- フェス
【フジロック23の歩き方 DAY1】久しぶりの苗場再登場と新たな音楽シーンの潮流と
2023.06.28 Wed
2023年のラインナップをどこから攻略したらいいか?お馴染みのアクトと2020年代らしい新興勢力、加えてフジロックならではのセレクションという3つの核が混在するのが今年のアンサーのように感じられる。それぞれがストーリー性のある3つのヘッドライナーを軸にフレッシュさとこだわりを感じるアーティストを中心に、独断と偏見で2023年のフジロックの歩き方(おすすめアーティスト)を紹介していこうと思う。
7月28日(金)
初日のヘッドライナーはザ・ストロークス。前回から17年の月日が経ってしまっている。2020年に発表した7年ぶりの新作『ザ・ニュー・アブノーマル』は、ほろ苦さを内包した「かつてのインディ・ロックの素晴らしさ」を今の時代に再構築した大傑作だ。3年待ちでいよいよ日本のフェスで確認できる日がやってくる。
ザ・ストロークス@GREEN STAGE/1999年、NYで結成。2001年、イギリスのラフ・トレードにデモ・テープを送り、契約後、3曲入りのシングル「ザ・モダン・エイジ」を発表。これがきっかけとなりイギリスで人気が爆発。2020年には最新アルバム『ザ・ニュー・アブノーマル』をリリースし、キャリア初のグラミーとなる「最優秀ロック・アルバム賞」を受賞した。
USインディの象徴的なバンド、新作をリリースしたばかりの大ベテラン、ヨ・ラ・テンゴも10年ぶり。ゆらゆら帝国時代から交流があり幾度となく同じステージに立ってきた坂本慎太郎も同日に出演、ここにも脈々と紡がれてきたストーリーがある。
ヨ・ラ・テンゴ@FIELD OF HEAVEN/1984年、当時音楽ライターをしていたアイラとジョージアを中心にニュージャージー州ホーボーケンにて結成。今年2月にバンドのノイズとアコースティック双方の魅力を携えた16作目となる最新アルバム『This Stupid World』をリリース。
新たな音楽シーンの潮流の代表格として必見なのがイヴ・トゥモア。作品を重ねる度にスケールアップし続けていて、オルタナティブとR&Bのフュージョン、誤解を恐れず例えるとマイ・ブラッディ・ヴァレンタインとプリンスの融合+αといったイメージ。
イヴ・トゥモア@RED MARQUEE/独自のロック・サウンドを展開しながら大胆に音楽性をスケールアップさせ、次世代のロックスターとして進化を見せ続けている。最新作『Praise A Lord Who Chews But Which Does Not Consume; (Or Simply, Hot Between Worlds)』では、ロック、サイケデリア、エレクトロニカを融合させ、ポップミュージックの概念を再構築させた。
最新リリースでメロウなレトロ・ソウル路線に移行しつつあるNxWorries(ノー・ウォーリーズ)やスナーキー・パピーの鍵盤奏者としても知られるコリー・ヘンリーのファンク・バンドも楽しそう。「これはフジロックならでは」という変わり種としてザ・ブードス・バンド。ディープ・ファンクの代表的レーベル・ダップトーンにおいても、アフロ+ファンク+サイケという独自路線をつらぬいている100%踊れる要チェックバンドだ。
ザ・ブードス・バンド@FIELD OF HEAVEN/2005年にNYで結成されたアフロ・ファンク・サイケデリックバンド。USファンクの名門レーベルであるDAPTONEの孤高の看板バンドとなったザ・ブードス・バンドの初来日が苗場で実現する。
Text = Hideki Hayasaka
●『FESTIVAL ECHO』 配布場所 は岩盤、TOWER RECORDS、KEEN、CHUMS、LOGOS、OSHMAN’S、アルペンアウトドアーズ、WILD-1など販売店 ※一部店舗を除く/随時配布