を、子どもを巻き込みながらこれからもたくさん伝えていきたいと思います。
コロンビア
ペンクリバーアウトドライバックパック
¥15,120
赤ん坊の着替えやおむつなど、移動時に絶対に濡らしたくないものを入れていた防水バックパック。物の出し入れを行なう開口部はクルクル丸めて固定するロールトップ仕様で、中は1気室の大きな空間。荷物の出し入れもスムーズで、子連れに関わらず野外フェスでは活躍必至。容量25L。
KEEN
ピレニーズ
¥22,680
長靴、アウトドアサンダル、完全防水のトレッキングブーツの3つが私の考えるフジロックでの足元三種の神器。移動が広範囲にわたり、ときにぬかるむ会場ではやはり信頼できるブーツが一番頼もしい。アウトソールの硬さが絶妙でアスファルトから草地までとにかく快適。
シールライン
ディスカバリービュードライバッグ 5L
¥4,104
ベビーカーに積んでおく赤ん坊用品やグリーンステージ後方の休憩エリアでは、濡らしたくないものを完全防水のスタッフバッグで管理(ビニール袋は最後必ず濡れる)。これは中身がひと目で分かる半透明タイプで、口を閉めたあと余分な空気を抜けるバルブ搭載。
ラフマ
マキシポップアップ
¥10,692
これまで様々な折り畳みイスを試したが、我が家はこのイス一択! パッと開けて収納も一瞬、子どもの機嫌次第で瞬時に撤収し移動が可能。また細長く収納でき人ごみでもジャマにならない。そのうえ座り心地も最高とくるのだから、これ以外何を選ぶというのか。
モンベル
ベビーキャリア
¥22,464
おもに夫が背負う目的で導入したのがモンベルのベビーキャリア。子どもを座らせたまま地面に下ろせる便利な自立システムは他社も導入しているが、このモデルはとにかく本体が軽いのがいい! 別売りで簡単に取り付けられるレインカバーとサンシェイドがある。
【Text by Tomoko Fukutaki Photo by sumi☆photo】
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