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「野外ステージを使ったライブなら続けられる」。佐藤タイジ提唱のソラリズムがあきる野市のキャンプ場で2回目の開催。
2021.06.04 Fri
菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん ライター、編集者、DJ
観客数をキャパシティの半数以下にするなど、コロナ禍において、ライブシーンは苦境に立たされ続けている。まだ出口が見えてこないというのが、ミュージシャンをはじめとしたライブ関係者の思いだろう。
野外フェス「THE SOLAR BUDOKAN」のプロデューサーでもあるシアターブルックの佐藤タイジさんが、音楽文化復興への野外ライブムーブメントとしてスタートさせたのが「ソラリズム」だ。全国のいたるところにある野外ステージを使ってライブをしていく。4月に東京・あきる野市のキャンプ場である多摩あきがわライブフォレスト自然人村でキックオフイベントが開催された。
春の花と芽吹いたばかりの緑が美しい4月に初開催。なぎら健壱さんは、カントリーミュージックの日本の第一人者でもある。
イベント終了後、佐藤タイジさんに話を聞くことができた。
「実は日本各地に使われていない野外ステージが数多くあって、そこをいろんなバンドはツアーできるようになればいいなと思っています。公園にある野外ステージだったら、通りがかりのおっちゃんやおばちゃんに聞いてほしいし、世代間、ジャンル間の分断っていうものを取っ払っていける場だと思うんです。とにかく野外で、安全な環境でライブがしたい。コロナより前にはしばらくは戻らない。だったら従来とは違う音楽の楽しみを見つけなければならない。その一歩が『ソラリズム』なんだと思っています。今日も、なぎら健壱さんがいて、金子マリさんがいて、清春くんがいて、20代の若いモミジちゃんがいる。短い時間なのに、ものすごい多様性がある。日本音楽の伸び代がここにあるのかなって」
佐藤タイジさんは焚き火を前にライブ。自然がもたらしてくれるライトショー。
2度目の「ソラリズム」の開催も、同じ場所で決定した。出演するのは、佐藤タイジさんが率いるシアターブルック、レジェンド・ギタリストのChar、2回連続となる清春、そしてセネガル人のジャンベマスターが中心のAfro Begueなど。今回も多様な音楽性のラインナップとなった。
「みんなが納得できる新しいやり方を、みんなが探している。続けていって実証していかなければならないんだろうけど、野外ステージを使ったライブは続けられる。もっとも現代的なやり方を提示できたんちゃうかなって思っています」
東京都内のキャンプ場が会場。都心から電車で行くことも可能だ。
5月には野外フェスもいくつか開催された。フェスよりももっと日常に近い存在にあるライブを、佐藤タイジさんは「ソラリズム」にイメージしているのだろう。今回もキャンプ場のステージを使っての開催になるけれど、いつか都市のなかにある公園の野外ステージでの「ソラリズム」も期待している。
「野外フェスのようでいて野外フェスの雰囲気とはどこかが違う」と佐藤タイジさん。ソーシャルディスタンスは今の時代には楽しむための必須条件。
写真 = 高橋良平
ソラリズム夏2021
開催日:7月18日(日)
会場:多摩あきがわ ライブフォレスト自然人村
出演:シアターブルック、Char、清春、Afro Begue、ほか