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渋谷から山中湖へ。ナイトクラブTHE ROOMがキャンプイベントを開催。野外で飲んで、食べて、喋って、踊る。
2020.11.10 Tue
菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん ライター、編集者、DJ
1991年にKyoto Jazz Massiveとして活動を開始して以来、30年近くにわたって、世界でDJを続けてきている沖野修也さん。DJ/アーティストとして招聘されたのは35カ国140都市にも及ぶという。フジロックをはじめ、日本のフェスにも数多く出演を果たしている。自身がプロデュースするクラブTHE ROOMを渋谷にオープンさせたのは1993年のことだった。コロナ禍によってTHE ROOMは4月からしばらくの間、営業を自粛。お店を継続させるためにクラウドファンディングを実施し、1200人近くの支援が集まった。その数からも、渋谷発信のクラブカルチャーにおけるTHE ROOMのポジショニングも見えてくる。そのTHE ROOMが、はじめてのキャンプイン・イベント「THE ROOM CAMP」を山中湖で開催することになった。
interFMで日曜16時からオンエアされているThe Room Radioのナビゲーターも務めている沖野さん。クラブジャズシーンの中心的な存在だ。
「地下から屋外に活路を見出すナイト・クラブの新しい展開と、かつてTHE ROOMに通った人との再会がこのイベントのテーマです。サブ・タイトルにある『タキビ』は重要なキーワードです。火を囲んだ集い、しかもそこで歌を歌ったり踊ったりすることは、人類の原始的なコミュニケーションの形です。もう何年もCAMPは人気があってずいぶん普及していますが、その流れに合流するというより、人間のエンターテインンメントの原点に回帰するというのがメインコンセプト。山中湖では紅葉祭りが11月15日まで開催されています。その最後の週末に合わせて家族や友達と来られるし、屋外なので密集状態も避けられる。ちなみに、このCAMPで初期THE ROOMのロゴを復活させ、僕が10年間やったTOKYO CROSSOVER/JAZZ FESTIVALの1回目のビジュアルに使った富士山を再びフライやーのモチーフとして使っています。そういう意味でも個人的に初心に戻って新しいことを始めるという感覚もあります」と沖野修也さん。
山中湖では紅葉祭りが11月15日まで開催されている。カラフルな自然の中でのイベントは、最高の時間をもたらしてくれるだろう。
沖野さん自身、今回のTHE ROOM CAMPをミニ・フェスティバルと呼んで位置付けているという。音を鳴らすDJもスタッフも、そしてお客さんもみんなで場を共有する。小さなクラブが、そのまま密のない野外に出て行ったという印象を抱くミニ・フェスティバルになるに違いない。クラブは徐々に人が戻ってきてはいるけれど、まだまだ多くの人を呼び込むことは難しい状況が続いている。THE ROOM CAMPはこれからも続くであろうクラブがオーガナイズする野外イベントの一歩であり、クラブで思いっきり踊りたいと思っている人にもオススメのキャンプインフェスだ。
Culture Crossing Series
The Room Camp ~TAKIBI and MUSIC~ vol.1
開催日時:11月14日(土)10時〜19時 AFTER PARTY 19時〜
会場:the 508(撫岳荘・山梨県山中湖)
出演:HUYA OKINO (Kyoto Jazz Massive/Kyoto Jazz Sexet)、DJ KAWASAKI、YUKARI BB (Jazzy Sport Kyoto)、MASAKI TAMURA(Do it Jazz!)、YOSUKE、TOMINAGA(CHAMP)、ENDONAO (CMYK)、TAICHI ISOZAKI (MAGNETiC)