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【フジロック23の歩き方 DAY2】「ロック」のライブシーンのおもしろさと熱さを体感
2023.06.29 Thu
7月29日(土)
真っ先に目に飛び込むのは、フー・ファイターズ苗場への帰還だ。ロックミュージックの衰退が叫ばれるなかにあって、紛れもないメガバンドのひとつであり、昨年のドラマー、テイラー・ホーキンスの死から新作発表〜ライブ活動再開と、静かに第2章を刻みつつあるなかでの出演は、間違いなく2023年のフジロックのハイライトとなるだろう。
フー・ファイターズ@GREEN STAGE/元ニルヴァーナのドラマーであり、現在の音楽シーンを代表するロック・アイコン、デイヴ・グロールを中心とする米ロック・バンド。2022年には「ロックの殿堂」入りも果たした。今年になって、世界を代表するフェス、ボナルーとグラストンベリーに相次いで出演している。
アメリカのライブ音楽シーンのおもしろさを凝縮した2組をピックアップ。個人的には今年の全アクトのなかでも星5つのリコメンドとなるのが、現行ファンク最前線のバンド、ヴルフペックのギタリスト、コリー・ウォンの日本初見参。ヴルフの日本でも人気急上昇中のなか「本隊よりも先にコリーが来るんかーい」と喜んでいるファンも多いはず。さらにLAシーンの最重要人物のひとり、ルイス・コールは昨年の日本公演でも好評だったビッグバンド編成でのセット。
コリー・ウォン@FIELD OF HEAVEN/今やファンクバンドの代表格となったVULFPECKのメンバーであり、数多くのコラボレーションを通じてその独創的でタイトなプレイスタイルで知られているギタリスト。トム・ミッシュらと共にギターマガジンの新3大ギタリストにも選出されている。
次は細分化のされたジャンルを俯瞰で楽しむアプローチから「シューゲイザー」というキーワードで。特に邦ギター・ロックとの親和性も高いことでも知られるジャンルだ。そのオリジネーターのひとつである耽美系の総本山・スロウダイヴと、現行のジャパニーズ・シューゲイザーの最適解・羊文学が揃い踏みとなる。3日参戦の人は前述のイヴ・トゥモアと合わせて「新旧のシューゲイザー巡り」を組み込んではいかがだろうか。
「技巧系のライブバンドが見たい」という人にはインド発のジャズ・ロック・カルテット、ジャターユ。ポップフィールドで普遍的な良曲を量産しているワイズ・ブラッドのバロック・ポップもオススメ。(メディアでは「歌声がカレン・カーペンター似」といった言われ方もする)包容力のあるヴォーカルにも注目して欲しい。
スロウダイヴ@RED MARQUEE/1989年、英レディングにて結成されたシューゲイザー・バンド。マイ・ブラッディ・バレンタインなどとともにシーンの中核をなすも95年に解散。2014年に再結成され、2017年に22年ぶりの作品を発表した。
Text = Hideki Hayasaka
●『FESTIVAL ECHO』 配布場所 は岩盤、TOWER RECORDS、KEEN、CHUMS、LOGOS、OSHMAN’S、アルペンアウトドアーズ、WILD-1など販売店 ※一部店舗を除く/随時配布